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更新日:2007年1月30日 RSS

セックスライター・タビサの宝石箱



Cafeglobeの専売特許コンテンツ、オンナのためのセクシュアリティを考える連載が戻ってきました! しかも今回は強力な著者をイギリスからお迎えしての開催。日本に暮らしたこともあるタビサの愛のあるエッセイ、どうぞお楽しみください!
タビサの英語原文が見られます。文字の色が変わっている表現をクリックしてみて!

文=タビサ・フライト


あなたはイッたフリする派?
オーガズムとフェイク(演技)

 「本当の幸せをみつけたいなら、まず形から」──イギリスの作家フェイ・ウェルドン(※1)は最近こう書いている。

 彼女の著作『何が女を喜ばせるのか(What Makes Women Happy?)』からさらに抜き出してみる。「女性の80%は、たまにしか──あるいはまったく──オーガズムに達することがない。これは受け入れるしかない事実」。ウェルドンの主張はこうだ。「あなたがハッピーで優しい気持ちの持ち主ならば、達したふりをするべき。そしてベッドを抜け出してシャンパンを注ぎ、“あなたってスゴイのね”と彼に言ってあげよう。それはパートナーに対する配慮でもある。さもないと彼らは不安になり、なおさらうまくできなくなる。彼のためにも、あなた自身のためにも、イッたふりをしなさい」。

 これについてどう思うか、私は友だちに意見を聞いてみることにした。


事情はそれぞれだけど、みんなけっこう切実

 皆が振り返るほどの美女、ベティのセリフ。「私の演技はピカイチよ。自分でも呆れちゃうくらい。身をよじって叫んで、喘ぎながら自分の体を撫で回すの。“あなたは神よ”とか“天国にいるみたい、もう止まらないわ”とか言ってね」。ウーン。どうすればいいのかはわかったわ、ベティ。でも、なぜそうするのかってことが問題なんだけど。だって、私たちは21世紀に生きているのよ!「きまってるじゃない。相手が喜ぶからよ。目が飛び出そうなくらい興奮してくれるわ。彼が喜べば、私も嬉しい」。

 アメリアの意見はこうだ。「確かに演技はするけど、動機は少し違うわね。あたしの場合はウソが本当になるまでやるのよ。自分で自分を盛り上げるっていうか。あたしも彼も興奮してくる。イッたふりをした後で、初めて静かに達するの……彼は2回目だと思ってるけどね」。(英語原文1を見る>)

 クレアも同意する。「最近はオーガズムにこだわるオトコがますます増えてきてるみたい。“イッたかい?”と聞かれるほど参ることはないわ。そりゃ、だめだったなんて言えないわよ。私をイカせたと思うと彼は満足するし、私は私で素敵な時間が過ごせて嬉しい。毎回オーガズムに達する必要もないし」。

 ジリーの場合。「苦肉の策よ。彼ったらバンバンやりつづけなんだもん。イッたふりでもしなきゃきっと今でもしてると思う! 私が達するまで、自分がイクのはおあずけだと思ってるみたい。私は最初の数分でオーガズムが来るかどうかわかるのよ。その時点で何も感じなければ、さっさと終わるためなら何でもするわ」(英語原文2を見る>)

 ま、確かに短期的な効果はあるかもしれない。でも、演技したり男をおだてることが、長い目で見てどんな結果を招くか私たちはちゃんと考えたことがあるのかしら? 当然、影響は少なくないはず。

ふたりが気持ちよくならないと!

 ジリーは早く済むように演技するって言ってる。でもそのままじゃ、いつまでたっても本当に満足できるセックスは望めないわね。彼女のパートナーのデイヴはふたりのセックス・ライフは順調だと思い込んでいるから、なおさらよ。今のままではダメだと気づかせないと、事態は良くなるはずもない。自分のやり方が間違ってないと思ってる限り、彼は新しい方法を試してみる気になるかしら? 本当は違うアプローチが必要だとわかってくれるかしら?

 リアンヌは語る。「私が喜んでるふりをしてたから、彼は自分が最高のテクニシャンだと思い込んでたの。別れてから初めてヘタクソだって教えてやったけど、信じたとは思えないわね。アホみたいに自信満々にさせちゃって、今では後悔してる。大したことないくせに、ヤツはこれからも自分のことを、女が泣いて喜ぶセックスの神様だと信じたままなんだわ。当時は好かれたい一心で演技してたけど、ばかばかしいから二度とやらない」

 一方、スージーはフェイ・ウェルドンのアドバイスにひたすら憤慨する。「何事もガマンしろってこと? 女性は仕事を頑張らなくていい、男の世話をしてればいいんだからってわけね。セックスのときは自分のことは二の次でも男を満足させるべきですって!? 冗談じゃないわ。ふたりが気持ちよくならないと意味ないのに」。(英語原文3を見る>)

 スージーの主張は男性の意見にも裏付けられている。リー曰く「女の人の反応の仕方はそれぞれ違ってるよ。でも、どう考えても大袈裟すぎるだろうってコと寝たことがある。ウソだってことが見え見えさ。彼女にそこまでしなきゃいけないと思わせてるのかと、なんだか申し訳なくなったよ」。マークは言う「昔つきあってた女の子とのセックスは、すごくよかったんだけど、僕はなかなかオーガズムには達しなかった。もちろん、イッたふりをしようかなと考えたけど、結局やめた。男のほうがバレやすいってこともあるんだけど(コンドームをつけてれば、少しはごまかせるかな)、どうも誠実じゃない気がしてね」。

 彼が演技してるってわかったら、あなたはどう思う? 私は、フェイ・ウェルドンがすすめる行動は、相手を子ども扱いするのと同じだと思う。彼らは立派な大人の男。私たちを理解し、話を聞いてくれて、お互いにいたわりあえる対等な関係を結ぶことができるはずよね。演技でごまかせば、男を必要以上に甘やかすことになる。愛情表現は正直なのが一番! 女はイクときもあればそうでない場合もある。大した問題じゃないわ。

 私といまのカレとの関係で最高なのは、お互いにオープンでいられることかな──ベッドの中でも外でもね。正直に話し合っては、しょっちゅう笑ってる。カレが3回のうち2回“ごめん、イケなかった?”って言うはめになっても、ウソよりはずっといいわ。そう、いいっ、イイわー!


コードレスリモコン、そっとあの人に渡してみる?



コードレスリモコン、そっとあの人に渡してみる?

※1
フェイ・ウェルドン Fay Weldon

1967年のデビュー以来、抑圧的な状況に立ち向かいながら自分なりの生き方を見出す女性像をブラック・ユーモアを交えて鮮やかに描き出し、ベストセラー作家に。復讐する主婦を描いた作品はメリル・ストリープ主演『シー・デビル』(1989)としてハリウッド映画化もされた。自身もなかなか自由な人生を送り、現在の夫は3人目。しかし最近は伝統的な価値観を見直す傾向にあるようで、「フェミニズム運動に逆行する!」「信じていたのに!」という批判が女性から起きるなど、物議を醸している。



女性のためのエロティック・フィクション作家。20代のとき日本に3年ほど暮らした経験あり。30代半ばのシングルマザーでもある。タビサが描く女性たちは、いつもセックスに対してポジティブで、冒険心旺盛。エロ小説としての読み応え(!)もさることながら、読むと元気になれるのでcafeglobeとしても大オススメ!

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text / Tabitha Flyte
translation / Nozawa Tomoyo
illustration / Tsuneda Tomoko
design / Anada Masayo (Cafeglobe)