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ナチュラルな色づかい、使いやすい形
素朴で、ちょっとごつくて質実。でも生命力を感じさせ、温かくて優しい。ジュートを言葉で表現するとこんな風だろうか。ロープや穀物袋などに使われることが多いこの素材に、山口さんは魅せられる。ジュートが通常の植物の5倍以上も二酸化炭素を吸収すること、バングラディシュが世界の輸出量の90パーセントを占めること、などを知った。 そこでバッグ作りにとりかかった。デザインを手がけたのは山口さん自身。洗練された商品に囲まれた日本人の眼鏡にかなうものを作るために、工場では数十回ダメ出しした。貯金をはたいて作った160個は、ブログなどを通じてあっという間にはけた。バッグづくりを本格的に学びたいと、日本に戻って3ヶ月間工房に弟子入りし、次に作った650個もデパートへの飛び込み営業などの成果で、売れた。
ところが。ここは途上国。そう簡単に順風満帆……というわけにはいかない。せっかく慣れた工場でパスポートを盗まれ、別の工場をようやく決めたと思ったら夜逃げされる。 「数日間部屋に閉じこもりました。途上国でやるのなんて、やっぱり無理なんだ、もうやめよう、という時にブログを通じていろんな人に励まされました」。 挫折から立ち直り、再起動 直営店もオープン予定、そして…… 立ち上がり、そして新たな現地代表兼デザイナーを雇い、再出発。今年の2月にモデルチェンジして生産をはじめる。バッグと小物9型ずつ、4色展開だ。貧しい国だからと、憐れみやお情けで買ってもらうのではない、あくまでもデザインの良さや品質で勝負する。それが結果として途上国を潤し、環境にも良い、ということになる。
今、大手百貨店から多くの誘いがかかり、現地での生産もフル回転中。スタッフも増やし、山口さんは今、次のステージに来たと感じている。「もう、トライアルアンドエラーというわけにはいかない」。9月には直営店を開く予定だ。 夢は2010年に売上の10パーセントでバングラデシュに学校をつくること。そして、マザーハウスの名の由来である、バングラデシュでアパートの前に住んでいたストリートチルドレンたちが安心して住める家ができること。はやくその日がくるといい。 |
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text / Angel Atsumi photos / MotherHouse, cafeglobe |

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