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手紙で熱意を記し
認められた日本での販売
「スウェーデンに手紙を出したことがすべての始まり。イボンヌと出会っていなければ、今の仕事をしていないと思います」
こう話す野田さんは1年前、25歳で起業し、スウェーデンの化粧品Y.の輸入販売を行っている。
Y.はスウェーデン人で元ミス・ユニバースのイボンヌ・ライディングさんがプロデュースする自然派のスキンケアコスメ。商品は自然の生薬や氷河水など、北欧の厳選された天然素材を使い、すべてが手作業、というこだわりぶりだ。
「大学時代に、雑誌の北欧特集で紹介記事を見たのが一番最初の出会い。私はその頃、就職活動のストレスで大きな吹き出物ができて、なかなか治らなかったので、自然派コスメのY.を使ってみたくなったんです」
商品は日本では未入荷だったため、まずはスウェーデンに手紙を書き、送ってもらった。実際に使ってみると、皮膚科通いでも治らなかった吹き出物が次第に落ち着くように。商品のよさを実感するとともに、イボンヌさんの製品に対するこだわりぶりにも魅了され、ぜひ日本の女性に紹介したい!
と思った。
そしてこの先が野田さんのすごいところ。なんとイボンヌさんあてに手紙を出し、「日本での販売をぜひ私にやらせてください」と熱意を訴えたのだ。
「イボンヌは、まだキャリアのない私でも、“やる気があるならOK、あなたに任せるわ”と返事をくれたんです。彼女自身、20代の頃にこのブランドを立ち上げているので、応援してくれました。
彼女はスウェーデンでは王室とのおつきあいもある有名人。でもすごく気さくで大らかなんです。それにスウェーデンという素朴で温かいお国柄もあるのかも。他の国だったらこんなにすんなりとはいかなかったでしょうね」
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科学専門辞書を片手に
翻訳と悪戦苦闘の日々
野田さんは大学卒業後、メーカーに就職し、海外製品の輸出部門の仕事をしていた。製品を世界各地に送るための伝票の作成や、船、飛行機などの予約を行う、ロジスティック業務が中心だった。
「高校3年間をアメリカで過ごしたので、その経験を生かす就職をしたかったのですが、思うようにいかなくて……。それに、入社して配属された部署も希望とは違い、いろいろ悩んでストレスがたまっていた」
Y.との出会いはちょうどそんな頃。会社の仕事にはやりがいを見出せなかったが、化粧品の輸入販売の道で食べていけるかも、と思い、仕事を続けながら準備を始めた。
ビジネスを始めるにあたって、まずやらなければならない関門があった。それが“化粧品輸入販売業許可証”の取得。
化粧品や医薬部外品の輸入販売を行う場合、製品ごとに成分などを細かく記した申請書を厚生労働省に提出し、書類審査を受けなくてはいけない。審査に通れば“化粧品輸入販売業許可証”が発行される。
「この手続きが大変でした。成分表などの科学的な用語が多い英文を日本語に訳さなければならないので、専門の辞書を買って悪戦苦闘。せっかく作った書類を提出しても、その審査がまたひと苦労で」
厚生労働省のチェックは厳しく、提出するたびに句読点ひとつ、文字の幅ひとつについても細かく訂正を要求された。そのたびに書類を作り直し、また提出に行くと新たな箇所を指摘される。7つの商品のライセンスを取るのに、けっきょく1年半かかった。
「勤めながらですから、かなりきつかったですね。会社から帰って成分表の翻訳をやり、有休を使って書類提出に行ったりして。でもだんだん意地になってきて、今度こそ!
