更新日:2003年7月27日 RSS



健康法としても知られる“断食”だけど
どうして体にいいのか、
その理由を先生にじっくり聞いてみました。

また、自宅で簡単にできる
週末断食のやりかたも同時に紹介。
毎日の生活をより心地よくするための
処方箋として、役立つはず

聞いてみました。断食が体にいい理由

 断食って苦しそう……、と思っていたのだけど、前回紹介したように、実際の断食では体が爽快に感じるだけではなく、精神的にも深いリラックスを体験できたのはかなりの驚き。そこで大沢先生に、心身の調子を整えるためになぜ断食が効果的なのか聞いてみた。

  「野生動物が体調を崩したとき、彼らは何も食べず、じっとしているんです。生命を維持するのに欠かせない“食事”を摂ることができないという状況は、イコール体にとっての緊急事態。そんな危機の中だからこそ、体は本来持っている自然治癒力を発揮するんです。誰に教わったわけでもなく、動物はそれを知っています。断食とは、野生から離れてしまった人間が、自然の力を“思い出す”ための、一種のショック療法なんです」

  自然に還るといえば、たとえば丸一日の断食を終えてからの回復食では味覚がとても繊細になっていたのを感じたが、これも自分がより自然に近づいたから、なのかも。いつもなら、油をたくさん使った料理やスパイシーな味付けが好きだったはずなのに、薄味で煮ふくめたじゃがいも一切れに感動してしまったり。


ストレスから解放される場所づくりを
めざして借金まで!

  ここ「やすらぎの里」の前身である治療施設「フォルス」を大沢先生が始めたのは、なんと30歳のころだという。借金を背負ってでもスタートしたかった、体と心を健康にするための場所を作るに至った話を聞いてみた。

  「実家が料理屋で、20代半ばまでは食材の卸の仕事をしたり板前として働いたりと、“食”に関わる仕事に就いていました。しかしあるきっかけから、人は食事だけで完璧に健康になるわけではない、と思い鍼灸など東洋医学を学びはじめたのが20代後半。その後各地の治療院などで修行を積んでから、ライフスタイル全般を見直して健康になるというコンセプトで『フォルス』を始めました」

  大沢先生によれば、現代人の多くが自然から離れた生活を過ごしており、しかもそれはストレスに満ちたものだという。ストレスが原因で体の感覚に鈍感になってしまい、それがさらに体への負荷を高めてしまうという悪循環。断食を行うことで、この悪循環を断ち切って、鋭敏な体の感覚を取り戻すことができるという。実際に体験してみるとしみじみ納得できるのだが、シンプルすぎて普段なら食指の動かないような「しょうが湯」が、極上の味だと感じられたりするのが不思議なのだ。

  もうひとつ、忘れておきたくない断食の効果が、「脳を休ませる」ということ。つまりこれは、空腹でぼんやりして考えごとができなくなるということなのだが、思えばここまで頭をからっぽにすることができる機会なんて、日常生活では皆無に近い。休みなく働きつづける脳を強制的にリセットするシステムが、断食なのだ。

  今まできちんと考えてみる機会がほとんどなかった“食”に、正面から向き合った3日間の断食で見えてきたのは、自分にとって大切なものはほんとうにシンプル、ということ。そしてシンプルということは、とても心地よく、逆説的だけど実に豊かなものだったり、したのだった。

聞いてみました!
自宅でできる簡単半日断食

  休日にできる半日断食について、先生に聞いてみた。ポイントは、“回復食”のコントロール。ふだん忙しさにまぎれて2食程度抜いたことのある人は多いかもしれないけれど、その後の食事でカロリーを摂りすぎてしまえばむしろ逆効果に。そこで先生おすすめなのが、レトルトパックのおかゆ。コンビニでも売っているこれを事前に準備しておけば、リバウンドで食べ過ぎてしまう、などということも防げるはず。それに、前日の夜急に思い立ったという場合でも簡単に用意できるのが嬉しい。でもこの半日断食も、あまり頻繁にやってはいけないという。多くて月に1回程度にすべきだとか。やはり毎日の食生活に心を配ることが、最高の食養生なのだろう。


●事前に準備するもの
・市販の野菜ジュース(200MLのもの) 2パック
・レトルトパックの玄米かゆ
・うめぼし
・とうふ半丁
・みそ汁の材料(みそ、だし、じゃがいも1こ)

●半日断食の流れ
朝食:野菜ジュース1パック。お茶や水は自由
昼食:野菜ジュース1パック。お茶や水は自由
夕食:おかゆ、梅干、冷奴、みそ汁の回復食を摂る
(18:30ごろ)
就寝:いつもより早めに寝る
(次の日の食事も軽めに)

●断食を成功させるための5つのポイント
1・食後30分は食卓を離れ、食事の誘惑から身を守る
2・散歩やストレッチで気分を紛らわせる
3・お風呂に入ってリラックスする。湯のぼせしないよう入浴は手早く
4・レトルト食品などを活用し、自分で調理しない
(作りすぎを防ぐため)
5・早めに眠って休養する


これで毎日極上の睡眠を!

