カフェグローブ

COOL 持続可能なエコ生活で、地球をクールダウンしよう!

更新日:2008年8月15日

環境とか未来とか大切にしたいね、通信


第49回 古くて新しい旅のスタイル
自転車で回る♪ヨーロッパの田舎町

  南仏プロヴァンスに位置するリュベロン地方は、絵に描いたような中世の村が点在し、豊かな自然の中、ゆるやかな時間と大らかな空気が流れる美しい田舎。毎年、ヴァカンス時期には世界中から旅行者がやってきて、この地で長い休暇を楽しんでいます。『南仏プロヴァンスの12か月』の著者のようにここに移り住む人や別宅を構える人も多く、どこか洗練された田舎でもあるリュベロン地方の村々を、パリ在住ライターの安田知子さんが自転車で巡りました。

■運転免許なし。それなら人気の自転車で

パリからはTGVでアヴィニョンへ。駅前からアプト行きのバスで1時間ほどでリュベロン地方に入ります。写真はボニュー村からの眺め。リュベロン一帯は国立公園でもあります。


  今回、リュベロン地方を自転車で回ることにしたのは、そもそもは私が運転免許を持っていないからでした。鉄道網がないこの地方を回るにはレンタカーが一般的ですが、それならと思いついたのです。このところ自転車やサイクリングの人気は高まっているし、健康的だし、何より自然環境にもいい! リュベロンにはサイクリングを目的にやって来る人も多いことから、レンタサイクルショップがある村も多いのです。そこで、ボニュー村を拠点にリュベロンでは定番の村々を訪ねてみることにしました。




  ボニュー村に到着、ホテルに荷物を置いたらさっそく予約していたレンタサイクルショップへ。じつは、ふだんパリではたまにヴェリブ(公共のレンタサイクル)でメトロ数駅分走るくらいで、10km以上漕ぐなんてことはまずない私。ショップのお兄さんに、ロックのかけ方からサドルの調節まで、基礎的なことから教えてもらいました。

<写真左>レンタサイクルショップ。マウンテンバイクは1日15ユーロ〜。長距離を走りやすいツーリングバイクだと一日35ユーロ〜。私はマウンテンバイクを4日借りて、50ユーロでした。<中>私がレンタルしたマウンテンバイク。旅で自転車を使うのは、6年前にスリランカで仏教遺跡めぐりで乗って以来。その時はとっても古いママチャリでした。<右>朝から天気の良い日は最高。日差しが強いのでサングラスは忘れずに。


  イラストマップでルートを確認し、いざ出発となった時、「はい、これ」と渡されたのはパンク修理のセット。思わず「パンクしても直せません!」と言うと、「これは日本メーカーのもので説明書も日本語で書かれているから大丈夫だよ」と。「まぁ、何かあったら携帯に電話をくれれば車で迎えにいくから。じゃ、ボンヌ・ジュルネ(よい一日を)」と奥へ引っ込んでしまいました。ちょっと心配にはなったけれど、レースに出るわけじゃないしまぁいいか、と気を取り直して、今度こそ出発!

■まずは12km先のメネルブ村を目指してスタート

ブドウ畑の向こうに見える中世の村。このあたりにもフランスの民宿・ジットがあり、人気のところは初夏から秋ごろまで予約でいっぱい。


  コースはボニューからメネルブ→ラコストと有名な村を訪ねてボニューに戻ってくるというもの。まず目指すはメネルブ。ボニューからは12kmとある。ブドウ畑が広がりる中を気持ちよく漕いでいると、横をオープンカーがバンバン走り抜けてゆきます。ここリュベロンはセレブな田舎としても知られているのです。途中、写真を撮ったりしながら、ようやくメネルブ村が見えてきました。リュベロンの村々は、中世の戦国時代、城塞としての役目を果たしていたので、どこも小高い丘の上にあります。なので、村の麓からがきつい! 息を切らしながら到着。自転車を止めて歩き、その後カフェで一休み。

  メネルブから次のラコストまでは7km。先ほどの心臓破りの丘を一気に下ります。自動車用の標識のほか、自転車のマークが付いた専用の標識もあるので、それを頼りに進んでいきます。

メネルブにて。こんな絵に描いたような南仏らしい風景に、急坂の疲れも癒されます。


<写真左>青い看板が自転車用の標識。現在、自転車の専用道路も整備されているところ。<中>本格的なサイクリング集団。ドイツからやってきたという人たちもいました。<右>夏のヴァカンスに自動車で出かける人たちが自転車を積んでいるのはごく普通の風景。いったん目的地についたら自転車で観光をするのでしょう。


  緩やかだけれど永遠に続くかのように思われる坂道を漕いでいると、後ろから自転車の集団がドドドーッとやってきました。ツール・ド・フランスもかくやという本格的なグループで、風のように過ぎ去っていきました。もちろん、私と同じように自転車でゆっくり村巡りをしている人もちらほら。ラコストでも、自転車を置いてカフェで一休み。カフェのテラスからボニューの村が見えます。

ラコストの村にあった、どこか東南アジアの簡易食堂を思わせるカフェ。目の前に広がるリュベロンの大地にはうっとり。


  最後はラコストから始点のボニューまでの5km。寄り道をしながらボチボチ進み、無事に帰還。ヘトヘトだけど気持ちがいい! そのままホテルの部屋に引き上げるのはもったいなくて、ホテルのカフェでビールと軽食を頂きました。爽快です。

■旅先で乗る自転車でこれまでとは違った発見を

  この日の走行距離は24kmくらい。滞在中はこんな調子で、自転車で他の村に行ってみたり、少し離れた朝市を覗いたり、ランチを食べに出向いたりとウロウロしました。

<写真左>中にヤギのチーズが入っているスナック。カフェのスペシャリテと聞いて頼んでみました。<中>マルシェ(朝市)に並ぶ果物。新鮮で何より安い。リュベロンがセレブな田舎だとはいえ、物価はパリに比べると驚くほど安い。<右>レストランのテラス。屋外に簡単にセットされたもの。同じプロヴァンスでも海岸沿いのリゾート地とは違って素朴です。


  このリュベロンの旅は、自転車を使ったことで村々の息づかいや自然を肌で感じることができました。まだ、cafeglobeのアオキさんたちがレポートされているようなスポーツ自転車を始めようとか、次は自分の自転車持参でリュベロンを走ろうといったところまではハマっていませんが(笑)、旅先でレンタサイクルがあればぜひ利用したいと思います。これから秋にかけては旅行シーズン、ヨーロッパにいらっしゃる方はとくに、旅先で自転車に乗ってみると、これまでとは違った発見があるかもしれません。

(取材&ライティング/安田知子
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