昨年、パリの『アニエスベー』で開催され話題を呼んだ、フランス人女性のフォトグラファー、カリーヌ・テデスコの写真展が、今春、東京青山の『アニエスベー』と、京都伊勢丹店で開催されます。彼女の写真展が注目を集めた理由は、“お店の試着室で一般の人を撮影する”という一風変わった撮影スタイル。試着する人たちの様子を写した作品は、それぞれのキャラクターや心の動きが感じ取られると、多方面から評判になりました。

カリーヌ・テデスコの作品の一部をご紹介。「フィッティングルームの秘密」がテーマの作品。2007年に撮影されたもの。

保育園の子どもたちの世界を捉えたルポタージュ。

垂れ幕の間から顔を覗かせるという撮影方法を用いた作品。
「フィッティングルームは、女性の秘密の部分がいちばんよく見える場所ではないかと思って。自然な表情が撮れたと満足しているわ」。他にも保育園の子どもたちを撮影したルポルタージュや、街角での偶然の出会いをテーマにしたシリーズなど、斬新でありつつもどこか心温まる作品を発表しています。

「写真を撮られるのは苦手なの(笑)」というカリーヌ。恥ずかしそうにはにかんだ笑顔がとってもキュートでした。『アニエスベー』のピンクのニットもよくお似合い。photo / Nakata Hiroshi
「イマジネーションの源は、いつも“人”にあるんです。私は特別なことは何もせず、感じたことをそのまま写し撮るだけ。私にとって写真は言葉と同じで、無くてはならない表現方法のひとつなの」というカリーヌだが、実はフォトグラファーとしての勉強はほとんどしていないそう。
「写真は大好きだけれど、ほぼ独学(笑)。私の作品を気に入ってくれた人たちから、徐々に仕事の依頼が入り、今に至るというわけ。不思議な縁がつながっている、という感じですね」
『アニエスベー』との出会いもまた、自然の流れだったという。「フィッティングルームをテーマにした写真を撮っていたとき、パリの『アニエスベー』の広くて心地よい試着室に惚れこんでしまったんです。担当者に撮影させて欲しいと直談判したら、快くOKしてくれたの」。映画やアート同様、写真もこよなく愛するデザイナーのアニエスベーもまた、カリーヌの作品に感銘を受け、写真展の開催が決定したのだとか。
最後にcafeglobeユーザーへのメッセージを、とお願いすると。「写真はアーティスティックでなければならないと思われがちだけれど、そんな必要は全くないわ。私がいい例ね(笑)。全てのことにおいて“〜しなくてはダメ”という制限を設けず、自分の感性を信じて、躊躇せず信じた道を貫いて欲しい」。
固定概念に縛られず、自由な発想で撮影された作品からは、そんな彼女からのエールも感じ取れるはず。無料で鑑賞できるので、ショッピングの合間などにフラリと立ち寄ってみてはいかが? 新たな発見や気付きと出会うきっかけになるかもしれません。(ライター・板倉ミキコ)

今回が初来日というカリーヌ。「日本は、近代的な生活と伝統文化が同居している、とても驚きにあふれた国ね。またぜひ近いうちに来日したい!」photo / Nakata Hiroshi
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