もし私が単にセックスがしたいだけだったなら、こんなに深くは考えなかったかもしれない。でも私はフレッドに惹かれていて、甘い言葉を信じてしまって、そこからふたりの関係は続くんじゃないかと思ってしまったの。もちろん、こういう状態から付き合い始めて長く続く人たちもいると思うけど、それって確率的にはかなり低いんじゃない? そもそも、そんなことで始まった相手のこと、ずっとずっと信じ続けるのは難しいよね。(英語原文3を見る>)
スーには本当に申し訳ないと思ってる。フレッドに夢中になるあまり、私はいつからスーのことをライバル視するようになっちゃったんだろう。あの晩、正直言って私は「ほらね、スーより私のほうが魅力的でしょ。スー、フレッドはあなたなんかより私のほうを求めているのよ。彼には私のほうがお似合いよ」と思っていた。ああ、なんてバカげたことを。
いや、わからないけどね。誰かの男と寝るのはそんなに悪いことじゃないかもしれない。私に言えるのは、私がこう感じた、ということだけ。イギリスの離婚率が高いのは、浮気をあまり許さないというイギリス人の気風のせいで、他の国みたいにもうちょっとそのへんおおらかになってもいいんじゃないかということも聞く。パートナー以外の人に惹かれるのは動物として自然なことという意見もなんとなくわかる。日本でも、夫の浮気は甲斐性がある印というんでしょ……?
フレッドはたぶんスーには言わないと思う。言ってもスーなら許してくれるだろうし。私たちも、もう会わないと思うし。
だから、別にたいしたことではなかったと言えるかもしれない。誰も気づいてないし、誰も傷ついてない。でも私のお腹の中には、小さな疑問が芽生えてしまった。いつか将来、私のパートナーも私の目を盗んで私以外の人のところに行くことがあるんじゃないかと。私よりずっと若い、ずっときれいな女の人のところに行って、「やっぱりタビサとより、君と一緒にいたい……」と。
そのとき私には、怒る権利はない。 |