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単純だけど、今までなかった!
厳選された旅行情報だけを届けるメディア
「今さら旅行情報サイトなんて、無理ですよ。すでに大手サイトもたくさんあるし」。知人のヘッドハンターから打診があった際、武藤さんは会社名もビジネスモデルも聞かずに、そう一蹴した。
再び打診があったのはそれから約2ヶ月後。夜10時を過ぎて、武藤さんの携帯電話が鳴った。
「この前お話した件ですが、先方がどうしても武藤さんに会いたいと言っています。話だけでも聞いて頂けないでしょうか?」。ヘッドハンターの熱心な説得に根負けし、武藤さんは会うことを了承する。
「いいですよ。いつですか?」
「明日の朝7時に」
「明日? 朝7時?」
そこからはトントン拍子に話が進んだ。翌朝には米国から来たトラベルズーの本社メンバーと顔合わせをし、間もなくトラベルズー日本法人の代表取締役社長に就任する。
トラベルズーは、「厳選された旅行情報だけを紹介する」オンラインメディア。日本でこそまだあまり知られていないが、米『TIMES』誌の“最も優れたインターネットサイト100”にも2年連続選出された、世界12ヶ国で展開しているビッグメディアだ。
「よくよく話を聞いてみると、既存の旅行情報サイトとはビジネスモデルが全く違ったんですね。通常の旅行サイトはありとあらゆる情報をできるだけ多く掲載し、ユーザーがその中から自分の目的に合ったものを絞り込んでいく。でも、情報が多すぎてどれを選べば良いか分からない、というユーザーも多いと思うんです。トラベルズーは、専門スタッフが本当に価値のあるイチオシ情報のみを独自の評価システムで厳選し、Top 20という形でお届けするサービス。すごく単純なのに今まで日本に同様のサービスはありませんでした。それで、面白い!と思いました」
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| 休日は、同じく経営者の夫とのんびり過ごすことが多いとか。「平日はスレ違い生活なので休みの日くらいは。家ではお互いあまり仕事の話はしませんね」。 |
幼い頃から将来の夢は「社長」
就職活動も起業を前提に
「物心ついた時から将来は社長になりたいと思っていた」と言う武藤さん。「経営者の父を見て育っているので、ビジネスが身近にあったんです。応接室から『明日までに何億円をどうのこうの……』という話し声が聞こえてくることも。幼いながらもドキドキして、私もいつかああいう仕事がしたいなぁって」
幼い頃の漠然とした夢はやがて現実味を帯び、武藤さんは就職活動の時期を迎える。
「まず企業で事業経験を積みたいと思い、商社を希望していました。でも、起業をするために今自分に足りないスキルは何だろう?と冷静に考えた時、事業経験よりも俯瞰的なものの見方を養うべきだろうという結論に達しました」
25歳で念願の起業
そして事業売却から学んだこと
最終的にコンサルティング会社のアクセンチュアに入社し、その後25歳で会社の先輩と念願の起業。企業間取引をインターネット上で実現するプロトレード株式会社を興した。武藤さんの幼い頃からの夢はこうしてあっさり叶えられたと思われたが、その後たった9ヶ月で楽天に事業を売却し、自身も楽天に転籍することとなる。
「今まで一緒に働いていたスタッフはどうするのか、いくらで売却するのか、現実的な問題が山積み。その時、初めて起業することの責任の重さを痛感しました。あの事業売却は、結果的には全員がハッピーな形で収まり、私自身も100%それで良かったと思っています。起こった事実は変えられないけど、それをどう捉えるかはその人次第。単純に成功と捉えてしまうのではなく、反省すべきところは反省し、同じ経験から何を学ぶのか。最終的にどういう方向に進みたいのかが明確なら、必ず得ることがあると思うんです」
どんな立場になれ、コツコツ真面目に頑張る。常に勉強を怠らない。それは、転籍後に楽天の三木谷社長から学んだことだそう。そんな努力が実を結び、昨年、満を持しての再起業を果たす。
現在トラベルズーの購読者数は30万人を突破。順調なペースで会員を増やしている。「来年はさらに購読者数の獲得に力を入れていく予定です。単にトラベルズーを旅行好きの方々に知って頂くだけではなく、『厳選旅行情報メディアと言えばトラベルズー』という認識が広まるよう頑張りたいと思います」。
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