「もっと知りたい!」という思いが アロマセラピーを学ぶきっかけに
「こんにちは」――ふっといい香りがした。伊藤道子さんと会ったのは、平日のランチタイム。彼女が広告代理店のキャリアウーマンとして働いている時間帯だ。ラベンダー?
ネロリ? スーツをキリッと着こなしていても、伊藤さんが運んできた、優しい精油の香りは、何となく人を和ませる。
「アロマセラピーって、勉強すること自体が、癒しになるんです。会社では普段コンピュータとか、機械的なものに触れてることが多いでしょ。でも、アロマセラピーは自然の力を借りて行うもので、人間が自然の力を感じるっていうのは、とても本能的なことなんです。日常的にそういうものに触れてなかった人は、自分の本能的な部分を使うだけで、すごく癒されるんですよ」
アロマセラピーは、植物から抽出された天然の精油(エッセンシャルオイル)を使って行われる芳香療法。日本では主にリラックス効果が注目されているが、本来は、皮膚や呼吸器や臭覚を通したトリートメントによって、心身の不調を癒し、人間の体が持つ本来の力、免疫力や自然治癒力を高める代替療法のひとつでもある。
伊藤さんは、本格的な英国式アロマセラピーを学んだアロマセラピストだ。
「でもね、昔からアロマセラピストを目指してたわけではないんです(笑)。私がアロマセラピーを学んだのは、有名なアロマセラピストのマミ・レヴィさんの本を読んで、感動したのがきっかけ。そこで『もっと知りたい!』と思って、ニールズヤードに入学したんです」
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働きながらスクールへ そして、サロンを開業するまで
伊藤さんが通ったのは、ニールズヤードのプロフェッショナルコース。1年間の授業で、精油についての知識から、解剖生理学、マッサージの技術にいたるまで、プロとしての知識、技術、心構えなどを、実践を積みながらみっちりと学べるスクールだ。
「どうせやるなら本格的に教えてくれるところと思って。でも、そうしたらすごくおもしろかった! ただ、授業は毎週日曜だったんですが、平日の仕事がめちゃくちゃ忙しくて、勉強する時間を取るのが大変で、休みなしの生活でした」
精油の特徴や使い方に始まり、覚えることは山のようにある。伊藤さんは、テキストを縮小コピーしていつも携帯し、通勤の間や朝早く会社に行くなどで、勉強の時間を確保。マッサージの実技は、ケーススタディとして提出するため、土曜日に友人に協力してもらい、朝から晩までトリートメントを行っていたそうだ。
「けっこうハードでしたね。でも、アロマセラピストは人の体に直接触れる仕事。きっちりした知識がないのはすごく恐いことなんです。禁忌の精油もありますし。実際のトリートメントでも、それらをすべて頭に入れて、統合していないと、その方その方にぴったり合った精油を選べませんから」
スクールを修了し、英国のプロのアロマセラピストの資格のひとつ、IFAの認定試験に合格。'99年から、週末のみの完全予約制のサロンを開業した。
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知識や技術を学んだら、 アプローチはセラピスト次第
現在も伊藤さんは、平日と週末の仕事を両立させている。でも、アロマセラピスト業は大忙し。トリートメントに加え、日本で活躍するアロマセラピストの交流を目的とした『日本アロマセラピスト協議会』という非営利団体の会長も務めているし、いくつかのスクールでアロマセラピーの講師も始めた。
「平日の疲れが週末に出ると、いいトリートメントもできませんから、自分をコントロールする難しさはあります。ただ、アロマに専念したい気持ちはあっても、そうするとお客さんの気持ちがわからなくなるんじゃないか、と不安にもなる。医療的な知識はまだ足りないと思いますが、私には、仕事のストレスを抱えた人を中心に、“ストレスマネージメント”のお手伝いができるって、思ってるんです」
体、心、スピリチュアルな部分のすべてに働きかけられるアロマセラピーでは、さまざまなアプローチができる。それにセラピストは人を癒す職業。人生経験が豊富なほど、仕事にはプラスになる。平日に会社員として忙しくしている伊藤さんだからこそ、クライアントのストレスが理解できるのだ。
「本当はすごく面倒くさがり屋。でも、アロマに関しては全然そうじゃないの。疲れて家に帰っても、洗面器なんか出して、お湯をはって精油を選んで、足浴をするんです。自分がいちいちそんなことするのが信じられないんだけど(笑)、そうすることで体も心もすごく楽になる。自然の力を知ったから、やること自体が苦にならないんですよ」
好きなことをしている人ならではの輝き。伊藤さんからもひしひしと伝わってきた。
中国茶藝とアロマセラピーサロン
「ロサ・エ・サンス」
Tel/FAX: 03-5485-2782
mail: info@etsense.jp
日本アロマセラピスト協議会
Tel: 090-2468-8624 FAX: 047-373-3304
mail: aromakyogikai@hotmail.com
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| 08:00 |
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起床・朝食・家事 |
| 10:00 |
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サロンに到着、準備 |
| 11:00 |
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トリートメント |
| 13:00 |
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昼食 |
| 14:00 |
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アロマセラピーのスクールで講習を行う
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| 17:30 |
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生徒たちの質問に答える |
| 19:00 |
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帰宅
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| 20:30 |
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夕食・夫と団らん
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| 02:00 |
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就寝
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自分にとって
必要不可欠なもの

20代の後半、アメリカのウィスコンシン州に2年間滞在してたんですが、海外との関わりは大切にしていきたいです。当時のホストファミリーとは今も連絡を取ってますし、アロマセラピーを始めてからは、精油を自分でイギリスから取り寄せるときに知り合った業者の人と、彼女が会社を辞めた後も仲良くしています。
そうそう、スクールで教えるようになって思うのは、ウィスコンシンで子供たちに日本語を教えていた経験はムダじゃなかったってこと。今役立ってますからね。
プロフィール
'63年生まれ
青山学院女子短期大学国文学科卒業後、自動車メーカーに就職。7年間の勤務ののち休職し、日本の文化と言語を伝えるボランティアJALCAPプログラム(ウイスコンシン州教育庁主催)に参加し、渡米。その1年後、会社を退職してウィスコンシン州立大学日本語学科のアシスタントに。
帰国後、広告代理店に就職。アロマセラピーに興味を持ち、'98年より『ニールズヤード スクール オブ ナチュラル メディスンズ』に働きながら学ぶ。
'99年IFA認定のアロマセラピストとなり、サロン・ド・ホリスティック・アロマセラピー『ナチュラルタッチ』をオープン。
現在、平日は広告代理店でキャリアウーマン、週末はアロマセラピストとして活躍中。『日本アロマセラピスト協議会』の会長も務めている。
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DATA
【アロマセラピスト】
ここ3年ほどでとってもポピュラーになった感あり。癒しブームが手伝って、美容業界だけでなく、スポーツや、福祉業界、医療業界からもアロマセラピーの効果に対する関心が高く、知識や技術が幅広く活用されるようになっている。
アロマセラピストとひとくちにいっても、調香技術そのものから、それらをマッサージクリームやシャンプーなど
のコスメに調合する技術、アロマオイルを使用したマッサージ技術、ショップ経営まで幅広い。美容やマッサージ業界で既に活躍している人が、既存の技術に加えて、アロマの知識を組み合わせて活用される例も多い。癒しブームにのって、まだまだ知識や技術は活躍するかも……。
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(取材先:ケイコとマナブ編集部)
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