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平成12年、上野の森に日本初の国立の児童書専門図書館として誕生したのが「国際こども図書館」です。建物は築100年。最初は帝国図書館として建設され、次に国会図書館上野支部になり、平成10年まで使用されていました。
改築の指揮をとったのは安藤忠雄氏。明治時代の煉瓦造りの外壁をそのまま残すために、建物を全面的に巨大ガラスで覆うという前代未聞の離れ業がなされました。
今回はこの建物を「内覧」しました。 
内部を見学させてもらうと、随所にガラスが使われていることが分かります。大階段の鋳鉄製の手すりにも、内側に少し高さがあるガラス部分が設置されて、子どもたちの安全が図られています。触ってみるとガラスとはいえ冷たくはなく、建物を傷つけずにすっぽり装着するような取り外し可能な形で取り付けられています。
ガラスがあることによってモダンな雰囲気と重厚な歴史とがミックスされて、より広がりのある空間になっていました。日常生活の中で、狭い空間もガラスを使うことによってより広く開放的に使用することができるのだなと思いました。ガラスの角はどこも微妙に丸く、子どもたちが走り回って頭を打っても、大きな怪我をすることもないでしょう。あくまで「建物は使われてなんぼ」という視点ですね。
煉瓦は、上へ上へ積み上げられているわけだから、建物の「耐震安全性」は非常に気になるところ。それについてのリノベーションに触れましょう。なんと、もともとあった建物を地盤面から切り離して、そこに免震のための装置を入れてあるそうです。もし地震が起こっても揺れは3分の1から5分の1。「免震レトロフィット工法」とよばれる手法です。歴史のある古い建物を未来に残すための模索の道がここにあります。
何世代も先の子どもたちは、この図書館をどんなふうに見るのでしょう。想像するだけでも楽しくなります。
見学にアテンドしてくださった方の建物に対する深い愛情や、愛されて、手をかけられて、使われている建物自体が「穏やかな横顔」を携えているのが印象的でした。
ほかにもいっぱい素敵なところがあります。吹き抜け空間を回る大きな階段、ドアの開閉部分に刻まれた洒落た文句(実際に行って確かめてみてくださいね)、蝶番が軋む音もレトロでいい。3階に新設されたガラスのラウンジの内壁として使われている、創建時の外壁も、床のモダンな楢材とのコントラストが素敵でした。
「大きな建物絵本」の1ページに迷い込んだら、夢中で探検する子どもになれる、そんな感じです。 みなさんも上野の森に行かれたら、ぜひ散歩がてら建物散策してきてください。おすすめです!
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