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半裸の少女、猫、甘美で神秘的な作風……20世紀最後の絵画の巨匠のひとりであるバルテュスは、今年の2月、92才でこの世を去った。約半年後の9月、逝去後初めての大回顧展がヴェネツィアのグラッシ館で開催され、連日たくさんの人が押しかける大人気が続いている。 バルテュスと言えば、その独自の作風に加えてポーランド貴族という出自、詩人リルケに愛されて育ったという特権的な幼年時代、ピカソ、ジャコメッティなど世界的に著名な人々との交友、後年はスイスの山荘で自らの芸術に没頭するという一種の隠遁生活などに加え、展覧会も滅多にしなかったことから、孤高の画家として生前から伝説的な存在だった。彼の美術界に与えた功績は非常に大きい。 9月7日のヴェルニサージュ(展覧会開幕前の内示日)で、ゲストに対応したのは、バルテュスの未亡人である節子夫人と娘のはるみさん。友人だった世界的写真家のアンリ・カルティエ・ブレッソンも高齢をおして駆けつけた。8日のオフィシャルオープニングのホストは、フィアットグループ総裁でイタリア一の権力者と言われるジャンニ・アニエリ。イタリア共和国大統領のチャンピ夫妻をはじめ、モナコのカロリーヌ王女、イタリアの大臣6人、フランスの大臣2人など、国内外からのVIPが集まった。 そして迎えた一般公開初日、一人目の入場者はなんと、俳優のジョニー・デップ! 映画祭のためにヴェネツィアに来ていた彼。前日まで取材や出場作品の正式上映のためのパレードで多忙だったにもかかわらず、朝一番に入場し、時間をかけて丁寧に鑑賞していったという。ほかにウッディ・アレンが来たという報道も。 これだけ話題になったのは、バルテュスの人気の高さはもちろんだが、展示内容の充実によるところが大きい。展示総数は250点を超え、「コメルス・サンタンドレ小路」、「部屋」など代表作ズラリ。中でも見逃せないのは、これまで滅多に公開されなかった「ギターのレッスン」。 これは、大人の女性が少女の体をギターにみたてて奏でるという挑発的でエロティックな内容。そのため間違って解釈されるおそれがあるということで、1934年にパリの「ギャラリー・ピエール」で展示されてから約40年もの間、バルテュス自身によって公開が禁じられ、その後ニューヨークで1977年に一度だけ公開が許されたきりだった。遺作となった「マンダリンと少女」の初公開と合わせ、この2点が今展のハイライトと言えるだろう。 ●バルテュス展 開催期間:9月9日〜2002年1月6日 開催場所:ヴェネツィア、グラッシ館(Palazzo Grassi) San Samuele 3231, Venezia URL:http://www.palazzograssi.it/ |
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| text / Tsujita Kiyoko photo / Tsujita Kiyoko |
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