カフェグローブフェンディ ジャパン マーケティング&コミュニケーション ディレクター 金古 真理さん - キャリアインタビュー

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更新日:2006年12月27日


フェンディ ジャパン
マーケティング&コミュニケーション ディレクター

金古 真理さん

『フェンディ』が2007年初旬に発売を予定している新作バッグ「B.MIX」。これを世界に発信するイベント、“FENDI「CLUB B.MIX」PARTY”が、11月末に東京の国立競技場で開催された。この大規模なイベントの企画とPRを取り仕切ったのが金古さん。40歳でIT業界からファッション業界に転身し、着実に実績を積んできた金古さんの仕事観、さらに「求められる人材になるためには?」を伺った。

サプライズ&費用対効果を見極めるセンス
入社後1年で世界イベントを任される理由


 金古さんが『フェンディ』に入社したのはちょうど去年の12月。2005年は『フェンディ』にとって創立80周年にあたり、これからはより洗練された方法で世界に『フェンディ』を印象づけることが求められていた。そうしたタイミングでマーケティング&コミュニケーションディレクターに起用された金古さんが行ったのは、“フォーマットの見直し”だという。

 「広告はもちろん、掲載する媒体とのお付き合いの仕方、製品発表会の形式、カタログ制作などの“いままでのやり方”を見直したのです。プロモーションは、そこからさらに利益を生まなければ成功とは言えません。人を驚かせる仕掛けはもちろん大事ですが、無駄なところにお金がかかっていないか、というチェックも必要」

 そうした一見地味な作業の積み重ねが、入社1年を待たずに新作「B.MIX」のワールドワイドイベントを手掛けるという大仕事に結びついた。

 「世界的に見ると、10代の女の子がブランドもののバッグを持つような日本のマーケットは非常に特殊。日本のマーケティングは、 その特性を本国のイタリアに理解してもらったうえで独自のプランで動いています。今回そうした日本のチームが一切を取り仕切り、本国の予算でワールドワイドイベントを行ったのは、ファッション業界に限らず日本の市場がいかに重要かという証拠だと思いますね」

 イベントを終えてホッとした部分もあるが、ディレクターとして他に目配りが必要な仕事は常時複数ある。金古さんは、そのどれについても「絶対に失敗しない、させない」と決めているという。

 「仕事に関する準備はすごく入念にやるし、だからこそ失敗させないという自信もあります。キャリアを積んでいくには、上司に恵まれるなど、企業の環境そのものに負う部分も大きいですが、だからこそ、周囲に影響されずに自分の仕事をやり遂げるという意志が大事だと思うんです」

金古さんのお仕事必須アイテムである携帯。 先日の“FENDI「CLUB B.MIX」PARTY”で ノベルティとして配られたNIGO(R)×FENDIのコラボレートストラップが愛嬌たっぷり。


新参者だからこそのメリットを
自分の仕事にどんどん反映させる


 学生時代に始まる金古さんのキャリアは、マスコミ、IT、そして 現在のファッション業界と全く違う業種。また職場を移るきっかけのほとんどが“引き抜き”だったという点でも非常にインパクトがある。 金古さんがより高い報酬や地位を求めて転職を繰り返してきたかのような印象も受けるのだが、決め手になったのはどの時も「モノ」と 「コミュニケーション」というキーワード。

 「IT業界にいた頃、世の中のIT化とも重なって、より分かりやすいカタログやパッケージにするだけで、売上げが何十倍単位で変わるのを経験したんです。製品の優れた部分や魅力が、より伝わる仕組みを作っていく仕事、そこに自分のアイディアやコミュニケーション能力を生かすことに魅力を感じるんです。また小さい頃から英語を習い、留学も経験したので、英語を生かせる仕事をすることも私にとっては大切でした


 ただし、IT業界からラグジュアリーブランドの世界への転身は、金古さんにとっても大きな冒険だった。

 「もともとファッションは好きでしたがフリークではなかったし、同 じPRマーケティングと言っても、業種が違えば、方法も仕事でお付き合 いする方々も全く違う。まったく新参者の私でも『使いたい』という企業 はあるのか、不安もありました」

 実は、30代でIT業界に入った時点でも、金古さん自身はITの知識に関 しては素人同然で、“ワープロが使える”程度だったという。ただ、そうであることが幅広い層のユーザーを開拓する段階にあったメーカーの仕事でプラスに働いた。

