「N°5」といえば、他でもなく、シャネルの名香が思い浮かぶはず。これほどまでに、世界中で愛され、熱い支持を受けているフレグランスは他にあるでしょうか? その人気の秘密やメゾンのこだわりが解き明かされるイベント「ユニヴェール デ パルファム シャネル〜シャネル フレグランスの世界〜」に、ひと足お先に行ってきました。

<写真左>シャネルを興したマドモワゼル シャネルが誕生した1883年から現在まで、シャネルのフレグランスの歴史、コレクションの歴史、その時代の世界の出来事などを写真を添えて年表形式で展示されています。<右>シャネルのフレグランスの原料となる、さまざまな原料の産地を世界地図にまとめた展示も。全く異なる香りでも、同じ原料の香りが配合されていたり、新発見が待っています。
会場に入ってまず最初に目に入るのは、シャネル初の香水にして最も有名な「シャネル N°5」へ込められた職人技「ボードリュシャージュ」。香水を入れた瓶を完璧に密閉するために薄い皮膜で包む神業を、貴重な映像資料で見ることができます。香水にオーラを与える、香水を芸術的に封印する、とも言われる工程は、息をのんでじっと見入ってしまうはず。ニコール・キッドマンの登場するフィルムも特別に上映されているほか、1921年の発表以来少しずつ変えてきた「N°5」のボトルデザインの物語も展示されています。
また、このイベントでぜひ見て、香りを楽しんでほしいのが、「レ ゼクスクルジフ」。世界でも限られたシャネル ブティックや、フレグランスコーナーでしか販売されていない、エクスクルーシヴな11種のフレグランスコレクションです。美容ジャーナリストの渡辺佳子さんが「テクマクマヤコン フルスロットル」の中で書いているように、私も優しく品がある「N°18」がお気に入り。パリ・ヴァンドーム広場の18番地、シャネルのジュエリー ブティックのアドレスが冠されただけはある、アンブレットシードをメインに使用した優雅な香りは、まるでハイジュエリーのよう。今回を逃したら、なかなか出合う機会はなさそうです。

<写真左>香りをテイスティングするムエットは、従来の紙製でなくセラミック製。業界初の画期的プレゼンテーション。<右>ココ マドモワゼルのブースには、キーラ・ナイトレイの秘蔵映像が。シャネルのミューズたちの登場するコマーシャルフィルムは必見。
会場には、香りを自由に楽しんだり、香りのエキスパートがお気に入りの香り探しをお手伝いしてくれたりする「フレグランス バー」も併設。カップルでお互いの香りを選び合うのも楽しいかも。ちなみに、香りを試すときに使用するブロッター(ムエット)は、化粧品業界初のセラミック製! 従来の紙製のムエットよりも、香りの違いが明確に分かりやすくなったとか。また、フレッシュ系、フローラル系、ウッディ系、などと好きな香りの分類から好きな香りにアプローチできるので、商品名からアプローチする香り選びとは違った、新しい香りに出合えるかも。

<写真左>「レ ゼクスクルジフ」ラインは、フレグランスを手にとると、その香りの説明が光で浮かび上がる仕掛けが。<中>シャネルのフレグランスの中で、運命の1本は? フレグランス バーでは、アドバイスを受けることができます。<右>銀座・中央通りから、シャネルビルを見上げると……。イベント会期中は、毎日18時から、フレグランス展の案内映像が上映されます。その迫力と豪華さに、通りがかる人も立ち止まって。 シャネルの香りには、みなさん、それぞれ思い出やエピソードを持っていませんか? 昔の彼の懐かしい香り、今の彼の癒される香り、学生時代に背伸びしてつけた香り……。私はといえば、「CHANCE」のコマーシャルフィルムのクリエイター、ジャン・ポール・グードのCMストーリーボードを部屋に飾っています。まるで短編映画のように美しいヴェニスの光景と、斬新な丸いボトルに抱きつくアン・ヴィアリツィナに可愛いらしくもしたたかな強さを感じて、「こんな女性になりたいなぁ」ともう何年も大事にしています。そんなことを話したり、新たな発見を探したり。今週末は銀座に出かけて、奥深い香りの世界とエレガンスの真髄に触れてみてはいかが?(編集・羽生田)
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