「世論」はどこにある?
このところ、「世論」とはなんぞや、と思うことが多くなっています。日本は民主主義国家なのだから、基本的には多数決でモノゴトが決まっていくことになっているはず。だからみんな世論を気にするし、政治家が「憲法改正は国民世論を盛り上げて……」というような発言をしているのはよく耳にします。
でも、最近は政治の決定と世論がズレズレにズレていることが多い気がします。その筆頭が、12月14日に期限が迫っているイラクへの自衛隊派遣期間の延長をどうするか。NHKが11月3〜5日に行った世論調査でも、朝日新聞が10月23〜24日に行った世論調査でも、イラク派遣延長反対は同じ63%だったとか。
先日知人に誘われて、渋谷駅でプチ世論調査を行うという試みについていきました。大きなボードの「イラク派遣延長に賛成、反対」の自分の意見のほうに、ペタリとシールを貼ってもらおうというという企画。ハチ公像の周りの人待ち顔の人たちに端からアタックしていくと、恥ずかしがって下を向いてしまう若いコや立ち去ってしまう中年女性がちらほらいるものの、8割くらいの人は青(延長賛成)や赤(延長反対)のシールに手をのばしてくれる。3時間少々聞きまわって、渋谷駅前では延長賛成が25.8%延長反対が66.2%でした。やっぱり延長反対が過半数であることは変わりはないようです。このへんが本当の世論に近い気がします。
けれど、この数日の報道を見ている限り、小泉首相は自分の一存で延長をするつもりのようです。最初は無期限で延長にしたかったようだけれど、自民党内の慎重派の声を受けてか(それともこれら世論を多少は気にしてか?)、この1週間は1年の延長になりそうだという報道が多くなっています。が、いずれにしても小泉首相は世論を無視するつもりのようです。自分と反対の意見の持ち主に対してきちんとした説明もないままに。
11月8日の『報道ステーション』に出演して話題になった石原都知事も、そこで示された世論調査のグラフを一瞥して「こんなフリップで絶対の意見にならない。どこの局が作ったか知らないけれど」と一笑に付そうとしていました。でも、同時にアメリカのイラク攻撃に日本が追従したことを「多くの日本人は支持している」と世論を味方につけようとしていることから、やっぱり世論が絶対に強いという意識はあるようです。ただあなたが言うその世論はどこにある世論?と聞いてみたくはありますが(上記NHKの調査では、“小泉総理大臣がイラク戦争を支持した政府の対応に問題がなかったという認識を示していることについて”「支持する」が33%、「支持しない」が51%)。
ただ、気をつけないと世論も万全ではないのかも。有名なところでヒットラーを選んでしまった当時のドイツ世論、近いところで小泉首相の登場に熱狂的にポスターまで買ってしまったついこの間の日本、そしてブッシュを再選してしまったアメリカ……? ついに「自衛隊が活動しているところが非戦闘地域(11月10日の党首討論)」とわけのわからないことを言い始めた小泉政権の支持率は、さてこれからどうなるか。
※世論調査とは言えないものの、我らがCafeglobeでももちろんVote!でみなさんの意見を聞きました。派遣延長反対は「世論」よりぐっと増えて78%。
●「イラクに派遣されている自衛隊は
12月14日が派遣期限。あなたは派遣延長に……?」
結果はこちらから!>
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ハチ公像の周りに座っている人に、端から老若男女問わず当たっていったので、かなり無作為に近い回答者群だったと思います。結果はイラク派遣延長に「賛成」が25.8%、「反対」が66.2%、「わからない」が8%と出ました。回答者数は198人。
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青いシール(延長に賛成)を貼った人の中にも「行っている自衛隊の人に悪いから」「反対したいけどアメリカなしでは日本は生きていけないでしょう」という消極的な賛成の意見が多かったのが印象的でした。
●イラク自衛隊の派遣期間延長スル?シナイ? 市民の手による意見投票!のサイトへ
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