カフェグローブ第6回:ホワイトバンドが話題になって、政治家が反応した - GET REALプロジェクト2006

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更新日:2006年9月15日

カフェグローブ・ゲットリアルプロジェクト2006貧困編。知ろう! 知ってもっとみんなでハッピーに


貧困に苦しんでいる人々も自力で立ち上がろうとしている。
先進国も金額は出している。あとはそれが正しく使われるように
持って行くことが必要。そのためには政治家をプッシュしよう!
私たちと政治は意外に近いのかも、と思えるインタビューです 。
第6回:声を上げて、政治家を動かそう
文/小松佑佳子(cafeglobe)
自分たちの力で、変わり
始めていたケニアの人々
 「以前は隣人を殺して物を奪うようなことも珍しくなかったスラム街が、すっかり安全になって、人々も自尊心を取り戻していたんです。私みたいな外国人が夜道を歩いても、危険をまったく感じなかったのが印象的でした」

 この夏、途上国のNGOなどが政府を動かす力をどれだけ持っているかを見るためにケニアを訪れた国際NGO『オックスファム・ジャパン』の山田太雲(たくも)さん。彼を最も驚かせたのは、ナイロビの「フルマ」というスラム街の住民たちの姿だったという。

 「フルマの人々にとっては、きちんとした建物がないことが最大の貧困なんです。それを住民みんなで少しずつお金を出しあって、自分たちの手で建てている。自治もよくできているし、外からきた人や企業に土地を奪われないように行政にも働きかける。日本でアフリカや貧困というと、痩せ細った子どもの姿などのイメージがほとんどです。それも事実。でも、人々には自分たちの力で生活環境や政治を変える力があることも、知ってほしい」
「金は出してるんだから」
というのは一面的な意見
 フルマ住民の多くは、仕事を持てず、トイレも無いトタン屋根の小屋で、1日100円未満での生活を余儀なくされている。また農村では、医師が不足していて患者の多くが診療を受けられない。生徒100人に先生が1人の学校もある。先進国が提供している援助資金がなかなか市民生活に行き届かないのはなぜ?

 「IMFや世界銀行など途上国に融資をしている機関が、医療や教育の分野への歳出削減を融資の条件と決めたからです。意思決定に関わるのは、お金を貸している先進国。日本もそのうちのひとつです。金は出してるんだからもういいじゃないか、という声をよく聞きますが、使い道を決める過程にも関わっている以上、踏み込んで議論をしなければ」

 IMFなどが、「医療や教育の予算を減らせ」、「医者をこれ以上雇うな」など、ケニアのような途上国の政策に具体的に注文をつける。その背景には、貧困層への影響を考えない「赤字なんだから緊縮財政」という乱暴な考え方や、都会や富裕層の経済発展を優先して先進国の企業の進出基盤を早く確保したいという下心が見え隠れするという。貧困に苦しむ人々を助けるためのはずの私たちからの支援が、むしろ貧困を助長しているなんて……。

ホワイトバンドの人気で
政治家の数が10倍に
 貧困を生み出している大きな図の一部が見えたところで、じゃあ私たちひとりひとりに実際に何ができるのか、考えてみたいと思った。とはいっても、貧困問題と私たちの生活との間にまだ大きな距離感はある。解決のために行動しているはずの政府に対しても「届かない」「見えない」と感じる人もきっと多いはず。どうしたら、このギャップを埋められるのだろう。

 そんな疑問に対し、国会議員や各省庁の人とも話す機会の多い山田さんはこう答えてくれた。

 「官僚は政治家からの圧力を気にします。政治家は、国民の声を常に意識しています。ホワイトバンドが話題になったとき、NGOが国会で開いたイベントにいつもの10倍近くの数の国会議員が集まったんですよ。政治家の多くは、報道などを見て、これは世論が反応する話題だと思うから参加するわけです。選挙演説のときにもその話題にも触れてみようとか。私たち個人の行動だって、とくに数がまとまれば変化を生み出すことはできるんです」。

 途上国、世界の意思決定機関、日本政府……。自分とは遠い世界の話だと思っていたけれど、問題解決の糸口を探していくと、私たちひとりひとりの声にいきつく。問題を解決したいという意志表示としてホワイトバンドをつけたり、自分の選挙区の政治家に手紙やメールを送ってみたり……そんな小さなことでも、「貧困」を解決する第一歩になるのかもしれない。


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「ほっとけない 世界のまずしさ」は、世界の貧困を生み出す「しくみ」を市民社会による「アドボカシー(政策提言、キャンペーン)」活動によって変えることで、世界の貧困の解消をめざすNGOです。
www.hottokenai.jp


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ゲットリアルプロジェクトとは
Cafeglobeの社会貢献コンテンツ、「Get Real プロジェクト(略してGRP) 知ろう、知ってもっとみんなでハッピーに」についてはこちらから>>
●GRP2006が始まります!

バックナンバー
国際NGO『オックスファム』の日本組織に所属。主にミレニアム開発目標(MDGs 当連載第1回参照)達成のための開発資金調達、貿易ルールの公正化(同第4回参照)などを目指し、……
ナイロビのスラム「フルマ」の議会。意思決定を行なうときは、こんな風にひとりが大きく手で丸を作り「Muungano (団結)!」と叫ぶ。……
病院で順番を待つ人たち。しかしこの病院にも医師・看護士が2人ずつしかいないため、遠くから歩いてきたのに診療を受けられない人も大勢いる。 ……
NGOと市民による政府への働きかけ(アドボカシー)で、ケニアの初等教育は無料になり、貧困層の子どもたちも学校に通えるように。しかし、……
もっと詳しく知りたい人のために
イギリス生まれ、今は世界13ヶ国に拠点を持つ国際NGOオックスファム・インターナショナルに加盟。インドネシアの津波、パキスタンの地震などの緊急人道支援のほか、政策提言やアドボカシー活動などを行っている。貿易を公正なものにしようという「Make Trade Fair」もそのひとつのキャンペーン。
難民が日本で自立した生活を安心して送れるよう、電話相談から法律面でのサポート、生活支援、PR活動を行っている。難民の支援活動に携わるために必要な知識を学べる"難民アシスタント養成講座"を定期的に開催中。
フェアトレード・ラベルの普及活動、世界20ヶ国が加盟する「国際フェアトレードラベル機構(FLO)」とのコーディネイトなどを日本で行っている。
世界について知ること、多文化共生、持続可能な開発といった視野を広めるための開発教育を推進するネットワーク組織。第3回でご紹介した「お弁当屋さんゲーム」など、教育ツールの開発も多数行っている。
世界の人々がよりよい生活を築けるようにすることを目的とした国連の一機関。とくにミレニアム開発目標(MDG)を達成するため、各国政府などとネットワークして活動している。
(PDF形式、約1MB)
2015年までに世界の貧困を半減するための行動計画。極度の貧困と飢餓の撲滅、普遍的初等教育の達成など、具体的な目標と達成までの報告・モニタリングなどを設定している 。
各国政府に世界の貧困をなくすという約束を果たさせるための、世界のNGOや団体のネットワーク。貧困をなくそうというアピールのため、ホワイトバンドを身につけることを訴えている。
2005年のG8に合わせ、貧困をなくすこと、とくに債務の帳消しなどを求めて行われた世界同時コンサート。
text / Komatsu Yukako (cafeglobe.com)
design / Shimizu Mamiko (Mame Design)

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