更新日:2005年9月1日 RSS

   
ボディメンテナンスはオンナの必須項目

今すぐ婦人科に行くべき6つの理由

vol.6 へえーっ、漢方もアリなんだ 女性のカラダと好相性な理由
ホルモンバランスの変化やストレスで、日々揺らぎ続ける私たちのカラダ。「コレって病気?」なレベルの悩みも多いけど、ホリスティックな視点で診断する漢方の考え方が、解決の糸口になる場合も。手間や時間がかかるイメージの漢方薬。実は即効性の高い薬もあるんです。


 子宮がギュッと縮まることで起こる月経痛や、ホルモンの影響によるPMSは、ある意味体が正しく機能しているからこそ起こる症状。月経にまつわるこうしたトラブル、検査では「異常なし」と言われてしまうかと思うと、なんだか病院に行くのも億劫。そんなときは、漢方専門医のいるクリニックを訪ねてみては? 

 漢方のことは、薬局に相談するものというイメージがあるけど、婦人科ではよく使われる治療法のひとつ。女性専門に漢方診療を行っている渡邉賀子先生は、「婦人科では9割を超える先生方が漢方薬を使っていらっしゃいます。原因の分からない月経不順や冷えなどのほか、卵巣の機能が低下しているけど、ホルモン剤の副作用がつらくて飲めないという場合や、胃が弱くて鎮痛剤が飲めないという人の補助的治療としてもよく使われます」。

 

漢方の診察で、検査じゃ出ない変化を診る

 体全体のバランスを診るという漢方の考え方は、実は女性特有のトラブルに効果大。私たちの体は、月経周期を左右するホルモンの作用で大きく変化するし、ホルモンの分泌は自律神経と連動していて、ストレスや疲労などの影響も受けやすい。そうした微妙な変化は、臓器や細胞の異常をチェックする西洋医学的な検査では、捉えきれないことも多いのだ。

 実際、渡邉先生は内科専門医だが、クリニックに通う患者さんには月経トラブルを抱えた人も多い。特に月経痛やPMSは、患者さんに多い訴えの上位5位以内に確実に入るものだとか。「婦人科でのチェックで異常がない場合も、漢方では当帰芍薬散、桂枝ブクリョウ丸、温経湯など使える薬があります。冷えや便秘、肩こりなど、月経以外の症状を聞いて、脈や舌、お腹の張り具合など、漢方独特の診断を行ったうえで、その人に合った漢方を処方するんです」。

 

痛みにすぐ効く、鎮痛剤と併用できる薬も

 漢方は、長期間続けて飲まないと効かないと思われがちだが「頓服薬」といって飲んですぐ効き目が実感できる処方もある。「胃薬に使われることが多い安中散などは月経痛にも効果があるし、排卵後から飲み始める芍薬甘草湯も次の月経をラクにしてくれます」。こうした漢方は、体質を改善する漢方と飲み合わせることもできるし、いわゆる鎮痛剤と併用して、鎮痛剤の量を減らしていくという使い方もできる。

 「また、本人の自覚がなくても、脈やお腹の状態を診ると驚くほど変化が現われている場合もあります。そのときは、理由を説明して、もう少し同じ薬を続けてもらいます。逆に、症状は良くなったけど、尿や血液検査で肝臓などに負担になっていることが分かる場合は薬を変えます。漢方だからといって、副作用がないとは限らないので、定期的なチェックは欠かせません」。漢方を薬局などで購入しセルフケアに使うときは、医療機関でのチェックも合わせて行うほうが安心かも。

 個別の臓器ではなく、体全体を診る漢方は、どの診療科目で診てもらえばいいのかわからない悩みにも大きな味方。とりあえずの受診が、信頼できる婦人科を知るきっかけになる可能性も高い。まだまだ婦人科の敷居は高いと感じるなら、漢方外来や漢方専門医のいる内科を利用してみよう。

 

麻布ミューズクリニック
http://www.muse-kampo.com
東京都港区麻布十番区2-18-2
ビアンブラーセ1F
tel. 03-5441-1234
麻布ミューズクリニック院長
渡邉賀子先生

1997年に北里研究所で日本初の「冷え症外来」を開いたのち、2004年9月にこのクリニックを開設。ほかに、慶応義塾大学漢方クリニックの女性専門外来「漢方女性抗加齢外来」も担当している。「婦人科の病気が疑われるときは、提携する医療機関を紹介して検査を受けてもらっています。若い女性では、ダイエットが引き金になってトラブルを抱えている人が多いのが気になりますね」
vol.1 未来の私のためにできることは?セルフチェックでカラダを知ろう vol.2 美肌も、アンチエイジングもどーんと婦人科におまかせ vol.3 “内診”の壁はエベレストより高し、なんて言ってらんない
vol.4 “内膜症”&“筋腫”も怖くない!? 治療最前線に迫る! vol.5 「オトコのお医者さんに診てもらうってどう?」 vol.6 へえーっ、漢方もアリなんだ 女性のカラダと好相性な理由

text/Kikui Tomoko
illustration/Kawahara Yukiko
design/Kadoike Mika