 「新しい環境に飛び込むときは、どんな立場でも『教えて下さい』と いう謙虚さが大事だと思います。そう挨拶することで、いろんな人が表も裏も含めていろんな情報を教えてくれる。それを知識として自分のなかに溜めておくと、あとで仕事で活かせることはたくさんあります」

 ニューフェイスとしてのメリットを享受しつつ、それを仕事に還元させ、企業の利益と自分の実績につなげる。ヘッドハンターと企業が求める人材とは、そういう人材だったのだ。



降りかかる責任の目安になる年俸1000万円
それをクリアしたいと思うなら……


 ひとつの職場で、その仕事に関するひと通りのことを習得したと思えるまで続ける。そのための努力を惜しまない。その繰り返しが、金古さんを自他ともに認める“できる人”に育てたと言えそう。

 「働く人間としてのひとつの目安になるのは、年俸1000万円。それを目指すか目指さないかはその人の人生なので、もちろん目指さなくたっていいんです。でも目指すなら、人の3倍、4倍の努力をしないと。 1000万円払うとなれば、会社だってそれに見合う働きを期待するのが当然です」

 「上ばかりを見て仕事するのもダメ。下からも横からも、斜めからも人は見られていますから。頑張っているのにと愚痴をこぼすまえに、どの方向から見てもきちんと仕事をしているか、自分で判断できないと」

 ……と聞くと、金古さん自身さぞスキのない人物なのだろうと想像してしまうが、仕事とプライベート両面にわたって心がけているのは、 「笑い」と「息抜き」だという。

 「スタッフとはいろんなことで笑いますね。仕事がせっぱ詰まって、 社内が緊張しているなと感じる時は、あえてひとりでコーヒーを買いに 出かけることもありますし。キリキリした雰囲気を作らないことが大事。 私の場合、コミュニケーションが仕事だからということもありますが、『この人面白いな』と思わせることは働くうえで大切なことだと思います、いろいろな意味で……。まずは人の目に留まることで、コミュニケーションというのは始まるのではないでしょうか」



● 金古真理さん プロフィール
 
高校在学中よりテレビ、ラジオの番組を担当し、アメリカ留学後、アナウンサーを経て25歳でビジネスコンサルティング会社を設立。32歳の時に、企業トップの誘いでITメーカーのコンサルタントとして、アジア・パシフィック全体のB to Bマーケティングを統括。さらにWebサイト運営会社に転職したのち、ヘッドハンティングを受けて40歳でラグジュアリー業界に転身。『BALLY』、『Asprey&Garrard』を経て、2005年12月から現職。


ある日のスケジュール
 
08:30 起床
入浴、メイク、朝食
09:30 自宅でメールチェック
すでに出社しているスタッフにTel&メールで指示
10:30 出社
メールチェック
進行中の案件についてスタッフから報告を受ける
11:00  取材立会い
13:00 ランチミーティング
15:00マネージャーミーティング
19:30 取引先のパーティに出席
マスコミ関係者との食事会
23:00 帰宅
テレビでニュースをチェック
入浴&スキンケア
1:00 読書
新聞、週刊誌、小説など
2:00 就寝



スキルアップのためのアドバイス
 

「仕事が忙しくて、学校に通ったり、習い事をしたりという事ができませんでしたが、実戦の場で、人より早く、 正確に、確実に業務を習得していく事が いちばんクオリティの高い勉強だと思っ ています。ただ、もくもくとこなすだけでは身に付かないので、仕事にのめり込む自分と、客観的に理論やコツを頭に叩き込む“学生”の自分を同居させて、仕事が終わって時間ができたとき に、もう一度復習する事は必要ですね」と、金古さん。

彼女自身が情報収集として行っているのは、もっぱら“読書”。仕事としての情報収集はTV、新聞、インターネットが主だが、人間性の確立やコミュニケーションの上手な取り方、コーチングといった管理職に繋がる部分は読書から学ぶことが多い。

単なるハウツーではなく、行間を読む(心の機微を学ぶ)ための選択を した方がいいと思います。あとは雑誌、映画、インターネットなど、常にマルチメディアからの情報をゲットし ようとする好奇心を常に持つ事ですね!」

『フェンディ』の日本語サイトがオープン

日本最大級! のパーティ模様
“FENDY「CLUB B.MIX」PARTY”




text / Kikui Tomoko
photos / cafeglobe

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