カフェグローブ

COOL 持続可能なエコ生活で、地球をクールダウンしよう!

更新日:2008年2月15日

環境とか未来とか大切にしたいね、通信


第40回 モード界の大御所続々! でも、N.Y.で開かれた
エコファッションショーにもの申す!

  当COOL!カテゴリの「LOVE & HATE」1月10日の回でお伝えした、N.Y.モード界にエコファッションを広げるイニシアチブ「フューチャー・ファッション」。先週まで開かれていたAW08に先立って行われたショーについて、N.Y.在住ジャーナリスト詩乃コヴァントさんからレポートが届きました!

■ラルフ・ローレン、ヴェルサーチなど錚々たる名前が

  ニューヨーク・ファッションウィークの前夜祭ともいえる「フューチャー・ファッション」ショーが、ミッドタウンのゴッサムホールで開かれた。これは「アース・プレッジ」 という環境団体の活動の一つであり、合計28人のデザイナーが、環境に考慮した素材を使用しデザインしたファッションを提案するという夢のような企画だ。

ステラ・マッカートニー(モデルはベッテ・フランク)。


  ラルフ・ローレン、カルバン・クライン、ヴェルサーチ、バーバリー、イブ・サンローランなど、名だたるデザイナーが参加することでも注目を浴びたが、エコロジーからほど遠い位置にあるファッション業界が、このような形で少しでも地球環境に意識したイベントを開催すること自体に非常に意味があるだろう。

ジバンシィ(モデルはナターシャ・ポーリー)。


デレク・ラム(モデルはダイアナ・ドンドー)。


  また、使用される素材はオーガニック素材、自然から生まれたバイオプラスティック、人工セルロースなど600種類にもなる。ちなみにダナ・キャランのイブニングガウンには、「ささ和紙」という和紙を糸にして織り上げた布が使用されていた。


■出演モデル、スタッフたちのエコ意識は?

  さて、バックステージにて、スーパーモデルでありながら、世界保健機構(WHO)で親善大使としても活躍するリヤ・ケベデにインタビューしてみた。

バックステージでインタビューに応えてくれたリヤ・ケベデ。
彼女は 世界保健機構(WHO)で親善大使としても活躍している。 「今がよければいい、先のことはどうでもいいっていう態度ではもう生きられないのよ」。


―今回のショーをどう思いますか?―
「自然環境を考えた素材を使ってこんなにゴージャスなドレスができるなら、すべてのブランドでもそれが可能だと思ったわ」

―環境問題についてあなたはどういう視点で見ていますか?―
「今がよければいい、先のことはどうでもいいっていう態度ではもう生きられないのよ。私は子どもが二人いるし、彼らのために私たちがしなくてはならない責任は大きいと思うの。いきなり変わるのは難しいから、それが例えば電球を変えるなど、小さいことからでいいから始められるはずよ」

  ヘアースタイリストの方にもインタビューしてみたが、「正直言って、僕たちはここにくるまでこのショーのコンセプトが何なのか知らなかったし、今でもよくわからない。僕はボスに呼ばれただけ」と頼りない返事。その“ボス”に聞いてみると、「今度からはスプレーなども環境に考慮したものを使った方がいいよね」と言っていたので、特にエコフレンドリーな製品を使ってはいないようだ。

■『VOGUE』エディターなど来場者の顔ぶれも物足りず

  一方、フロントロー(ランウェイの最前列)に『VOGUE』アメリカ版エディターのメレディス・メリング・バークを見つけたので、質問をしてみた。

―このイベントについてどう思いますか?―
「素晴らしいと思うわ。こんなにスタイリッシュなドレスなら着たい」

フロントローに座っていた、『VOGUE』アメリカ版エディターのメレディス・メリング・バーク。エコファッションのショーに来るには、ちょっとコーディネイトを間違えた?


―環境をよくするためにあなたが日常に行っていることはありますか?―
  その質問に困ったのか、隣の友人としばらく顔を見合わせて苦笑し、それからこう答えた。

「そうねえ〜、シャワーを短めに浴びるとか……。リサイクルもしているかなー。あとは……出版社(ヴォーグを出版しているコンデナスト)が募金などをして社会の役に立っていると思うわ」

  そして彼女が着ているのは、毛皮のヴェスト。あれ? これってプラネットフレンドリー(地球にやさしい)のショーだったはずだが。

  フロント・ローに誰が座るか、誰が招待されているかなどがショーの話題になる中、今回のショーではイザベラ・ロッセリーニ(女優)、ファビオン・バロン(アートディレクター)、カーリー・サイモン(シンガー)、フランシスコ・コスタ(カルバン・クラインのクリエイティブディレクター)、ローレン・ブッシュ(モデルでありブッシュ大統領の姪)とそのボーイフレンドであるデイビッド・ローレン(ラルフ・ローレンの息子)と、少しインパクトに欠けるのは否めない。

  今の時代に見合った影響力のある“セレブ”の登場で場が盛リ上がれば、人々の関心はもっと集めることができたはず。たとえばそれがゴア元副大統領や、レオナルド・ディカプリオなどわかりやすい人でもいいし、え?この人が?という意外性のある有名人でもいいだろう。

  今年で4年目のこのショー、規模が年々大きくなっていくのはいいことだが、そのコンセプトがそれに関わる人たちに反映されていないのではないか。また、ショー自体はNGOである「アース・プレッジ」の企画だが、実際はその手から離れ、PR会社が取り仕切っている。これはショーでは当たり前のことなのだが、そのPR会社はコンセプトをどのくらい意識しているだろうか。

  このイニシアチブはすばらしい。だけれど、どこか薄っぺらいのだ。来ている人も、そして関わっている人たちも。実際に、メディアからは「モデルもイマイチだし、ローレン・ブッシュのような“エコ戦士”がフロント・ローにはもっともっと来ているべきだった」という批評もあったほどだ。

■こういった取り組み、あなたはどう思う?

  さて、その“エコ戦士”とまで呼ばれるローレン・ブッシュだが、彼女は現ブッシュ大統領の姪であり、女優・モデル・活動家・そして「チーム・フィード」の発起人でもある。国際世界食糧計画(WFP)とのコラボレーションに取り組み、この日も自らデザインしたバッグを持って宣伝活動をしていた。「FEED(食糧を届けよう)」と書かれたこのバッグを1つ買えば、1人の子どもに1年間食糧を保証することができるという。

アメリカで「エコ戦士」と評されるひとり、モデルのローレン・ブッシュ。自身の人道援助NGOのキャンペーン「チーム・フィード」のバッグを持ってニッコリ。


  ローレンは、「こういう主旨を持つイベントが開催されたことはとても意味があると思う」。また、ボーイフレンド(ラルフ・ローレンの息子であるデイビッド)を意識してか、「個人的にはラルフ・ローレンのパープルのドレスが一番気に入ったわ」という発言も。

ラルフ・ローレン(モデルはキャサリン・マクニール)。


  環境に対する意識や取り組み方は個人のあり方によって様々だ。ある一方から見たらこういったイベントは、「何もそこまでしなくても」と極端に映るだろうし、見方によっては物足りなくもあるだろう。そしてこういった素材を使用した服がもっと一般的になるには、残念ながら長い道のりが必要だ。

  ただ、このショーによって、ファッショナブルでありながらエコフレンドリーな素材を選択するという発想が、少しでも多くの人に広まるとしたら、それは少しでも前進になるだろう。

text & photos / Shino Covant
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