カフェグローブ第5回:難民ってどんな人たち? - GET REALプロジェクト2006

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更新日:2006年9月1日

カフェグローブ・ゲットリアルプロジェクト2006貧困編。知ろう! 知ってもっとみんなでハッピーに


フランス2万2145人、アメリカ1万9766人、イギリス8436人、
日本は……46人。これは2005年に各国が難民として法的に
受け入れた人数です。日本はどうしてこんなに少ない?
そもそも難民ってどうして生まれてしまうの?
今回はそんなことを考えてみました。
第5回:難民ってどんな人たち? 難民と世界の貧困
文/近藤陽子(cafeglobe)
難民ってどんな人たち?
世界にどのくらいいる?
 「難民とは、精神的・肉体的・社会的に傷つけられる、またはその恐れがあるため国外におり、国籍国からの保護を受けられない人、と難民条約で定義されています」と説明してくださったのは、難民支援協会の鹿島美穂子さん。今、難民となってしまっている人は世界で1000万人近くいるそうです。

 着の身着のまま国を逃れた人たちは他の国で保護を求めるしかありません。一部の人はいわゆる先進国にも逃れてきます。その結果、各国が受け入れた人数が、冒頭でご紹介した数なのです。これを見てやっぱり気になるのは、日本の桁違いの少なさ。遠さなど地理的要因もあるので一概には言えないものの、「日本は難民だと証明する義務が本人の側にあるなど、基準が厳しい面があります。日本に来ても理解できる言語での情報が少ない、申請の方法を調べにくいという問題もあります」(鹿島さん)といったことが原因のようです。

 認定までの期間も長く、2年もかかることもあるとか。認定がおりるまでは仕事はできない、健康保険にも入れない、それ以上にいつ自国に送還されるかわからないという不安がつきまとう。精神的苦痛はきっと想像を超えるもののはず。それでも難民には庇護を求める国を選ぶ余裕もない。必死に逃げた先が日本だったのです。

 支援体制の整っていない日本にたどりついた難民には、その日の宿を見つけることすら難しいという毎日が待っています。難民支援協会のサポートで当面の寝床が確保できたとき、心の緊張がふっと解けるのか涙を流す人が多いとか。なんとも胸をしめつけられる思いがします。難民条約加盟国として、もっとできることがあるはずです。
難民の背景を考えていくと
貧困問題に突き当たる
 もっとも、難民の受け入れ体制を整えることも大切だけれど、本当は、そもそも難民を出さない世界にしていくことが大切。なぜ祖国を逃れなければならないほど困窮してしまう人が出てしまうのか。ここにも、私たちにも何かできることがあるのではないでしょうか。

 難民が生まれる直接的な原因には、大量の難民を出しているアフガニスタンやスーダンのような政治的・宗教的な混乱や紛争が多く挙げられます。そこに絡み合うように存在しているのが、階級や性別・人種差別などによる迫害や、一部の人による富や軍事力の握りしめなどの問題。そして、こういった混乱や紛争の背景になったり、または結果として発生してくるのが、やはり貧困という問題なのです。この貧困は、自由に安心して健康に暮らすことができるといった基本的人権の侵害そのもの。食糧やテントを届けるだけでは残念ながら解決しそうにありません。

 「国に帰れる状況になったら、帰っても命の保証がある状況になったらすぐにでも戻りたい」。難民の多くはそう希望するそうです。世界中の難民の心の痛みをやわらげるには、難民となってしまう人を減らしていくには、貧困や人権侵害を生み出している不公平な貿易問題の解決(当連載第4回参照)、貧困をなくすために世界が決めた約束であるMDGsを根拠にした政府への働きかけ(第1回)、深刻化する環境問題への対策など、さまざまな側面からの取り組みが必要だということが見えてきます。

 巨大かつ、とても一筋縄ではいかない世界という社会の仕組みとバランスの崩れている構造。難民問題を知ることでも、その全体像が少し、つかめたような気がしました。


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「ほっとけない 世界のまずしさ」は、世界の貧困を生み出す「しくみ」を市民社会による「アドボカシー(政策提言、キャンペーン)」活動によって変えることで、世界の貧困の解消をめざすNGOです。
9月3日と6日、世界のホワイトバンド・ムーブメントのリーダー、クミ・ナイドゥさんの来日イベント開催します。詳しくはwebで。
www.hottokenai.jp


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UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の2005年、世界の地域別援助対象者数(国内難民などを含む)。日本は国土1000km2あたりの難民受入数が……
難民支援協会スタッフが訪問したパキスタンのアフガニスタン難民キャンプにて。……
無事に今では日本で暮らしているビルマ人の家族。5ヶ国語が堪能な父親は軍事政権下のビルマで民主活動を行いつつ、 ……
国際協力NGOで建築技師として働いているイラク出身クルド人の男性。彼自身難民となって日本にやってきたが、……
難民の認定を受けるまでは健康保険に入れないので、治療費が高額になる。……
もっと詳しく知りたい人のために
難民が日本で自立した生活を安心して送れるよう、電話相談から法律面でのサポート、生活支援、PR活動を行っている。難民の支援活動に携わるために必要な知識を学べる"難民アシスタント養成講座"を定期的に開催中。
イギリス生まれ、今は世界13ヶ国に拠点を持つ国際NGOオックスファム・インターナショナルに加盟。インドネシアの津波、パキスタンの地震などの緊急人道支援のほか、政策提言やアドボカシー活動などを行っている。貿易を公正なものにしようという「Make Trade Fair」もそのひとつのキャンペーン。
フェアトレード・ラベルの普及活動、世界20ヶ国が加盟する「国際フェアトレードラベル機構(FLO)」とのコーディネイトなどを日本で行っている。
世界について知ること、多文化共生、持続可能な開発といった視野を広めるための開発教育を推進するネットワーク組織。第3回でご紹介した「お弁当屋さんゲーム」など、教育ツールの開発も多数行っている。
世界の人々がよりよい生活を築けるようにすることを目的とした国連の一機関。とくにミレニアム開発目標(MDG)を達成するため、各国政府などとネットワークして活動している。
(PDF形式、約1MB)
2015年までに世界の貧困を半減するための行動計画。極度の貧困と飢餓の撲滅、普遍的初等教育の達成など、具体的な目標と達成までの報告・モニタリングなどを設定している 。
各国政府に世界の貧困をなくすという約束を果たさせるための、世界のNGOや団体のネットワーク。貧困をなくそうというアピールのため、ホワイトバンドを身につけることを訴えている。
2005年のG8に合わせ、貧困をなくすこと、とくに債務の帳消しなどを求めて行われた世界同時コンサート。
text / Kondo Yoko (cafeglobe.com)
design / Shimizu Mamiko (Mame Design)

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