『for planet and people(この惑星と人々のために)』。そんなスローガンを掲げた政党が、今ニュージーランドでググッと成長してきています。
その名前は『緑の党(The Green Party)』、愛称「グリーン」。現在、グリーンは国会で121議席中の6議席(5%)を占めています。日本の衆議院(480議席)に例えると、5%といえば23議席、つまり公明党(31議席)よりはちょっと小さく、共産党(9議席)の倍以上といった存在感。なかなかのものです。
党の始まりは1972年、1989年からは地方議会に進出したものの、まだ環境問題に関心を寄せる人は少なかったこともあり、国会に議員を送り出すことができない期間が続きました。しかし1996年についに初の国会議員が誕生! 特にここ数年は国民の環境意識の変化とともに急速に支持率を伸ばしてきています。

夏のフェスティバルに来ていた自転車親子。後ろのキャリアに注目! 子どもたちが乗っています。これなら車に乗らなくても家族で移動できるし、大きめの買い物もへっちゃら。環境にやさしい暮らしが気負いなく実践されてます。そしてよく見ると、グリーン支持を示すステッカー「GO GREEN!(グリーンで行こう!)」が貼って あります。 支持を伸ばしているひとつの理由に、政党なのにガリガリの政治っぽさのない雰囲気があげられると思います。「我が党を支持してください!!」というアピールはほとんどなし。「今地球ではどのようなことが起きているのか?」「どのような暮らしが地球にやさしいのか」といったことに気づき・考え・行動に移すきっかけを提供することに重きをおいている印象です。
たとえば、家族で参加できる無料映画上映会。いかに地球環境が大変なことになっているのか、安く手に入る商品の背景には信じられないほど安い賃金で朝から晩まで働かされている子どもたちの存在がある……といったことがわかる映画など、グリーンを支持するかどうか関係なくためになる映画が上映されています(話題の『不都合な真実』も今後上映予定)。
議員とお茶を飲みながら参加できる講演会やワークショップもたくさん開かれています。たとえば「Why Buy Kiwi-Made?(なぜNZ産のものを買うべきなのか?)」という講演会。「地元の品を買うことで地元に仕事を増やすことができ、経済を活性化できる」「外国産の商品は多くの燃料を使って運ばれてくるので、温暖化を促進する」「安価な外国産品は発展途上国での労働者の搾取に加担することになる」といったトピックを丁寧に説明してもらえます。

国内主要都市に置かれているオフィスのひとつ、クライストチャーチ支部の様子。党が生まれたのは今から35年ほど前。エコ&環境はもちろんのこと、同性愛者の権利など、当時としては斬新な思想を持つ人々が集まって行動を始めたのがきっかけだったとか。 緑の党は、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、アメリカ、台湾など世界中に広がり、現在では各国の緑の党が連携して活動するGGN(Global Green Network)も始まっています。日本でも、緑の党を目指して活動している団体『みどりのテーブル』があります。ニュージーランドの次の選挙は2008年、またグリーンの地道で確実な活動が日々続いていきます。
取材&ライティング/船木きよみ |