と思いながらがんばりました」
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友情や情のつながりが
仕事で生きてくる
こうしてめでたく輸入販売許可の審査を通り、'01年の9月、ついに会社を辞めようと決心。就職してから1年半が経っていた。
「このままOLで安定を求めるか、新しいビジネスを始めるか、すごく迷いました。本当は1年で会社を辞めようと思ったのに、金銭的な不安もあって半年伸ばしたくらい。でも、一度きりしかない人生なので、違うことにチャレンジしようと決めた」
退職してから今年の4月に会社を立ち上げるまでは、パンフレット作成やホームページの構成を考えたり、営業に行ったり。それらをすべて1人でやった。売りこみに行くのはもちろん初めての経験。
「どうやったらいいのか、まったく分からなかったので、営業の経験のある友人に教えてもらいました。また、大学時代の友人はサイトづくりを手伝ってくれたり、情報を教えてくれたり。何かと助かっています」
パンフレット作りも、デパートの化粧品売り場でできるだけのパンフレットをもらい、参考にした。印刷はできるだけ安い業者を探し、経費削減できるように工夫。
「実際に動き出してみると、やることがたくさんあって、すごく大変。名前が認知されていないとこんなにも時間がかかるものなんだ、とわかりました。今は不景気ですから、お客様を大切にしつつ、時代を読みながら戦略を考えなくてはいけないな、とも思いました」
会社としては野田さん1人だけなので、すべての活動をこなさないといけない大変さもある。
「つくづく感じるのは、友人の協力を得て今がある、ということ。大学時代の友人などにボランティアで手伝ってもらっていますから。結局仕事というのは、最後は友情や情につながるのではないでしょうか。そういう和を大切にしたいですね」
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ブランドを知ってもらって
大きく育てていきたい
ここまで順調に来ているようだが、時には落ち込むこともあった。
「会社を辞めてからも、たまに同期から飲み会のお知らせメールが来るんです。でも私は仕事で行けない。自分もあのまま会社にいればお給料をもらえて、休みもあって……と考えちゃうこともあります」
でも、自らを“負けず嫌いで考えたことをやらずにいられないタイプ”と言うだけあって、今は仕事のことで頭がいっぱい。今までとは違う世界の人と会い、コミュニケーションをとるのが新鮮で楽しい。
「まずはブランドの名前を知っていただけるように営業展開していきたいですね。あと、本国には17商品ありますが、日本に入っているのは今のところ7商品のみなので、徐々に増やしていこうと思います。それにはまたあのチェックの厳しい書類提出をしなくてはいけないのですが……」
手作業でじっくりと作っているY.の化粧品同様、野田さん自身も手探りながら、着実に1歩ずつ前進しているようだ。
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| 08:00 |
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起床 |
| 09:00 |
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外出 郵便局や銀行などへ |
| 10:00 |
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仕事開始 |
| 13:00 |
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昼食
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| 15:00 |
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打ち合わせ |
| 19:30 |
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資料収集のため書店へ
夕食の買い物 |
| 20:30 |
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夕食 |
| 21:00 |
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メールチェック、読書、音楽鑑賞など |
| 23:00 |
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テレビを見る |
| 01:30 |
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就寝 |
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プロフィール
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'76年生まれ。高校3年間をアメリカで過ごし、'00年3月に明治学院大学国際学部を卒業。同年4月に某メーカーに就職し、製品の輸出関連の仕事に携わる。大学在学中にスウェーデンの化粧品Y.を知り、日本での販売をしたい、と現地に手紙を出して認められる。会社勤めのかたわら化粧品輸入販売業許可証に関する申請を行い、会社を興すために'01年9月退社。'02年4月にY.の日本での発売を開始。
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| Y.で扱っている7種類の商品はこちら。くわしくはこちらをご参照ください。 |
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オフの楽しみ方 |
今はとにかく時間がないので、友人に会ってご飯をたべるくらいしかできませんね。土日は一応休むようにしていますが、何かとやることがあったり、図書館に調べものに行ったりしています。 |
この仕事を目指す人への
アドバイス |
化粧品の輸入販売に関する情報は、JETRO(日本貿易振興会)で教えてもらえます。どういう手続きが必要かとか、過去のデータなども教えてくれるので、大いに活用したほうがいいと思います。
あとは、何事も諦めずに常にポジティブシンキングでいることが大事。下を見ちゃうと落ち込んでしまうので、深く考えすぎないほうがいいですね。悪いこともあるけれど、自分の気持ち次第でどうにでもなりますから。
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