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25歳で単身NYへ。夢だった舞台女優の道を歩みつつ、居心地のよい生活を求めて日々工夫をこらす渡辺葉さんが見つけた、チープだけど贅沢、チープだけどオシャレな快適生活のヒミツ
文・写真/渡辺 葉
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ピクニック上手のニューヨーカーみたいに
簡単にお弁当作って、パッと野外に飛び出そう!
額や腕に降り注ぐ太陽の「ポカポカ」に、夏の「チリチリ」熱い気配がちょっぴり潜んでる――そんな季節になりました。ビーチに繰り出すにはまだちょっと早いけれど、眩しい陽射しに誘われてついつい外に出たくなる。そんな日は、絶好のピクニック日和!
ニューヨーカーは、とってもピクニック上手だ。夏は特に、セントラルパークはじめリンカーンセンター(*1)やブライアントパーク(*2)などいろいろな公園や施設で野外無料コンサートが開かれる。そんなときは、特に気張ってお弁当を作らなくても、おいしいパンとチーズ、オリーブにワインを買って、気軽に草上の食卓を演出してしまったりする。だってテーブルなしの食卓でとる食事は、空気も眺めもごちそうだもんね。
しかし「お弁当」にはなんともいえない響き、なんともいえない楽しさがある。……というわけで今回は、簡単にできて面白おいしい葉的紐育風ピクニック料理をご紹介しましょう。本日のメニューは――
★熱くても冷たくてもおいしい「ズッキーニパイ」
★「ナスのミートボール風」を挟んだサンドウィッチ
★「トマトとフェタチーズの地中海風サラダ」
最初のふたつは、J・ルカ君のおばあちゃまから教わったレシピです。イタリア系アメリカ人らしく、地中海風の献立にアメリカ風の材料を使っているところが面白い。お供にはほどよく冷えたさっぱり系白ワインや軽めのビール、アイスティーやアイスコーヒーも合うです。気楽な家庭料理なので、分量はあくまで目安。冷蔵庫に残ったチーズや余ったパンなどの量によって、適当に加減してね。
「ズッキーニパイ」――21cmくらいのパイ皿ひとつ分。パイというよりはフリッタータみたいな感じ。
〔材料〕
・ビスキック(*3) 1/2カップ
・卵 2個
・タマネギのみじん切り 1/4個分
・パセリのみじん切り 大さじ2くらい
・オレガノ(生)のみじん切り 大さじ2くらい (なければドライ 小さじ1/2)
・ニンニクのみじん切り 1片分
・おろしパルミジャーノチーズ 1/2カップ
・おろしチェダーチーズ(あるいは角切り) 1/4カップ
・サラダ油 大さじ2
・ズッキーニ 1本
〔作り方〕
1.ズッキーニ以外の材料をボウルに入れて、混ぜておく。
2.ズッキーニは5mm厚さの輪切りに。だいたい1・4量を残して、すべて1の生地に加えてざっと混ぜる。
3.油を塗ったパイ皿に生地を入れ、平らにならしてから残りのズッキーニを飾る。
4.180℃に熱したオーブンで25〜45分くらい焼く。表面がキツネ色になったら竹串をさして、スッときれいに抜けたら出来上がり。
「ナスのミートボール風」――菜食主義者じゃなくても、あえてナスだけで作りたくなる「ミートボール」。冷めてもおいしいよ〜。
〔材料〕
・ナス 3〜4本 (米ナスなら大きめのを1本)
・卵 1個
・ニンニクのみじん切り 1片分
・パセリのみじん切り 大さじ2くらい
・パン粉(*4) 1/2〜1カップ (生地の硬さによって調節する)
・おろしチーズ(*5) 1/2カップ分
・オレガノ(生)のみじん切り(*6) 大さじ1くらい (ドライなら小さじ1/2)
・塩 小さじ1/2
・コショウ 適宜
〔作り方〕
1.ナスはさっと洗って、200℃に熱したオーブンで皮ごと焼く。ガスレンジに網を置いて、直火焼きにしてもいい。皮が焦げてプーッと膨れたら出し、皿に取ってボウルを逆さにかぶせて蒸す。適当に冷めたら、皮をむく。面白いようにツルンとむける。ボウルにとって、フォークでざっとつぶしておく。
2.残りの材料を1のナスに合わせて混ぜる。パン粉の量を調節して、丸めてもペチャッとつぶれないくらいの硬さにし、肉団子みたいに丸める。
※前夜に生地を作っておき、冷蔵庫に入れておくと形作りやすい。こうして準備しておけば、翌日は火を通すだけ。揚げてもよし、オーブンで焼いてもよしなのだ。
3−1.揚げバージョン――高めに熱した油でこんがり揚げる。また、こうして揚げておいたものを、トマトソースで煮込んでもおいしい。
3−2.焼きパージョン――軽く油を塗ったオーブン皿に並べて200℃で15〜20分くらい焼く。
出来上がった「ミートボール」は、食べるときにパン(*7)に挟んで、ニンニクをつぶしてマヨネーズとまぜた即席アイヨリ(*8)や、タバスコなどのチリペッパーソースをかけよう。トマトサラダを一緒に挟んでもおいしい。
「トマトとフェタチーズ(*9)のサラダ」
〔材料〕
・フェタチーズ 豆腐1/2丁分くらい
・イタリアンパセリ(*10) 1束
・オリーブオイル 適宜
・グリーンペッパー(なければブラック) 適宜
・トマト 小さめを2〜3個
・ワインビネガー 適宜
・バルサミコビネガー 少々
・塩・コショウ 適宜
〔作り方〕
1.フェタチーズは角切りにする。イタリアンパセリは葉っぱのところだけをつまんで、フェタチーズに混ぜ、オリーブオイルに漬ける。グリーンペッパーも、つぶして一緒に漬ける。
※こんなに入れていいのかなーと思うくらいパセリが多くていいのだ。これ、冷蔵庫に入れておけば1週間はもつ。
2.熟してプーンと夏の匂いのするトマトは、縦半分に切ってから薄切りに。そこに1のフェタチーズを、手でほぐしながら加える。漬けておいたパセリも一緒に入れる。
3.ワインビネガー、バルサミコビネガー、塩、コショウで味を調える。

