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| 家業の強みと、自分のスキルとの融合で 実現した夢のマイ・ブランド “ピッ、ピッ、ピッ”とせわしなくトラックが出入りする、活気あふれる倉庫群の一室に、洋菓子製造メーカー「良味」の工場がある。生クリームを絞ったり、オーブンの中を伺ったり……と慌しく手を動かす人たちに、きびきびと指示を出しているのが渡邊了未さんだ。 渡邊さんの実家は、大正2年創業、今年93周年を迎える老舗総合食品卸会社。製菓学校を卒業し、東京でパティシエとして働いていた渡邊さんのもとに、「良味」の現・代表取締役社長である父親から「うちで取り扱っている食材を使って、菓子づくりをしないか」と声がかかったのは、2004年の9月だった。 「自分は絶対地元には戻らないと思っていたんです(笑)。でもその話があったとき、“きっとうまくいく”というイメージが鮮明に沸いてきて。二つ返事で戻ることにしました」 戻ってみたものの、工場の内装工事の手配、道具選び、機材の配置などなどすべてがゼロからのスタート。環境が整うまでは、給湯室でお菓子の試作品をつくることもあったのだそう。 「あの頃は、無我夢中という感じで、不安になっている暇はなかった。自分がやらなければ何も始まらないという状態だったので、ある意味孤独だったかも。でも、なにか困ったことがあっても、運良く切り抜けられたことが何度もあって。まわりのみんなや、この場所の力に守られている気がしました」 現在は、山梨県内にある高級スーパーとコラボレートして、オリジナルスイーツの開発&商品作りを担当している。 社員は全員20代・未経験者。 スタッフの“感性”を生かしたお菓子作り 渡邊さんの会社は、現在、社員3名とパートタイマー5人のシフト制。社員は全員20代前半と若く、しかもお菓子作りに関してはまったくの未経験者。そんな彼らを採用したのも渡邊さんのこだわりのひとつだ。 「製菓学校卒業後、すぐに勤めた店は、“とにかく右に習え”というところで。勉強になる部分はたくさんあったけど、自分がやりたいスタイルとは違うと感じてました。社員には夢を持たせてあげたいし、仕事の中でどんどん個性を発揮してもらいたい。若いスタッフの感覚を大切にして、そのパワーを集めれば、きっとすごいことができると思って」
今では、社員&パートタイマーに出荷用の商品作りを任せ、渡邊さん自身は会社の経営や、将来的に立ち上げたいと思っている自社ブランド「アシュレー・リョウミ」の商品開発に集中して取り掛かれるようになった。入社した当初は何もできなかった人たちがどんどん成長していくのを見るのが本当に楽しい!と渡邊さんは目を輝かせながら語る。 個人の成長=会社の成長が理想。 コーチングメソッドを取り入れ目標管理 会社設立から1年を迎え、今後の会社の方向性や目標をいま一度見直すべく、コーチングの手法を取り入れたのも新たな試みのひとつ。3ヶ月後、6ヶ月後の個人、会社の目標をみなで共有し、定期的にフィードバックしあうというものだ。
では最後に渡邊さんの目標は? 従来の組織のあり方にとらわれず、自分たちのスタイルでやりたいことを実現していく「良味」。スタッフのポテンシャルが共鳴しあって、半年後、どのような音楽を奏でるのだろうか? |
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text & photos / Miyasato Rina(Cafeglobe) |

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