更新日:2005年4月13日 RSS


渡辺葉のポートランド通信

文・写真/渡辺 葉



3月 その1

緑が芽吹き始める季節
私もこうやって“ふれあい”を楽しみます


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 ポートランド名物、春の長雨がようやく上がって、朝の光がまぶしい季節になってきました。私が目を覚ます頃、猫たちはもうとっくに起きていて、ちょうど光の当たる場所を見つけてひなたぼっこをしている。顔を洗って猫たちにあいさつし、鉢植えの植物一族を見て回るのがこのごろの朝の日課であります。

 ニューヨークにいた頃は、窓を開けるとビルがすぐそこ、な1階の部屋という直射日光にほとんど恵まれない部屋で、それでもがんばって日陰でも大丈夫そうな植物を育てていた。いま住んでいるアパートは南東に面した角部屋で、5階建ての最上階。午前中から昼過ぎにかけて、光がふんだんに入る。テラスもついているので、いままで抑えてきたわが“植物熱”(?)もすっかり燃え上がり、あれこれせっせと植えているのだ。
 いまわが家でいちばん古参の植物は、アスパラガスシダ(*1)とポドカルパス・イレイタス(*2)の苗木。ポートランドに来て最初に迎え入れた“家族”なので、熱烈歓迎の意を表そうとニックネームをつけてみた。アスパラガスシダはモージィ、ポドカルパスはポージィ。ニックネームの由来は特になくて「なんとなく、音的に似合っている気がした」というだけなのだけれど、「アスパラガスシダよ、今日は元気かい?」とか「ハロー、ポドカルパス・イレイタス!」というよりも、「モージィ、ポージィ、おはよう!」の方が言いやすいのは間違いない。手のひらに乗るような小さな鉢からスタートした彼らは、1年の間にスクスクと育ち、現在モージィはバケツ大、ポージィはどんぶり大の鉢で葉を広げている。

 入居したときはガランとしていたテラスにも、着々と植物を迎え入れているところだ。いまテラスにいる“住人”は、桑の木とブルーベリー、イチジク、オリーブ。どれも実が食べられる、というあたりに私のひそかな狙いが見え隠れしているのであった。

 みんな苗木だけれど、やってきたときは裸の枝みたいだった桑やイチジクは柔らかい緑の葉を茂らせているし、オリーブなどはチビのくせに枝をのばし、いっぱしの木の形をしている。地中海からは遠く離れているけれど、がんばってくれよーと応援したくなる健勝ぶりだ。このごろ夫のJ・ルカが勉強中の“パーマカルチャー”の集まりでもらった、この地域に自生するGeum(*3)も、小さく可憐な黄色い花を咲かせている。
 ところで“パーマカルチャー”という言葉から、私たち日本人は思わず……(次ページへ



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“パーマカルチャー”とは何? ひょんなことから金時豆を発芽させたらどうなった……?>>
ポートランド

くつろぎスポットガイド

【2 】 Beyond Juice

 搾りたてジュース&スムージーのお店「Beyond Juice」。メニューには、イチゴとブルーベリー、バナナ、パパイヤ・ネクター、ライム、はちみつとバニラアイスクリームがとろ〜りおいしくブレンドされた“Very Berry Berry"など、おいしくって身体によいものが詰まった14種類のスムージー。その他、 その場で作ってくれるジュース(オレンジ+キャロット+セロリ、など好みでブレンドできる)、手作りのワッフルなどもある。野菜たっぷりのサンドイッチは、オーナー秘伝のポテトサラダとピクルス、それにクッキーつき。スムージーを頼むともれなく手作りポピーシードケーキがついてくるあたりも、気遣いの細やかさに身悶えしてしまうくらい素晴らしいお店なのです。ポートランドに来たら一度は寄ってみてね!

Beyond Juice
716 NW 21st Ave. (Irving St.とJohnson St.の間)

ふわふわ羽のようなモージィと……
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ただの枝みたいだった桑の木……
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*1
野菜のアスパラガスに似た、ふわふわした羽根のような葉を広げることからついた名前らしい。

*2
ずーっと「卓上観葉植物」と思っていたのだが、この原稿を書くにあたって調べてみたところ実はオーストラリア原産の高木で、成長するとなんと30メートルくらいになるらしい。和名はイヌマキだそうです。

*3
Geumの和名はわが辞書には載っていなかったのだけれど、大きくまとめると“ダイコンソウ”の一種だそうです。関東の空き地なんかによくはえているムラサキダイコンとは、ずいぶん見た目がちがうけど……。
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Profile
エッセイスト・翻訳家 渡辺 葉
渡辺 葉
ニューヨーク生活を経て、'04年春からオレゴン州ポートランドに移住。Cafeglobeでの人気連載2シリーズは『ニューヨークで見つけた気持ちのいい生活』『ニューヨークで見つけた気持ちのいい「ふたり生活」』として単行本化されている。


text & photos / Watanabe Yo
design / Takeue Tomoko