昨年の秋頃からじわじわ耳にするようになってきた「カーボンオフセット」。植林などに寄付することで、自分が出した二酸化炭素と同じ量を吸収しようというのがこのムーブメント。地球温暖化への危機感の高まりを受けて、今年、日本はカーボンオフセット普及元年になる予感♪ 今回は特に、私たちにも簡単に参加できる方法を紹介します!

「カーボンオフセット」の直訳は、「炭素を相殺する」。日々の生活や工場から排出されたCO2と同じ量を、植林やCO2削減プロジェクトなどに寄付することによって、差し引きゼロにしようという試み。1990年代後半にイギリスで提唱され、世界に広まった。画像はイギリスのカーボンオフセット受付団体Climate Care。自動車メーカー、旅行会社、銀行、政党(野党第一党の保守党!)など錚々たる企業や組織がスポンサーとして名を連ねている。 ■自分が出した量を計算してオフセット!
まずは、自分の出したCO2量を計算し、オフセットできるサービス。代表的な2団体を紹介します。
1つ目は、日本カーボンオフセット(COJ)。昨年12月中旬、個人がカーボンオフセットをできるWebサイトをオープンしました。家の広さ、住んでいる人数、電気の使い方などのチェック項目に答えると、簡単に自分の生活で出しているCO2量の概算が分かります。そのCO2分の金額を支払うことでカーボンオフセットができるという仕組みです。「オープンから1ヶ月でこれまで約5000件のウェブ来訪があり、300名が登録、その約10%が実際にお申し込みくださったという状況です。数はまだそれほど多くありませんが、登録者の10%が実際にオフセットをしていくというのは、かなり高いアクション率。それだけ真剣な人が増えていると感じています」(COJ事務局長の村上賢之さん)とのこと。

COJのカーボンオフセットの仕組み。COJは国連が認定した温室効果ガス削減プロジェクト(自然エネルギー事業など)から得た排出権を購入。簡単に言えば、個人がカーボンオフセットに申し込むと、その量に見合うだけの排出権をCOJが調達してカーボンオフセットをおこなうというもの(※個人が負担する費用はこの一連のカーボンオフセットサービスに対する料金)。この排出権は京都議定書で約束されたCO2削減目標にも算入されているので、COJでオフセットすることで、日本のCO2削減目標にも貢献できるのだ。( image / 日本カーボンオフセット) もう1つの注目株が、2002年という早い時期から活動している、日本でのカーボンオフセットのパイオニアカーボン・トゥ・フォレスト (CTF)。YENという環境に関心のある若手社会人ネットワークのメンバーが思いつき、そのころヨーロッパではすでに盛んだったカーボンオフセットを試したのがきっかけ。これは日本でも広めたい!と仲間に声を掛け、自分たちが乗った飛行機から排出されるCO2をオフセットするために寄付をよびかけたのが始まり。現在も社会人有志によるボランティアが運営を続けています。
方法としては、年会費を払い、年間の日常生活で出すCO2相当量をオフセットする方法が1つ。もしくは、メールでの問い合わせで自分の出したCO2を算出、植林・自然エネルギーへの投資(他の団体を紹介してもらえる)などの選択肢でどの方法が一番適しているか相談にのってもらい、植林などでのオフセットを申し込むこともできます。2007年のオフセット実績は50件。個人だけでなくゴミ拾いイベントや就職相談会などのイベントのオフセットもあるとか。「海外旅行に行くので、往復の飛行機分のオフセットをしたい」といった相談にもしっかり答えてくれるとのことなので、まずはメールで相談してみては?

カーボン・トゥ・フォレストのオフセット方法は主に植林。信頼できる環境NGOなどを選び、寄付している。写真は中国内モンゴルの沙漠での植林の様子。国際環境NGOFoE JAPANの植林プロジェクトに寄付をしているが、現地でどのように植林しているか、カーボン・トゥ・フォレストのメンバーが自腹(!)でエコツアーに行き、確認しているとのこと。(photo / カーボン・トゥ・フォレスト(CTF)) ■カーボンオフセットつき商品を買う
最後に、さらに簡単その場でできるカーボンオフセットが、カーボンオフセット付き商品を買うこと。去年から私たちが普段目にするものにも続々と登場しています。
たとえば旅行なら、JTB関東が「CO2ゼロ旅行」というツアーを売り出しています。これは、旅行で消費するバスや飛行機などの燃料と電力を算出、それと同量の自然エネルギー(バイオマスガス発電、風力発電、太陽光発電など)を購入して、旅行中のCO2を理論上ゼロにする、という仕組み。これなら「自然を満喫するために、実は行き帰りの乗り物でCO2を出して環境に悪いことしているのよね……」という旅行中のストレスがなくなります。

西友の「環境優撰」というシリーズのエコバッグは、全国の西友で販売された売上の1%が前出の日本カーボンオフセットに提供される。(photo / 西友) この連載のバックナンバー「年賀状、同じ出すならエコ貢献♪ 「カーボンオフセット年賀」はいかが?」でも紹介したカーボンオフセット付き年賀はがきを使った・もらった人も多いのでは? または誕生日や赤ちゃんがうまれたお祝いにカーボンオフセット植林をプレゼント!なんてアイディアも素敵。

なんと、ウェブサイトを1クリックするだけで、無料でできるカーボンオフセットもある。それが2007年12月13日から始まったユナイテットビープル(株)のカーボンオフセットクリック募金。1クリックにつき1円、スポンサー企業の(株)オクタが私たちにかわって募金をしてくれる仕組み。あなたも今すぐクリック! 今年のキーワードになりそうなカーボンオフセット、まずはやってみるのが理解する近道だと思います。できる範囲でトライしたり、今後の動きにも注目したいところ。
とはいえ、肝に銘じておきたいことが1つ。それは、CO2をオフセットする前に、CO2を出さない努力が大事!ということ。cafeglobe世代でもあるカーボン・トゥ・フォレスト代表の國田かおるさんは次のように話していました。「どんなに地球に優しい暮らしを追求しても、旅行にも行きたいし、パソコンを使うには電気を使わなければならない。そんなエコストレスをどうにかしたかったのが、カーボンオフセットを始めたそもそものきっかけ。カーボンオフセットはベストな解決策ではないけれど、現時点で取りうるベターな方法だと思っています」。うん、確かにそのとおり! 省エネなどの努力は続けつつ、どうしても出てしまうCO2に対してカーボンオフセットをうまく活用していきましょう!
取材・文/阿久津美穂 (Slow Media Works) |