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更新日:2005年3月30日 RSS


渡辺葉のポートランド通信


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【レモンソルべの作り方】
1.ボウルにレモンシロップ大さじ5を入れ、レモン1個分の汁を加えて混ぜる。このままだとちょっと濃いので、水(*2)大さじ3〜5を、味を見ながら加えて混ぜる。ボウルごと冷凍庫に入れる。
2.2〜3時間後に取り出して、フォークでざくざく混ぜて空気を入れ、ふたたび冷凍庫に入れる。ソルベよりちょっと粒子の粗いグラニテに仕上げたかったら、これで完成。舌になめらかなソルベにしたかったら、あと2、3回取り出しては混ぜて空気を含ませる。
3.手塩にかけたレモンソルベをひとすくいグラスに入れ、プロセッコを注いでみる。しゅわしゅわと泡立ち、喉ごし爽やかなカクテルのできあがり。

 それにしても、スグロッピーネってどういう意味だろう? パスタに「耳(オレキエッテ)」とか「小さいミミズちゃん(バーミチェリ)」なんて名前をつけてしまう素敵にくだけた言語感覚を持つイタリア人のことだから、さぞかしびっくりさせてくれるに違いない。

 ……とわくわくしながら前述のローマッ子に聞いてみたら、「意味なんてないよ。ただの名前」とのことでした。ま、いいや。私は勝手に「初夏に向けて駆ける足」と“翻訳”しちゃおうっと。みなさんもスグロッピーネを味わいつつ、好みで“翻訳”してみてください。

 さて、レモンシロップを眺めていたらふと思いついた。これで、サバランを作ってみたらどうだろう?
 子どもの頃、最寄り駅の前に洋菓子店があって、母が仕事帰りなどにときどきここのケーキを買ってきてくれた。ショートケーキもモンブランもプリンもみんなおいしかったのだが、私はなぜかサバランにいたく惹かれていた。少量とはいえラム酒が入っているので小さいころには食べさせてもらえなかったのだが、小学校中学年くらいになったら私にもサバラン解禁が訪れた。ケーキの箱を母が持ち帰るたび、サバランが入っていますようにーーと密かに祈ったものだった。ケーキにシロップをしみこませた、あのじゅわっとした食感がたまらないのだ。

 でも、大人になってみると、あのサバランはすごーく甘かった気がする。子どもの頃は「おいしい、おいしい」と食べていたのだけれど、今になってみると、思い出すだけでシロップの甘みが歯にしみて、うわー、あつー、と疑似歯痛に襲われてしまうくらいだ。

 それならば、このレモンシロップを使って、甘みを押さえた大人のサバランを作ってみようではありませんか! 作り方は、これまた簡単。

【レモン風味のサバランの作り方】
1.レモンシロップにラム酒を加える。割合は2:1くらい。お酒に弱いなら4:1にしてもいいし、かなり辛党なら1:1にしてもいい。ここにレモン汁を小さじ1/2〜1ほど加えて味をみて、好みに加減する。
2.ブリオッシュを縦半分に切り、すっぽり入る大きさの鉢に入れる。この上からスプーンでレモンシロップ+ラムをかける。まんべんなく水分がしみ込むように、たっぷりめにかけるのがコツ。ボウルの下にシロップが少々溜まるくらいかけて染み込ませておく。
3.ブリオッシュがシロップを吸ってしっとりふくらんでいる間に、チーズクリームを作る。フロマージュブラン(*3)とサワークリームを半カップずつ合わせ、風味づけにはちみつ小さじ1〜2を入れて混ぜ、レモン汁を少々(小さじ1/2〜1)加えてゆるめる。
4.ブリオッシュの半分を皿に取り、チーズクリームをたっぷりのせ、もう半分のブリオッシュをのせてはさむ。レモンを半月切りにしたものか、あればミントの葉などを飾る

 バリエーションとしては、ブリオッシュを半分に切るかわりに上の“おへそ”みたいな部分を取って、下の“本体”の中身を少々ほじくって空洞にし、そこにクリームを詰めてもいい。この場合、“おへそ”にもシロップをしみこませておくこと。“本体”をほじくった中身は、こっそり食べちゃってもいいし、細かくほぐしてチーズクリームに混ぜてもいいかもしれない。

 ポートランドに来て、そろそろ1年になる。この地に来ていちばん嬉しかったのは、木や草や鳥たちとずっと近くで暮らせるということ。通りを彩る樹々の梢がふんわり色づき、若葉が開くのを眺めつつ、レモンの香りのカクテルを味わっちゃおう……というのが今シーズンの私的流行なのであります。みなさんも甘酸っぱいレモンの香りを堪能しつつ、春の訪れを楽しんでくださいね!





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葉的カクテルの真骨頂!? 「ムーンドロップ」を片手に読みたいのは……こんな本!>>
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仔牛がかわいいフロマージュ……
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甘みを控えたチーズクリームに……
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春から初夏に代わる空……
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葉的ふら〜り・くつろぎスポットガイド

【1 】 WHOLE FOODS MARKET



*2
私はたまたま手元にあった中国の白茶を混ぜてみたところ、少し風味が丸くなってなかなかよかった。薄めにいれたアールグレイ紅茶などを使っても面白いかも?

*3
牛乳から作る、フランス産の柔らかいフレッシュチーズ。代わりにイタリアのリコッタチーズやマスカルポーネを使ってもいいし(リコッタチーズは脂肪分が少なめなのでさっぱり、マスカルポーネは脂肪分が高いのでこっくり仕上がる)、裏ごししたカッテージチーズと室温にしたクリームチーズを半々に合わせて使ってもいい。乳製品を控えている人は、絹ごし豆腐を水切りして試してみてはいかが?
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渡辺葉のニューヨーク ふだり暮らしエッセイ
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Profile
エッセイスト・翻訳家 渡辺 葉

ニューヨーク生活を経て、'04年春からオレゴン州ポートランドに移住。Cafeglobeでの人気連載2シリーズは『ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活』『ニューヨークで見つけた気持ちのいい「ふたり生活」』として単行本化されている。


text & photos / Watanabe Yo
design / Takeue Tomoko