あなたのお気に入りのおとぎ話は何ですか?

誰もが子供のころに読んだ物語に胸を躍らせたり、ときにはそこから道徳心を学んだりしたもの。とはいえ、「大人になったんだから、もうおとぎ話からは卒業すべき!」なんて思っている人も多いかもしれません。

そこで、そんなアラフォー女子たちにこそオススメしたいのは、"大人のためのおとぎ話"として注目を集めている現在公開中の映画『五日物語―3つの王国と3人の女』

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©2015 ARCHIMEDE S.R.L.-LE PACTE SAS

3つの王国が君臨していた世界。ある王国では、不妊に悩まされている女王が母になることを切に願い、またある王国では、老婆が若さと美貌を求め、そして別の王国では王女が大人の世界を夢見ていた。しかし、それぞれの願いの先には、皮肉な運命が待ち構えているのだった......。

この衝撃体験、百聞は一見に如かず!

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原作となるのは、400年前にナポリ国のジャンバティスタ・バジーレによって書かれた『ペンタメローネ(五日物語)』で、世界最初のおとぎ話といわれている民話集。

本作は、「シンデレラ」や「白雪姫」の原型となる物語を含む50話のなかから選ばれた3つのエピソードを映画化していますが、見たことのないような独創的な映像にはとにかく釘づけ。

映画監督になる前は、画家だったという鬼才マッテオ・ガローネ監督だけに、どこを切り取っても絵画のような色彩感覚とあえてCGを使わずに作られた謎の怪物など、ショッキングな残像が目の裏に焼きつくこと間違いなしです。

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©2015 ARCHIMEDE S.R.L.-LE PACTE SAS

そして何といっても、一番惹かれてしまうのは異彩を放つ唯一無二のストーリー展開ですが、どの物語にも共通するのは、貪欲なまでの"女の性(サガ)"。「渇望する母性・若さと美貌への執着心・理想の男性への憧れ」という女性が生まれ持った3つの欲望は、私たちの心の奥底に眠っている何かを揺り起こしてしまう可能性も......。

「欲しいものを手に入れるためには、何かを犠牲にしなければいけない」というのは、生きていく上でつきものではあるけれど、「因果応報」とか「人の振り見て我が振り直せ」といったことわざの数々も頭のなかをよぎってしまい、人間の本能や人生の教訓に国境はないのだと痛感。

女という生き物が抱えているものとは?

ある意味、ツッコミどころも満載なので、鑑賞後はその思いを誰かと共有せずにはいられませんが、狂おしいほどの欲望に満ちた女の本性は、男性にはちょっと刺激が強すぎるかもしれないので、気の合う女友達と行って語り合うのがオススメです。

どんなに時代が進化しても、いまも昔も関係なく、おそらく人類が誕生したその日から、女に生まれた以上は"女のサガ"とともに生きていく宿命。

私たちは、大人になるまでにいろいろな経験をしてきているだけに、ここに描かれている人間の滑稽さやむき出しの感情、そしてエロさもグロさも堪能できる余裕があるのかも。

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©2015 ARCHIMEDE S.R.L.-LE PACTE SAS

そして、そこから溢れ出る欲望に溺れて自分を見失う人もいれば、欲望のなかから自分を見つけ出す人もいるのだということを知るのです。

大人になっても、やっぱりおとぎ話から学ぶべき倫理観はまだまだあるのだということ。いや、大人になったからこそ、おとぎ話の"本当の楽しみ方"がわかってきたところなのかもしれない。

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©2015 ARCHIMEDE S.R.L.-LE PACTE SAS

シネマから学ぶ一言

「飽くなき欲望=女のサガ」であり、女はそれに逆らって生きることはできない。だからこそ、それに飲み込まれてはいけないのだ!

五日物語―3つの王国と3人の女

監督:マッテオ・ガローネ

出演:サルマ・ハエック、ヴァンサン・カッセル、トビー・ジョーンズ、ジョン・C・ライリー、シャーリー・ヘンダーソン、ヘイリー・カーマイケル、ベベ・ケイヴ、ステイシー・マーティンなど

TOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国公開中

配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES

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