  自宅で毎日やりたいストレッチはこの4つ。現代人の生活は、体を使わず脳ばかり酷使するアンバランスなもの。短時間のストレッチでも、心と体のバランスをとるためにはとても効果的だとか。この4つのポーズすべてをゆっくりやっても10分程度と、気軽に試すことができる。おすすめの時間は就寝直前。心地よい睡眠のための毎日の習慣にしたい。

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足の裏を合わせて前屈
生殖機能の働きを強めるため、生理痛に効果的。また若返りの効果も。
足を揃えて伸ばし
前屈

膝の裏の筋を伸ばす。
腰痛に効果が。
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開脚して前屈
腎臓の働きを強める。
体側伸ばし
右側:肝臓の働きを強める。
左側:胃の働きを強める。
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text / Wada Kyo(Cafeglobe.com)
photos / Cafeglobe.com
Design / Suzuki Yumi(Cafeglobe.com)



 あまりにも平和な3日間はあっという間に過ぎ、最終日の面談に臨む。二人とも、初日の検査(体重や血圧、体脂肪、自律神経機能)と同じチェックを受ける。嬉しいことに自律神経の働きは二人とも全体的にアップ。あとは先生から、今後の食事や毎日の生活に関する丁寧なアドバイスをもらった。たった2泊3日といっても、かなり体調が改善されたのは大きな驚き。この体調をキープしなければ!


DATA ヤマギシ:


体重

マイナス0.5キロ
体脂肪 マイナス1%
【感想】
1泊目で見た夢は、なんとデパ地下で焼き鳥の試食をしている、というもの! しかもお店の名前がなぜか「あぶら屋」……。断食中はわたしだけおなかが鳴りまくり。あと、2日目は断食反応の頭痛が発生。さらに生理痛も重なり辛かった。


DATA ワダ:


体重

マイナス1.5キロ
体脂肪 マイナス3%
【感想】
断食反応といって、気持ちが悪くなったりする人もいるらしいけど、自分はただひたすら眠いだけだった。でも頭の中は食事のことでいっぱい。確かにこれは、脳を休めてるかも。だって何も考えられなくなるから!



体験を終えて約1ヶ月。
毎日の食事はどう変わったの?

ヤマギシ(以下Y):その後、かなり食生活が改善されたよね。断食体験から約1ヶ月経つけど、その影響力はかなりすごい。

ワダ(以下W):実は自分でごはんを炊くのは数年ぶりだったりしたんだけど……。でもちゃんとごはん&おみそ汁という和食の基本は続いてるね。

Y:うん。あと、じゃがいものおいしさに目覚めたのも断食のおかげだよね。

W:そうそう。自分でおみそ汁を作るときも、じゃがいもが欠かせなくなっちゃって。

Y:最近、今まで買ったことがなかった野菜をよく買うようになったよ。長いもなんかも、実は便利な食材だってことに気が付いた。

W:ホントに〜。10年以上自分で料理してきてたけど、「やすらぎの里」で野菜のおいしさに目覚めなければ、きんぴらごぼうなんて絶対に作らなかった。

Y:この1ヶ月、“はじめて”ってことがたくさんあったよね。

W:毎日がエキサイティングで楽しくて。「今日は何を作ろうかな?」ってワクワクしながら目が覚めるんだもん。

Y:この調子で続けようね、ナチュラルごはん




大沢先生
伊豆高原にある「湯治・食養・東洋医学 やすらぎの里」代表。20代前半で長期間海外に滞在。帰国後料理の道に進むが、次第に自然食に目覚め鍼灸を学ぶ。全国の治療院などで経験を積んだのち現在の施設をオープン。

●伊豆高原 浮山温泉郷 
やすらぎの里

〒413-0232 静岡県伊東市八幡野1741-49

Tel:0557-55-2660
Fax:0557-55-2661
E-mail:izu@y-sato.com
サイト:http://www.y-sato.com/
料金:
一週間コース(6泊7日)相部屋72,000円、個室100,000円
フリープランコース(1泊からOK。料金は1泊分)相部屋14,000円、個室18,000円


大沢先生の本はこちら

週末1日断食のススメ
\819(税別)
自宅でできる週末断食について分かりやすく説明している。体験談も豊富。
森の中は診療所
山と渓谷社刊
\1,500(税別)
伊豆にある現在の「やすらぎの里」ができる前、八ヶ岳にあった診療所での生活をつづったもの。写真も美しい。



Vol.1 意外!? おいしくて気持ちよかった断食>>