更新日:2004年8月31日 RSS


人生最大(!?)の買いものなのに、
失敗したと嘆く人が多い「不動産」。
その原因って? 購入前に押さえておくべきことって?
池田早和子さんを講師として迎え、
不動産ビギナーA子と一緒に、「不動産」選びを
基本の“き“から学んでいく連載がスタート!(隔週火曜更新)



A子 ポストにはマンションの不動産のチラシが次々に入るし、「買った!」という友人も現れて、最近とみに“買いどき”って言葉が気になるようになりました。

池田さん(以下池田)
  すでに購入を決めている方からも“買いどき”について、質問されることが多いです。皆さん、かなり気になるようですね。

A子 そもそも、なにを根拠に判断するものなんですか?

池田 “買いどき”には、社会情勢からみた“市場的買いどき”と、その人ごとのライフステージからみた “個人的買いどき”という2つの要素があるんです。“市場的買いどき”を判断する指標となるのが、土地の価格」(注1)と、住宅金融公庫や銀行のローン金利」(注2)。この2つの数字の推移をみて、両方とも低くなったときが、いわゆる“市場的買いどき”。でも今はこだわる必要、あまりないんですよ。

A子 え? それはまた、どうして?

池田 国土交通省が毎年1月1日に発表する住宅地の公示価格(注1グラフ)の下がり方は、1996年からゆるやかになってきています。それから住宅金融公庫(注3)のローン金利は、平成10年から2〜3%の間でずっと安定しているんですね。バブル期の前後は、1年で1坪あたりの土地の値段が100万円単位で変わっていた場所もあったので、“市場的買いどき”を見極めることに意味がありました。でも今の状況から判断する限り、今月買おうが、2、3年後に買おうが、たいした差は出ないということなんです。


A子 たいした差がないなんて!! なんだか1日も早く買わないと損になると思ってたんです。賃貸も分譲も、住んだ年数の費用を合計したらそう変わらない、という話もよく聞くし……。

池田 費用だけの比較なら、確かにそう。それに日本の場合、初めから賃貸用として作られた建物と、分譲用として作られた建物では、構造や設備面で大きな差があるんです。月々支払う金額が同じなら、購入した方が、今より広い部屋になったり、音漏れを気にしないで暮らせたりなど、より心地いいゆとりのある暮らしができる可能性が高いのも事実です。

A子 へぇ〜、構造や設備面でもそんなに違いがあるんですね。それを聞くと、やっぱり今のうちに買っちゃったほうがいいの!? と思ってしまいますが。

池田 金額が大きいだけに、少しでも安く手に入ようとしてしまいがちですけど、“市場的買いどき”だからと購入を急いだりするほうが、よっぽど損。それよりも、長い目で自分のライフプランを考えた上で、いま購入すべきタイミングなのかという“個人的買いどき”をしっかり見極めたほうがいいといえます。
 
講師 池田早知子さん
NPO法人 
日本住宅スタイル研究機構
「リビングスタイルカウンシル」代表
不動産カウンセラー
池田さんが登場した
「キャリアインタビュー」はこちら
NPO法人「リビングスタイルカウンシル」のサイトはこちらから
【最新セミナー情報】
9月11日(土)に、池田さんが講師を務めるセミナー「住まいとお金の賢いプランニング講座」が開催されます。
詳しい内容はこちらから

受講生 A子
同い年の友人カップルがマンションを購入したのをきっかけに、不動産購入を考え始めた28歳、独身。現在の住まいは、東京の某私鉄沿線、多摩川の向こう側。最寄駅から10分の1LDK。



注1 土地の価格
国土交通省が毎年1月1日に発表する「公示価格」のこと。ただしコレ、実際に取引される値段「実勢価格」とは異なる。あくまで推移の参考になる数字。
「公示価格」の推移のグラフはこちら

注2 ローン金利

住宅購入に限った融資、いわゆる「住宅ローン」の金利のこと。大きく分けて、住宅金融公庫などが行う公的なものと、銀行などの民間ローンの2種類あり、金利はそれぞれ違う。

注3 住宅金融公庫
公的な住宅ローンの代表。長期借り入れができ、しかも利率が低いことなどから、多くの人が利用する政府の金融機関。毎月半ばに融資の募集が行われ、申込時によって金利が違ってくる。廃止が取りざたされているが、平成18年度末までに組織を改め、独立行政法人に替えて再スタートしようという計画。新規の融資がストップするわけではない。
「公庫金利」動向のグラフはこちら

でも実際、不動産で失敗したっていう話、まわりでよく聞くけれども……。
次回は不動産購入で陥りがちな失敗の原因に迫ります!

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松木修一さん、智代さん
(メーカー勤務&市場調査会社勤務、
ふたりとも34歳)
6年前に新築マンション(1階庭付き、72平方メートルの3LDK)を購入。ふたりの勤務先(夫・埼玉、妻・中野)の間をとって北区で探していたところ偶然出合い、即購入を決めたそう。
  家賃よりも月々の支払いが安く、理想的な条件だったから
  48uの庭。リビングの天井が高い(3メートル強!)。収納がたくさんある
  ふたりとも地方出身なので、将来賃貸に出す可能性大。それもあってJRと地下鉄の2駅を利用できる今のマンションに決めました。

1 天井が高いリビング
2 自慢の庭
3 購入を機に取り寄せたもの。なぜキジが!?
4 カップの大きさ=ふたりの体重差

text / Kikui Tomoko
illustration / Matsubara Shiho
design / Cafeglobe.com