カフェグローブお台場にプカプカ浮いてる白い固まりは……! 下水道のこと、ちょっと知ってみよう - 環境とか未来とか大切にしたいね通信

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更新日:2008年6月20日

環境とか未来とか大切にしたいね、通信


第47回 お台場にプカプカ浮いてる白い固まりは……!
下水道のこと、ちょっと知ってみよう

  台所、トイレ、洗面所、オフィスの給湯室……毎日の生活で私たちは当たり前のように水を使い、使い終わった水は下水へ流れていきます。でもその排水って、どうやって処理されるのでしょう? 今回は生活排水がどこへ行っているのか、日本下水道協会でじっくり取材してきました。

横浜の「水再生センター」でおこなわれた鮎の放流イベントの様子。下水の処理水が流れる川も、こんなにきれいなのです。ちなみに9割が処理水と言われている神田川も、ここ数年は鮎が戻ってきているそう!(photo / 日本下水道協会)


  広報の照井仁さんによると「下水道は昔からあるように思われていますが、実は都市部でもほぼ100%普及したのは1980年代に入ってから。地方ではまだの地域もあるので、現在の普及率は70.5%」とのこと。そういえば、小さい頃は、都心でもバキュームカーがよく街を通っていたなあ……。では、そもそも下水道の果たしている役割は? 最も大きな役割は、汚れた水をきれいな水にして川や海に戻すこと。また、下水道があるおかげで水路や川に汚れた水が入らず、大雨の時は雨水をすばやく下水道管に流すことで浸水を防ぐことができているのだとか。大雨の後、短時間のうちに水浸しの道路が乾くのは、下水道のおかげなのです。

  家やオフィスで出た下水は、下水道管に入り、水再生センター(下水処理場)にいきます。処理場ではまずおおまかな汚れを沈殿池などで沈めとった後、汚れを食べる微生物の入ったタンクに入ります。汚れを食べた微生物は活性汚泥といわれる泥の固まりを作るので、これを次のタンクで沈めて消毒すれば、きれいな水に変身! 川や海に帰ります。

水再生センターで処理水として海や川に戻った水は、蒸発して雲→雨となり山に降り、ダムや川から水が取られて浄水場で上水となり、家やオフィスに行ってまた下水になり……という循環ができているのです。(図/東京都下水道局)


  川や海がきれいになってナルホドめでたし……といきたいところですが、まだまだ問題があるのだとか。たとえば、私たちが下水に流す油。「台所からの油は、冷えて固まるとオイルボールという固形物になり、排水管を詰まらせたり下水道から悪臭がするようになる最大の原因です。処理場にたどり着いた油も、微生物は油が苦手なのでオイルボールのままで海に流れてしまうことがあり、東京湾で大きな問題になっています。お台場でも白っぽい固まりが浮いていますよ」(照井さん)。

缶コーヒーの左にあるのがオイルボール。こんなに大きく固まってしまうこともあるとか。これが処理されずに海に流れ、沈んでいっているなんて。(photo / 東京都下水道局)


  油の他にも、洗剤の使い過ぎやトイレットペーパーの使いすぎなども、下水処理に負担をかけるそうです。揚げ物の油は、新聞紙に含ませるなどして燃えるゴミとして捨てること。お皿についている油分も、古新聞などでぬぐえば、下水に入る油は格段に少なくなります。食器洗剤や洗濯洗剤、シャンプーなども、多ければよく落ちるというものではないので、最小限で洗う工夫を。自然分解しやすいエコな洗剤を選ぶことも大事。また、お米のとぎ汁には赤潮を発生させる原因となるリンや窒素が多く含まれているので、肥料として植物の水やりに利用するのがおすすめ。一軒家なら、雨水をためて庭の水やりに利用するのも、下水処理施設の負担を減らすことになります。

  私たちが出す下水は川や海に戻り、また私たちの飲み水として循環しています。「最近、身の回りの水のことを行政サービスに任せきってしまい、下水に流せば何でも処理できると思っている方も増えていますが、下水処理は万能ではありません。一緒にできることに取り組んでいただきたい」という日本下水道協会の照井さんの言葉が印象に残りました。まずは今晩のキッチンから、しっかりやっていきたいと思います。

水を処理した後に残る汚泥の有効活用も始まっている。東京都では汚泥を焼いてレンガを作ったり(写真)、神戸市では汚泥からメタンガスを発生させてバスを走らせている。山形県では汚泥を使った肥料も使われているのだとか(photo / 東京都下水道局)


水再生センターも住民に開かれた場所にしよう、ということで公園や運動場として活用されている場所が増えてきました(写真は小菅水再生センター西公園)。予約すれば施設の見学にも可能なので、興味を持ったらぜひ!(photo / 東京都下水道局)


7月22〜25日には、横浜で「下水道展’08横浜」が開かれる。下水の仕組み、大雨や地震の際、下水道がどう機能するかなどがよく分かる。地味なようでこれがなかなか面白いのです。(photo / 日本下水道協会)



(取材・文/阿久津美穂 Slow Media Works

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