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温暖化は、地球という星に熱がどんどん溜まっている現象です。本来地球は、太陽から受けたのとほぼ同じ量の熱を冷たい宇宙空間に逃がしていました。でも、人間の活動によって大気中に二酸化炭素やメタンなど熱を保つ効果のある「温暖化ガス(※1)」が増え、地球が保温材で包まれてしまったような状態になったのです。二酸化炭素の分厚いオーバーを着こんだ地球をイメージしてください。 ではオーバーの主要な成分である二酸化炭素はどうしてこんなに増えてしまったのか。これは、簡単に言えば、人間が石油や石炭などの化石燃料を使いすぎたからです。その証拠に、地球上の二酸化炭素が急激に増え始めたのはイギリスで18世紀に起こった「産業革命」の頃からなのです。木や石炭を燃やすことで機関車が走り始め、大きな機械を回すことができるようになって工場ができた時代。その直後から大気の二酸化炭素濃度はずっと右肩上がりに上がってきています(※図2)。 以来ずっと、私たちが使っているエネルギーの大半は、化石燃料から作られています。電気の大半は化石燃料を燃やして発電されています。ガソリンや軽油は石油を精製したものです。天然ガスやプロパンガスも化石燃料です。また、合成繊維やプラスティック、ビニールなども石油から作られます(燃やすと二酸化炭素が発生します)。
つまり、エネルギーの消費を抑えれば大気中の二酸化炭素の増加は抑えることができるのです。話は簡単です。 しかし、私たちの毎日の生活はエネルギーでできているようなものです。冷暖房や調理、乗り物での移動はもちろん、鉄やアルミやガラスや紙などの素材から自動車や家やビルなどの製品まで、大量のエネルギーを使って作られています。 食べ物だってそうです。あなたが今晩口にするトマトはビニールハウスの中で暖房を焚いたから冬でも育ったものだし、ブロッコリーはアメリカから飛行機の燃料を使って運ばれたものだし、エビはタイから電気を使った冷凍庫で冷やされてきたものかもしれません。この便利さや豊かさと引き換えに、私たちはモクモクと二酸化炭素を大気中に出し続けているのです。でも反対に言えば、たとえば食卓からこういったエネルギー消費度の高い食材を減らし、地元で育った旬の食材を増やすだけでもエネルギーの節約ができます。 今は寒さの厳しい季節ですが、好きなだけ暖房をつけるのではなく(※2)、厚めのセーターを着てひざ掛けを使うことで、少し低めの温度設定にしても大丈夫になります(私はその格好でこの原稿を書いています。エアコンの設定は20℃にしてあります)。つまらないテレビ(電力消費量がけっこう大きい)は消してラジオにしたり、だらだらシャワーに入るのもやめてもいいかもしれません(じつは夏場以外、私はシャンプーは2〜3日に1回程度しかしません。髪にもそのほうがいいようです)。自動車で出かけるのをやめて電車にしてみる。自転車もいいでしょう。
「そんな我慢できない!」「私だけやっても意味ないし」と思う方もいると思います。でも、我慢……何かをあきらめると思うと嫌な気持ちになりますが、自分のちょっとした工夫で大気中に出る二酸化炭素が少し減る図を想像すると、少しいい気分になりませんか? 失うほうばかり見つめずに、自分にできる地球へのプラスのインパクトを見るのはなかなか楽しいものです。お財布にもプラスになります(※3)。 また、「私だけやっても意味ないし」というのは間違いです。一昔前ならそうだったかもしれませんが、今はまさに人々の意識が変わってきていて、多くの人が地球のために生活を見直そうとしています。あなたの他にも大勢の人が始めているので、意味がないなんてことはありません。さらに、あなたの家族や友だちにもエネルギーの節約が温暖化を防ぐことに役立つことを説明して、一緒にやってもらってはどうでしょう。その人がまたその周りの人を誘ってくれれば、ねずみ算式に取り組む人が増えていきます。これは大きな効果をもたらします。 でも……こういった個人レベルでの取り組みは非常に大切なことですが、それだけではスケールとスピードがまだまだ不足します。温暖化を止めるには間に合いません。スケールとスピードを得るためにもっと大切なのは、行政や政府・法律などを動かしていくことです。そうすることで、化石燃料の消費を抑えられることもさることながら、太陽光発電などの「自然エネルギー(代替エネルギー)」を推進し、二酸化炭素を発生することなくエネルギーを潤沢に得られる社会のしくみを作っていくことも可能になるのです。次回はその件について考えていきます。 (次回につづく)
温暖化や二酸化炭素の上昇と森林の減少について少し補足しておきます。ご存知の通り、植物は大気中の二酸化炭素を吸収し、それを栄養源に太陽の光エネルギーで光合成をして成長します。そのため、森林が減れば大気中の二酸化炭素がますます増えることになります。とくにアマゾンや東南アジアなどの熱帯雨林(ジャングル)は二酸化炭素の吸収量が多い(=植物の量が多く、また成長も早い)ので、これらが減ることは非常に危険なことです。しかし、日本の商社や製紙会社は東南アジアやオーストラリアなどから大量の木材やパルプを買っています。私たちが気楽にプリントアウトするその紙も、1年前はアジアで枝を伸ばしていた木だったかもしれません。 また、意外に思えるかもしれませんが、暖かい海に広がるサンゴ礁も二酸化炭素を吸収しています。サンゴはじつは植物でなく虫なのですが、このサンゴ虫は、一緒に暮らしている藻が海水中に溶け込んだ二酸化炭素を吸収して作ってくれた栄養をもらって暮らし、石灰質(炭素が固まったもの)の住処(私たちがサンゴと呼ぶ硬い構造)を大きくしているのです。そのため、最近進んでいるサンゴ礁の破壊も地球にとってはダメージの大きな問題です。
text / Aoki Yoko (Cafeglobe) |
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