私が子どもの頃、弟とふたりでときどき“ベランダピクニック”をした。なんのことはない、いつものおかずをベランダに持っていて食べるだけ。でも、そうやってちょっと場所を変えて、テーブルなしの食卓で食べるだけでも大ごちそうだったのだ。
公園や森に行ければもちろん素敵だけど、“おうちピクニック”もなかなかおつなもの。あなただけの草上の食卓を楽しんでみませんか?
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*1
ブロードウェイと63丁目が交わる辺りにある、芸術センター。メトロポリタンオペラ、ニューヨークシティオペラ、ニューヨークシティバレエなどのホームグラウンド。音楽、ダンス、演劇などで有名なジュリアード学院もこの隣にある。また、パフォーミングアーツ専門の図書館もある。
*2
5番街と42丁目の角にある、ニューヨーク市立総合図書館の裏の公園。夏にはちょっとした野外カクテルバーや、インディペンデント映画祭も行われる。

*3
「Bisquik」という、ビスケット用にミックスされた粉。日本でも輸入食品店などで売っている。なければ、薄力粉1/2カップに、ベーキングパウダーとベーキングソーダ、塩各小さじ1/2、砂糖大さじ1を混ぜる。

*4
私は出来合いのパン粉よりも、手持ちのパンをほぐして使う。この間はゴマとフェンネル、ポピーシードのついたバゲットを使った。種がプチプチしておいしかった。フランスパンでも食パンでも、甘味が少なければブリオッシュでも良し。パンによって違う味わいになるので、好きなパンを見つけてね。
*5
パルミジャーノでもフォンティナでも、牛のミルクで作ったハードチーズタイプならなんでもOK。エメンタールのようにほんのり甘いタイプよりは、ちょっぴりシャープな方が合うかも。
*6
オレガノが手元になくて、生のバジルを刻んで入れたことがある。バジルの甘い芳香が、ピリッとスパイシーなオレガノとはまたちがったマイルドな風味をかもし出して、なかなかでした。

*7
イタリア風のカントリーブレッドでもいいし、バゲット、ピタパンなども合う。
*8
南仏名物のソース。卵黄と油を攪拌して酢で調味し、にんにくをすりつぶしたものを入れて作る。ゆで野菜やゆでたタラ、ゆで卵などにつけて食べる。ここでは簡単に、ニンニクをガーリックプレスでつぶしてマヨネーズと混ぜ、小瓶に入れて持っていった。
*9
羊あるいは山羊のミルクで作った、ギリシャのチーズ。見た目は木綿豆腐みたいだけど、けっこう硬い。塩水や油に漬けたものを売っている。手でほぐすとモロモロくずれる。ちょっとしょっぱくて、味わい深い。牛乳から作った、アメリカ製のものもある。フェタチーズがなければ、生モツァレラチーズでもおいしい。味や食感は変わるけれど、よりイタリア風になるです。
*10
葉っぱが平らなのが特徴。なければ普通のパセリでもいい。その場合は、軽く刻んでおく。 |
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