スタイリッシュな服装、ハキハキとした話し方、ユニセックスな言葉のセレクト。株式会社ミクシィの根本悠子さんは、端から見ても頼りがいのある雰囲気を漂わせる女性。

XFLAG スタジオ プロモーショングループのマネージャーであり、なんと一児の母でもある。全力で駆け抜けてきたかに思えるキャリアを伺ってきた。

服飾系の仕事から一転、Webの世界へ

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もともと出身は服飾業界。学生のころはスタイリストのアシスタントも務めていた。卒業後にほかのアルバイトと掛け持ちして体を酷使した結果、体調を崩してしまう。

当時は、インターネット黎明期。仕事ができない間、PCを購入してHTMLなどを独学で勉強しWeb業界への転職を決意。ほどなくして、知人から広告制作会社を紹介される。

「本当はデザインなど制作に興味があったのですが、基礎的なスキルが足りず、まだ初心者の域。そこで、まずは人が足りない営業から入りました。その後、キャリアチェンジできればいいなと思っていましたが、どこの世界もプロフェッショナルってそんなに甘くないですよね」(根本さん)

営業担当として、広告の企画やデザイン、取材などを横目に見ながら働く。企画の楽しさも知り、その経験がのちに活きることになる。

約4年勤めた後、外資のオンラインゲームの会社へ転職。Webサービスのプランナーとして入社し、海外で展開しているプロダクトを国内展開する役目を担った。

もっと自分でやりたい。転職を考える

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実際に取り組んでみると、マーケットの違いにおけるターゲットや慣習、認識のズレなど調整事項が多く、本質的ではないことに時間を取られてしまうことが歯がゆかった。2年ほどが経ち、もう少し伸び伸びと力を発揮したいと転職を考えはじめたころ、目についたのが伸び盛りのミクシィ社だった。

「当時のミクシィ社は上場したばかりで、日本におけるSNSの走りとしてパイオニア的な会社だと認識していました。また、いまでこそ一般的ですが、当時はWeb・IT業界の求人に特化した『Find Job!』を画期的だと感じていました。会社のヒストリーや社風にも魅力を感じたんです」(根本さん)

入社してすぐに担当したのは、『Find Job!』を利用するユーザーのために、ノウハウを公開するコンテンツ。これまでと違う業務内容に、さぞかし戸惑ったのではないだろうか。しかも、前任者が早々に『mixi』の部署へ異動し、更新がストップしているという状況だった。

「制作会社にいたころに雑誌に広告を出す際のアテンドをしたり、取材の立ち会いをしたり、スタイリストのアシスタント時代に出版社に出入りしたこともあったので、当時の経験が生きました。『無駄なことってないんだ』と感じましたね」(根本さん)

1年後に、新設された『mixi』のプロモーションの部署に異動となった。担当業務のほかに、新規サービスの立ちあげ時に、メンバーとして呼ばれることも増えていった。

産休から復職。目が回るスピード

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産休・育休から復職している女性社員がまだ少ないなか、子どもができ、産休・育休を取ることに。子どもが10か月のころに保育園に預けられることになり、産休を含めても1年足らずで復職。

「復職の4か月ほど前に、スマートフォンゲームの『モンスターストライク(モンスト)』を立ち上げたエグゼクティブプロデューサー(現在は代表取締役社長)が自宅へ遊びに来たんです。その際に、『産休で抜けてしまうメンバーが入れ替わりでいるので、モンストのマーケティングを手伝って欲しい』と言われて。『やっていけるのだろうか』という不安はありましたが、戻れる場所があるだけありがたいと考えて、受けることにしました」(根本さん)

ブランクを不安に感じながらも、初めてのスマホゲームのプロモーションに携わる。復職した当時のスピード感を「まるで高速道路に自転車で入った感じ」と形容する。そのすさまじさは、想像に難くない。

それでも、持ち前のタフさで乗り越えていき、組織変更などを経てプロモーショングループのマネージャーに。2016年10月には、モンスト3周年の大規模キャンペーンを大成功に導く。

「ユーザーを活性化、集客の最大化を図るため、アテンションの強いメッセージを持つタレントを起用したり、メディアを立体的に利用したりといった大きなチャレンジ。最大の成功要因は『メディアミックス戦略』が奏功したこと。プロモーション以外の部署も巻き込んで同じ目標を目指せたことだと思います」(根本さん)

プロジェクトが大きくなり、関わる人が増えるほど、同じ目標に向かい続けるのは難しくなっていく。それを「当たり前かもしれませんが......」と遠慮がちに言う姿は、これまでの行動力が見せるパワフルさと相反して女性らしくも見える。

そんな根本さんの趣味はワイン。「ママ、今日は何色のワイン飲むの?」と言う3歳半の娘と一緒に夕飯を食べながら、グラスを傾けるのが楽しみのひとつだ。

「今後の野望はない」と言うが「誰かに必要とされるうちは頑張りたい」と語る。周囲によると「宣伝やプロモーションのことで困ったら根本さんに聞けば何とかなる」と思われているのだとか。これからも頼られる存在として、仲間と共に大きなチャンレジを見せてくれそうだ。

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根本悠子(ねもと ゆうこ)

株式会社ミクシィ XFLAGスタジオ XFLAG GAMES プロモーショングループ マネージャー

子育てをしながら、スマートフォンゲームの「モンスターストライク(モンスト)」をはじめとした、XFLAGスタジオで扱うサービス全般の広告宣伝、プロモーション、PR、アライアンス・コラボ案件などを担当。『モンスト』3周年感謝キャンペーンを担当し、ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんを起用したTVCM等を手掛ける。


撮影/柳原久子