更新日:2005年8月18日 RSS

セックスライター・タビサの宝石箱



Cafeglobeの専売特許コンテンツ、オンナのためのセクシュアリティを考える連載が戻ってきました! しかも今回は強力な著者をイギリスからお迎えしての開催。日本に暮らしたこともあるタビサの愛のあるエッセイ、どうぞお楽しみください!
タビサの英語原文が見られるようになりました。文字の色が変わっている表現をクリックしてみて!

文=タビサ・フライト


Give me a hand...
さぁ、部屋の灯かりを落として、
脚を広げて

   昨日の夜、テレビ番組の『ビッグ・ブラザー』(※1)で、女性参加者がワインボトルでマスターベーションをしてたんですって。テレビ局には抗議の電話が何百本もかかってきたらしいし、今日のタブロイド新聞各紙には「下品」「胸クソ悪い」という言葉がズラズラ。番組の放映中止すら囁かれているとか。

   でも、もしその「ナニった」のが男性だったら、ここまでの大騒ぎになってたかな?

女子の場合、やっぱりオナニーは、話しにくい

   今回、Cafeglobeの担当編集者に、マスターベーションについて書いてみないかと言われたとき、正直言って困った。この方面の話だけ突然カマトトになっちゃう女子って、私だけじゃないよね? ボーイフレンドとどんな風にヤッたかとか、アンジェリーナ・ジョリーとする夢を見たとか、そういう話ならいくらでもペラペラ口にできるくせに、ひとりきりで……エート、その、エッチな気分になったときのことは……話しにくいもんよね。(英語原文1を見る>)

   キリスト教の影響もあって、マスターベーション自体この国では長いこと男女共に恥じるべき行為とされてきていた。「そんなことすると目が見えなくなる」なんていう戒めの迷信もあったり(今考えるとひどいことだけど)。でも男の人たちはもちろんそんなの信じていなかったし、ここ30年くらいの間に、マスターベーションは男ならするのは当然、話題にして何が悪いという雰囲気にもなってきた。10代の男の子が集まって何を使うといいか実験をしたり、結婚した男の人が「自由にシゴけなくなって残念」とか言ったりするのはもうフツーの光景。

じゃ、女子はどうなのか? 男と違って私たちの生殖器は外側にぶら下がってるわけじゃないから、日がな一日眺めたり手でいじくるってのもどうも調子が悪い。クリトリスも引っ込んでるばっかりに、私たちの意識からどうも遠い存在になりがち(※2)

   でも、もちろんそれだけが原因じゃないよね。女性の場合、いやらしい気持ちになる……性欲があることを認めるかどうかと同じ。「上質な」女性は横になって受け止めるだけ。それ以上のことをするなんて、汚れた、下品な女のすること、というあの価値観のせい。(英語原文2を見る>)


バイブレーターを買ったら、あらたな地平線!

   もちろん、最近はずいぶん変わってきている……はず。恋多き女は自分の性欲とか経験について話すことを恥ずかしがることは少なくなってきているし。私もよく、ボーイフレンドたちに「君みたいに、自信があって自立している女の人なら、一人の夜はいつもPCの前でベビーオイルを手に持ってやってるのかと思ってた」なんて言われるの。

   私個人に関して言えば、じつは私はあんまりオナニストじゃなかった。セックスのときは簡単にオーガズムに達せるんだけど、ひとりだとどうもうまくいかなくて、あんまり面白くなかったというのがその理由。ボーイフレンドたちは、女の子はフツーみんなやってる(のになんで君はやらないの? そんなにセックス好きなのに)って言うけど。

   でもね、これはもう過去の話。しばらく前にお店に行ってバイブレーターを買ったの。オオー! 新たな地平線!

   もう今は、どうも寝付けないなぁというときはすぐにスイッチに手が伸びちゃう。私がオナニストじゃなかったのは、不器用だったからなのでした。オナニーをしていると、ああ私も、血の通う人間という動物で、たくさんの素敵な欲や夢とか、そういうのを持ったいたいけな存在なんだなぁっていうことを再認識できるのよね。


女子にもマスターベーションが必要な理由

   というわけで、どうして女子にもマスターベーションが大切なのか、まとめてみました!

1.自分のことを知ることができるから。――自分の体の喜ばせ方も知らないで、パートナーに喜ばせてもらおうなんて図々しい。自分のポイントを知っていれば、彼にすぐに教えられて効率もいいしね。
2.タダ、無料、ロハ、フリー! やったね!
3.妊娠リスクゼロ!
4.男だけの楽しみにしておくのはもったいない。
5.その男だって、大喜び。彼に電話して「いま一人なの……あなたのこと考えてさわってたら……」って言ってみて。絶対カチカチに硬くして飛んで帰ってくるから。さらに、彼にみせつけてあげれば? 触らせないの。自分でやるほうが、気持ちいいかもよ。
6.リビドーを高めてくれるから、いつもホットな女でいられる。
7.ま、そんなに「大切」って叫ぶほどではないかもね。もうひとつ、つけ加えるとイイ習慣ってとこかな?
(英語原文3を見る>)


   さぁ、部屋の灯かりを落として、脚を広げて、あなた自身ともっと仲良くする時間を過ごしてみて。女性として、自分のセクシャリティを知って大切にすることは、絶対守って活用するべき権利なんだから。

   でも、全国ネットのテレビカメラの前でするのはやめてほしいかなー。ましてやワインボトルなんて絶対だめ。空気圧の関係で抜けなくなるかもしれないからね!


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※1
Big Brother

イギリスで毎夏大ヒットしているリアリティ・ショー。20人ほどの男女(ヘテロ・ゲイいろいろ)がひとつ屋根・ひとつ寝室のもと約3ヶ月暮らし、人気投票で最後まで追い出されなかった人が高額の賞金をもらう。参加者同士の恋愛模様やセックスが見所のひとつになっている。先日の最終回はなんと全英で780万人が観たとか。
●Big Brother公式サイト>>

※2
私の生殖器と私

女のコたちが自分たちの生殖器と切り離されているもうひとつの理由は、性器に「呼びやすいいい名前」がないのもひとつの理由だと思う。やけに生物学的な「ヴァジャイナ(膣)」か、卑猥とされている「カント」とか「プッシー」とかしかない状況じゃ、性器に親しみを感じられないのも当然だと思う。




女性のためのエロティック・フィクション作家。20代のとき日本に3年ほど暮らした経験あり。30代半ばのシングルマザーでもある。タビサが描く女性たちは、いつもセックスに対してポジティブで、冒険心旺盛。エロ小説としての読み応え(!)もさることながら、読むと元気になれるのでCafeglobeとしても大オススメ!

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text / Tabitha Flyte
illustration / Tsuneda Tomoko
design / Anada Masayo (Cafeglobe)