ブリジット・ジョーンズと言えば、恋人もおらず、さりとて仕事も中途半端、お酒とたばこが止められずダイエットも長続きせず、あけすけすぎてドジばかり。でも、いつも一生懸命で周りがついつい応援したくなってしまう、そんなアラサー女子でした。

cafeglobe世代なら、古い友人と再会したような懐かしい気分でしょう。

さて、そんなブリジットもいつの間にか43歳。

前作で結ばれたはずのマークはなぜかほかの女性と結婚、一人で誕生日をすっぴんで祝う姿はどう見ても負け犬シングル。

そんなダメダメ崖っぷちな彼女が好条件でかつハンサムな2人の男性にモテモテのうえに、ベイビーまで手に入れてしまうなんて!

今作『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』がアラフォーの願望が詰まったファンタスティック・コメディだと言われるのもうなずける話です。

そんなブリジットの魅力は、その一生懸命さと素直さなのは万人が認めるところ。前2作でもそんな彼女のキュートさは群を抜いていましたね。

けれども今作で私がそれ以上あらためて感心してしまったのは、彼女の思いがけないほどの「しなやかさ」です。

前作では一介のTVレポーターだったブリジット、今作ではなんとプロデューサーに出世しています。単に素直なだけででここまで出世できるかどうかなんて、cafeglobe世代ならわかるはず。

新しいトップにやり方が古臭いとクビになりそうなときも(のっぴきならない事情はあったにせよ)率先して対応しようとします。

仕事だけではありません。

新しい彼ジャックとの出会いも、元彼マークが言い寄ってきた(?)ときも、そして妊娠がわかったときも彼女は言い訳をいっさいしません。戸惑いつつも柔軟に対処します。ちょっと柔軟すぎて尻軽な面も確かにありますが......(笑)。

むしろブリジットの妊娠を知って「僕が父親!?」と、奮闘する2人の中年男のほうがよっぽどいじらしくて滑稽です(その姿がまたきゅんきゅんくるのですが)。

ちなみにですが、おもしろいこと私のまわりでは20代、30代はジャック派ばかり。そして40代以上は圧倒的にマークラバーばかりなのです。

思うに、条件だけでいえば、圧倒的にジャックの勝ちなのでしょう。

イケメンハンサムで億万長者、おまけにノリもよくいつも笑顔。なんと言ってもきちんと気持ちを言葉にしてくれるし、常にそばにいてくれる。いわゆる理想の王子様。幸せになりたいと願うお姫様ならば考えるまでもなくジャックでしょう。

比べてマークといえばいつも仕事ばかり、マメに愛をささやいてくれるわけでもなく常に仏頂面で、一度はブリジットと別れる結果になったのもそんな彼に彼女が耐えられなくなったからというのは想像に難くありません。そんな過去のシーンも出てきますね。

そんな2人が見守る中いよいよ出産というシーン、苦しむブリジットに先に手を差し伸べたのはジャック。けれども、彼女は両手でマークの手を取りました。無意識にせよマークを選んだのです。

幸せになりたいと願うとき、どうしても多く与えてくれる人に目が向きがちです。でもそれは誰かに自分の人生を丸ごと依存してしまっているのと同じこと。

ブリジットは決して言い訳をしません。自分で選んだ道を、その時その時を一生懸命楽しんで生きています。結果的にブリジットはすべてを手に入れました。

けれども私はもしDNA検査でジャックが父親と出たとしても、ブリジットはマークを選んだように思います。そしてもし双方とダメだったとしても、すっきり笑ってシングルマザーの道を選んだのではないかと思うのです。

そう、これは決して単なるファンタスティックな夢物語ではなく、一人の女性がしなやかに人生を切り開く物語なのです。

人生は山あり谷あり、生きている限りゴールはありません。歳を重ねるごとに怖がりになったり、いまの自分にしがみついたりしてしまうことも多いでしょう。

けれどもそんないろいろをむしろおもしろがれるくらいになれたら、何があってもブリジットのように笑って進んでいけるはず。

それがあなたらしい幸せにつながっていることを、ブリジットが教えてくれているのかもしれません。

そんな人生の盟友の幸せに、あらためて乾杯。

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期

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