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秋深まり、ワインが美味なり! ……と、地ビール礼賛の前回に引続き、叫んでみたいと思います。そう、オレゴン州にはブリュワリーだけでなく、ワイナリーもたくさんある(実はかなり呑み助な土地柄なのであった!?)。しかもオレゴン産ワイン、このごろはマンハッタンの高級レストランでも話題の秀作揃いなのです。 折しも、そのニューヨークからワイン好きの友人さとみちゃんが遊びに来たので、一緒にポートランド近郊のワイナリーを訪ねてみることにした。ポートランド市南に広がるウィラーメット・ヴァレーは、オレゴン州の中でも随一のワインカントリーなのだ。 レンタカーオフィスが長蛇の列で、しかも一旦借りた車が黴臭くって……などと数々のハプニングがあり、その上「エスプレッソを飲んで、気分を引き締めてから行こう」なんてことになって出発がやや遅れ、街を出たのは昼近くになってしまった。しかし空は晴天、風は銀色、いい気分。10ン年ぶりにハンドルを握るワタクシにも時速60マイル(*1)が平気になった頃、辺りの緑が濃くなってきた。おお、麗しのワインの里にやって来たのだ。 新しいワイナリーらしく、カウンターに出ていたのは2003年のピノ・ノワールとシラーのみ。でも横には美しい木の盆が並べられ、その上には地元の牧場で作っているチーズや薄切りのサラミなど口直しがいろいろ盛りつけてあって、なんだかとっても歓迎されている気分になる。 「娘が今日、ブラウニーを焼いたの。味見してみてね。ワインと合うのよ」とデオリンダさん。まずはグラスにピノ・ノワールを注いでもらった。 ひとくち含み、口の中で香りが広がるのを確かめる。うん、おいしい。熟したブラックベリーかチェリーのような、濃い赤紫の果実の味。でも甘ったるいわけではなくて、さっぱりとドライだ。私はワイン通ではないけれど、こんなふうに「この味を、どう表現できるだろう?」と考えるのは、ワインを味わう楽しみのひとつじゃないかと思う。シラーはもう少し“濃い”味で、ちょっと焦げ茶がかった紫色、という感じ。どうやら、このブドウ品種そのものがそういうワインを作るらしい。 「ここのピノ・ノワールは、1、2年寝かせておいたらおいしくなるかもしれないね」とさとみちゃん。そう聞くと「いま現在のこのワインと1年後のこのワインを並べて飲み比べてみたい!」という無茶な欲求を抱いてしまう私であったが……。 デオリンダさんがしきりに勧めるので、ブラウニーを食べてから飲んでみた。お菓子の甘みがカウンターバランスになるのか、さっきの果実っぽさが一段軽くなったように感じられる。私たちが「ブラウニーとも合うみたい」と言うと、デオリンダさんはとってもうれしそうな顔になった。 次に目指すは「ウィットネス・ツリー」というワイナリー。ここは、私たちがいちばん行きたかったワイナリーだ。その理由は、数ヶ月前に遡る。
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text & photos / Watanabe Yo design / Takeue Tomoko |

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