アーティスト・ブロガーの鈴木淳子と申します。

ブロガーという職に巡りあったおかげで大変多くの方と出会い、同時に「現代アートってよくわからないのよね」という言葉を耳にします。なので、アートガイド、はじめます!!

小難しくなくアートについてお話できればいいなぁと目論んでいます。どうかゆったり読んでください。作り手が話すアートですので、難しいカタカナは使いません。けど、ちょっとほっこりできる人生のエッセンスをお届けしたいと思っております。

第1回目に何を書こうか考えていたら、自分自身は真剣に対峙している人の姿を観るのが好きで、作品を見ているのも制作風景を見ているのも好きなのだということに気がつきました。

息を止めて筆先を動かす瞬間。カタチを作る瞬間。作り手のその緊張感溢れる眼差しと手さばき。想像するだけで鼻息が荒くなりそうです。どちらに? 人に? モノに? いえ、うーんと両方に。

作品を観ながら、その制作風景を勝手に妄想して萌えたりするわけです。もしかしたら、これは作ることも好きな私の、特殊な楽しみ方かもしれません。

というくらい、アートの愛で方とは自由なのであると思います。

たとえば絵画なら色が好きとか、モチーフ(描いてあるもの)が好きというのもいいし、コンセプトや考え方が好きというのもいいのです。

私たちは受け手として好きに咀嚼する時間を与えられているので、正しい解釈や答えを探そうとしなくてもOK。「ここが好き」と自分の気持ちに素直に眺める。そんな心持ちでいれば、観るのがぐっと楽しくなるのかもしれません。

では次に、作品を買ってみようと思ったことはありますか?

リビングのこのあたりに絵か写真が欲しいわよね。と思った次の瞬間、そこに飾るのにお気に入りの現代アート作品を選択肢にするのはいかがでしょうか。でも待って下さい、どこで作品が買えるかご存知ですか? インテリアショップ? 美術館のギャラリーショップ?

それだけではありません。たとえばですが、ギャラリーで買えるんです。でも美術館以外でアート鑑賞したことないかたは多いはず。

ギャラリーは敷居が高くて入ったことないわという初心者の方でもわかるように、六本木の『Yutaka Kikutake Gallery』(通称YKGギャラリー)のギャラリスト・菊竹寛さんにお話を伺いました。

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注目されるギャラリーにてインタビューを敢行

車も人も行き交う六本木通りを1本入った先、ビルの2階で静かに佇むYKGギャラリー。

静寂の中に、ぽつりぽつりと明かりが灯るように壁面を彩る「向山 喜章 LUMINOUS / LUNAR」展。

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開催中の「向山 喜章 LUMINOUS / LUNAR」より

YKG Galleryは、2015年7月に東京都港区六本木に開廊したばかりの注目のギャラリー。絵画、写真、彫刻、映像など、同時代に制作される作品を紹介し、展覧会と併せて、アーティストトークの開催や展覧会カタログ、アーティストブックの出版も行っています。取り扱い作家には、若手の注目作家「Nerhol(ネルホル)」、六本木ヒルズで現在開催中の「宇宙と芸術展」の出展作家である「向山喜章」ほか。

作品を買う楽しみから、聞く勇気が出ない金額まで、ざっくばらんにお尋ねしました。

淳子(以下、J):都内のギャラリーを中心に、学生時代もその後も好きで見に行ったりしています。昨年オープンしたばかりのYKGにも、ひっそりと注目していて。ギャラリーってオーナーそれぞれの審美眼やカラーがありますので、もしかして新しい流派のようなものがあるのではないか!? と。まず、素朴な疑問なのですが、ギャラリーとはどういう場所なんでしょうか?

菊竹(以下、菊):ここYKGでは絵画や写真を中心とした若手から中堅の現代アート作家の作品を扱っています。ギャラリーは取り扱いアーティストの基地で、作品を制作する支援をしながら一緒に作り上げて行く場所でもあるんです。例えばNerholの作品制作では、使用する紙の種類や、どれくらいの大きさの作品にするか、ときには、作品コンセプトそのもの関しても一緒に相談をして制作を進めていくことも。

J:アーティストとして とても心強い言葉! 作る作業はどうしても自分との戦いになってしまいがち。一緒にサポートしてくださるのはとっても心強いですね。菊竹さんにとって作家さんと作品とはどういう存在なんでしょうか。

:作家とギャラリーとは深い尊敬と信頼の関係なんです。これから10年〜20年後の成長も楽しみですし、長い目でみれば100年〜200年という年月を経て後世に残るような作品もたくさん出てくるはずです。それをサポートし扱う人間として大きな責任を感じると同時に、ロマンを感じています。

つまるところ、アートを買うとは......?

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ここで菊竹さんがふと電気を消しました。ほとんど白く見えていた作品が、窓からの自然光で色が変化する。ゆっくりと発光するように、穏やかに色づくその姿は、まるで生きものを観ているかのよう。

向山さんの作品は環境で呼吸する絵画をコンセプトに、何十回も顔料を重ね、時間をかけて1つが誕生しています。もし家にあったら、本当に新しい生き物を迎え入れるのと同じかもしれない、と感じました。

J:作家さんが好きだったり、思い出があったり、見た瞬間気に入ってしまったり、いままでいろいろなきっかけで作家さんの作品を集めているんですが、なんかこう、向山さんの作品は本当に生きているような気がしてしまいますね。

:繊細でありながら生命力のあるとても美しい作品ですよね。この小さいサイズ(21×21×4cm、写真上)は1枚15万円ですので、ベッドルームなど、光で表情の変化を観れるお部屋に飾るといっそう楽しめると思いますよ。

J:美術館に展示されるようなかたの作品を買うチャンスがあるなんて、やっぱりギャラリーってウキウキするなぁ。じつは私も、友人の作家さんの作品や、紹介で気に入ったかたの作品をこっそり集めはじめているんです。

買いどきというのは、やっぱりこれから育つ若手の作家さんですよね。有名になるにつれて、びっくりするほど金額が変わりますから。気になったら作家さん自身でも、ギャラリーのかたにでも、ガンガン聞いていいんですよね。私は気にせず聞いています!(笑)

そう、なんだか静かな空気で聞きづらいのですが、作品に関することならどんどん聞いてOKなのがギャラリー。作家さんが来場しているときなら、実際の制作についての話も聞けたりするので、楽しみは膨らむばかり。ちなみにYKGで取り扱う作品は6万円からあるとのこと!

ぜひ、ギャラリーに足を運ぶという、ちょっと乙なアートライフをはじめてみてください。

Yutaka Kikutake Gallery

住所:東京都港区六本木6-6-9 2F

電話:03-6447-0500

営業:13:00〜18:00

定休日:日・月・火・祝祭

向山 喜章「Luminous / Lunar 」展は2016年10月15日まで開催中

Yutaka Kikutake Gallery

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