先週、親しい友人の家で、ちょっとした“日本文化に傾倒する南ア人”の集まりをさせていただきました。
そもそものきっかけは、在南ア日本大使館の文化担当の方からのこんなメールでした。
「今度、仕事でダーバンに行きますが、どなたか文化関係のキーパーソンで会うべき人がいらっしゃる場合、ご紹介いただければ幸いです」
実は、私は昨年から、在南アフリカ日本国政府遠隔地外交業務委嘱員というお仕事もさせていただいています。
とっても長い偉そう?な名称ですが、そんなに複雑なお仕事ではなく、日本大使館が何かダーバンで仕事や会議があるときに、地元の私が土地勘を生かしてダーバンの現地情報などを提供してお手伝いしているのです。また、地元紙からダーバン特有の情報などもお伝えすることもあります。
ダーバンに日本の大使館や領事館がないがための現地スタッフというところでしょうか。
さて、このメールをいただいて私が真っ先に相談したのは、ダーバンの地元のDurban University of Technology (ダーバン工科大学)で、建築の教授をしているWouter Jacobus Gildenhuys氏でした。
彼は、私のこちらでの一番の友人、Sallyの紹介で知り合い、かれこれ8年以上もつかず離れずの仲です。夫が亡くなった時もこの忙しいふたりが多くの時間を割いて私の傍にいてくれました。
Wouterは、昔から日本文化に興味があって、中でも茶道の大ファンです。ここ数年、毎年何らかの形でお茶会をしたがり、昨年は日本大使館の今回の担当官の前の方の奥様が、わざわざダーバンの彼の家まで来てくださり、結構本格的なお茶会をしました。
彼は音楽も大好きで、地元のKZN Philharmonic Orchestra にも多くの友人がいます。彼こそダーバンでの“文化的キーパーソン”でしょう。
案の定、彼の人脈で、この夜集まってくれた人々は本当に多彩な方面で活躍する人たちばかりでした。
また、私の友人関係では、なんと! 組紐や刺し子の専門家などもいて、この夜はちょっとした“日本文化”のミニパーティとなったのでした。
パーティといえば食事も大切ですが、こんなとき、巻き寿司は便利です。気軽につまんで食べることができます。この日、私が用意したのは、巻き寿司4種類、鉄火巻き、スモークサーモン卵きゅうりが一緒のもの。それから、菜食主義の人のために、アボカドと卵、きゅうりを一緒にしたもの、それと野菜のてんぷらもやや濃い目の塩味をつけて揚げてから、酢メシに巻きました。
それから、飲み物は南アの美味しいワインをたくさんと日本酒です。日本酒は熱燗がパーティでは好評なので、ちょっと季節的にはそぐわなかったのですが、とっくりやお猪口を用意しました。
さて、このパーティに集った何人かの“文化人”をご紹介しましょう。
まず、最初は、南アフリカきっての国際的陶芸家、Andrew Walford氏です。
彼の益子焼きの影響を多大に受けた作品を見て、普段はあまり日本のホームシックにめったにかからない私の涙腺が緩んでいくのが分かりました。
私はもともと益子焼きが大好きなのです。
彼の、温かみのある、それでいてアフリカの大胆さもあわせ持つ陶芸作品に見惚れてしまいました。
彼の作品には、ぐらぐらしていた腰のあたりをしっかりと押さえてもらうような安心感を感じました。
彼によると、最初に彼が日本を訪れたのは、南アが世界各国からアパルトヘイトの影響でボイコットされる前の1968年。すべてが新鮮で刺激的だったそうです。
その後、20年間は自由に外国を訪問することはできなかったようですが、1994年以降は、なんと南ア人益子焼き作家として、日本でも個展を開いたこともあるとか。
こんな芸術家が我が家からたったの15分のところに陶芸スタジオを設けていたなんて、なんという出会いでしょう。今度の週末にでも出かけていこうと思っています。
さて、その次は、日本の“盆栽”に大いに影響を受けた、とおっしゃる、ランドスケープアーキテクト、Lucas Uys 氏です。この職業、日本語の“造園業”に近いものでしょうか。
彼は、日本の文化を Disciplined Space, Disciplined casualness (規制された空間、訓練された安易性)と表現しました。
アフリカで多くの有名な建築物の周りの空間を、日本の盆栽の影響を受けた彼が、どんどん、その“訓練された安易性”でもって、周囲を調和させるようデザインしているのです。ぜひ、その作品を見てみたいと思いました。
で、結構、お茶目なルーカス!この夜、彼が何よりも気にいった食べ物は、私が15本もいろいろと巻いたお寿司ではなく、なんと、日本人のゲストが手作りで持参してくれた“イチゴ大福”でした。
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