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温かな水の中をたゆたっている。頭上には宝石箱のような夜空がきらめき、フルフルとゼリーのように柔らかな波が、つま先をくすぐっては消えていく。 遠くで、音がする。 「うるにゃー」 あれは沖をいく船の霧笛だ。 「うるにゃー」 そう、船の…… 「うう、うるにゃあー」 ん? 「うるにゃあーあー」 細かな毛の生えた小さな口が、私の腕の内側をそっと噛む。あうー。 午前7時。外はまだ暗い。けれど、窓の外では世の中が動き始めた音がする。ミルクを運ぶトラックの音。角のベーカリーではきっと、早起きのパン焼き職人たちが黄金色に焼けたクロワッサンを取り出しているところだろう……。 これ、このごろの朝の定番風景。そうして「ああ、夜が明けた」と思うと、午後4時にはもう暗くなり、夜の帳が降りてくる。 冬至に向けて、どんどん日照時間が短くなっている。そのせいもあって、こんなふうに未明の空に光が戻ってくるのを見るのが、大好きだ。オレゴン州周辺は冬=雨期なので、一日中、世界が灰色の毛布で覆われたような日もある。だから雲の切れ目から光がさしこんでくると、どこのだれに対してなのかわからないけれど「ありがとう!」と言いたくなるのだ。 寝室は白い薄布の二枚重ね。奥の、というか窓に近い方は半分透けるヴェールのような生地で、黄金の星を散らした。手前のカーテンは、シーツ用の生地。 実はこれ、長さを計り間違えて、ちょっと短めに買ってしまった。しかもそれに気づいたのは、「窓2枚分だから」と生地を半分に切ってしまった後のこと。まずい、ピンチ!……と焦ったが、奥の薄地が余っていたので間に挟んで「アントル・ドゥ(*2)」というレースのリボンでつなぎ、3枚パネル仕立てにしてみた。 必要は発明の母、失敗は成功のモト。あらまあ、なんていいアイデア! 光が射し込むと、薄布のパネルから星が透けて見えたりして、そんなことに気づくのは私だけかもしれないけど、とりあえずそれを見るたびソコハカとなく幸せな気持ちになれる。 リビングの窓は元気&あったかく、かつ軽い感じが欲しくて、図書館の家事本コーナーで研究(←庶民的)して見つけた、縦3枚パネル方式を採用してみた。
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text & photos / Watanabe Yo design / Takeue Tomoko |

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