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更新日:2001年6月6日 RSS


BBSでも盛り上がって、うれしい限りの生理用品特集。
前回に続き、コ・フェ・ミンさんにご登場いただいています。
ところで、スーパーやコンビニで入れてくれちゃう茶色の紙袋、
あれはやっぱり必要なのかしら。
コ・フェ・ミンさんの「茶色の袋はいりませんキャンペーン」、
みなさんも参加しませんか?


文/稲垣早穂(ライター)
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第21回
近くて遠い生理用品の謎に迫る(後編)
茶色の紙袋がいらなくなる日は来るの?

  前回、「月経小屋」の話があったよね。「赤不浄」っていう言葉もあったって聞いたけど、そういったタブー感って、今はもうなくなったのかな?

  いやいや、根強く残ってると思うよ。隠語が多いのはその証拠だよね。昔だと「アンネ」とか「月のもの」とか「お客さま」とか。「ブルーデー」なんていうのもあったよね。今は「アレ」「あの日」「女の子の日」とか。


汚物入れ、別の名前を考えてくれー

  覆い隠すっていう点から言うとね、使用後のナプキンの捨て方って、どう教わった? 

  んー、3つに畳んで、トイレットペーパーでぐるぐる巻いて、ってかんじ。今はナプキンの包みにシールがついてて、使用後のものをくるんできっちり留められるようになってたりするよね。  

  そうそう。その厳重さ、まるで危険物扱いだよね。周りを汚さないようにとか、経血を介して病気が感染しないようになんて理由もあるのかもしれないけど、やっぱり「人目にさらすもんじゃない」とされてきたからじゃない?

  な、なるほど。言われてみれば、「汚物入れ」っていう名前も強烈。オブツだもんなあ。

  「汚物」は身体から出たものを指して、病院では、血液などが付いた使用済みの脱脂綿を「汚物」、それを捨てるホーローカンを「汚物入れ」と呼んでたの。水洗トイレが普及したときに、生理用品を捨てるものがなかったからそのまま転用されたんだと思う。だから経血だけが汚物じゃないんだけど、トイレに「汚物入れ」って張り紙されてるから、今はそのイメージしかないよね。

  日本でフィンガータイプのタンポンの使用率が低いのは、その辺にあるのかも。フィンガーベールなんて使わなくても、タンポンの底をちょっと広げて、そこに指を当てて入れれば、実はほとんど汚れない。この方法、アメリカのオーガニックタンポンの使用説明書に書いてあったの。日本のタンポンもこの方法でいけるよ。フィンガーベール、いらないかも(笑)。

 

稲垣早穂
いながき・さほ
●編集者歴7年の30歳。現在はインディペンデントマガジン『vibe girls』の編集スタッフとして、ジェンダーとセクシュアリティを追求する日々。風俗から障害者の性まで、守備範囲だけは広い。
「こないだ、ディズニーランドのジェンダーチェックに行ってきたよ。オンナといえば処女のお姫さまか年増の魔女、メスはといえばミッキーの恋人ミニー、ドナルドの恋人デイジーといった調子で常に脇役。年頃のお姫さまはいつも恋の歌を歌ってるのさ。『誰か来て〜 愛してよ〜 お願いよ〜』オンナの人生なんてそんなもんさ、って言われてるような気がして、泣けてきました。とほほ」
vibe girls
http://www.ummit.co.jp/love/
 

茶色の紙袋はもういらない

  先日、ユニチャームに取材に行ったときに聞いた話なんだけど、1980年頃までは生理用品は包装紙にくるまれて薬局の片隅に置いてあったんだって。そういや、昔はコンドームもそうだったよね。  

  ついこないだまで日陰の存在だったもんね。生理用品の最初のCMは1976年(ユニチャーム)で、キャラクターは研ナオコだった。日陰のイメージを払拭するためには明るく笑い飛ばすしかなかったってことかな。「月経タブー」が根強かったからこそ、女性性を感じさせない演出をする必要があったんだろうね。

  メディア でも日常生活のレベルでも、生理用品をもっと日向に出したいよね。スーパーやコンビニで茶色の紙袋に入れるのも、そろそろやめてもいいんじゃない? ゴミを増やすだけだしさ、「茶色の袋はいりませんキャンペーン」をしてるところよ。  

  おお、そうしよう! わたしも今度から「いりません」って言うようにしようっと。




おすすめの本

『伊藤ふきげん製作所』

伊藤比呂美著 毎日新聞社2000年刊

詩人・伊藤比呂美の育児エッセーといえば、名著『良いおっぱい、悪いおっぱい』があります。それを愛読していた私としては、赤ちゃんだったカノコちゃんがもう思春期かよーーーーと驚愕。いつのまにか子どもは3人に増えてるし。さて注目は、カノコちゃんが使用済みナプキンを家のあちこちに捨てる、というくだり。「わたしは、やっぱり、自分の娘たちには、自分たちの生理をきたない恥ずかしいとは、教えたくないのです。こそこそつつんで汚物入れに捨てるたびに、自分自身を見下しているような、いやな感じを覚えたものです」。自分の捨て方も見直したくなるよ。

この本の購入はこちら(amazon.co.jp)


おすすめサイト

http://www.gladrags.com/index.html

超かわいい布ナプキンのほか、オーガニックタンポンも購入できます。

http://www.tekuteku.net/index.html
エコショップ「てくてく」のサイト。布ナプキンもいろんな種類があって楽しい。BBSの「布ナプ掲示板」も盛り上がっています。

http://www.geocities.co.jp/
Beautycare/5076/

タンポン研究の個人サイト「不完全生理用品図鑑」。けっこう読みごたえあります。


(*注)
わかりやすいのは渡辺淳一だけど、実は村上春樹もけっこうスゴいの。みんな、気づいてた? たとえば、『ダンス・ダンス・ダンス』では、生理不順→みんなが迷惑、という不思議な論法で女の子に説教しちゃう。

「思春期の女の子はもう少しまともなものを食べるべきだ。そんな生活を長い間続けてたら大きくなって生理不順になる。何になろうともちろん君の勝手だとも言うことができる。でも君が生理不順になるとまわりのみんなが迷惑する。まわりのことも考えなくちゃいけない」「馬鹿みたい」と小さな声でユキが言った。

「でもお願いだから車の中で煙草吸わないで。外から見えるし、車も臭くなる。前にも言ったように女の子が小さいときから煙草を吸い過ぎると大きくなって生理不順になる」「馬鹿みたい」

複雑な年頃なのだ。あるいはただ生理なのかもしれない。


ケンカ売ってんの? それとも単なる無知なんだろうか。

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なんでセックスしないんだ?

  ところでさ、文学のなかではどう? 男性の書き手が描く月経中のオンナって、どうもしっくりこないんだよね。  

  典型的なのは、渡辺淳一の『化身』かな。ヒロインは月経が来ると不機嫌になって、セックスは「ごめんな さい」と謝りながら拒否。「浮気するぞ」と脅す主人公もひどいけど、結局やっちゃって、それを男の「征服感」として描いているわけ。終わったあとにヒロインは「そのままじっとして」と言ってタオルを差し出す。「下半身」を拭いたタオルは「駄目、見ないで」。

  この作品、参考文献としてはホントに面白い(※注)よ。「(生理中に)あきらかに不機嫌さを表に出しながら苛立っている女こそ、まさに女のなかの女」「誰でも、生理中の女性と接することは好まない」「やはり生理の汚れなど、男の見るべきものではない」とか。

  おえー。それにしても、なんでセックスしたがらないんだろうね。女性用コンドームを使えば問題ないし、挿入しなくてもセックスはできるじゃん。第一、なんで「ごめんなさい」って謝るんだ?

  経血も体液だからSTD感染の可能性を考えるとナメないほうがいいんだけど、それ以外はまったくオッケーなのにさ。ま、そんな男たちのことは置いといて、私たちは自分のカラダをもっと肯定してあげたいよね。
 


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text / Inagaki Saho
illustration / Hirayasu Kyoko


次号予告 6月20日頃更新予定
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