カフェグローブ本当に深刻なの? どのくらい危険なの? (2005年バックナンバー) - 地球温暖化、今動き出せばまだ間に合う!

COOL 持続可能なエコ生活で、地球をクールダウンしよう!

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更新日:2005年1月28日
地球温暖化


すでに地球温暖化は待ったなしの状態まで悪化してきていること、このままでは子や孫の世代どころでなく、私たち世代もこれから生活レベルの急激なダウンを経験していくことになるかもしれない……そんなことを駆け足で前回は説明しました

今回は、温暖化を考えるために、そして何をすべきかを知るために必要な知識――そもそも温暖化はどうして起こるのか、なんでこんなコトになっちゃったのか、そのしくみや原因について、できるだけやさしく基礎のキソから解説してみます。理科に弱いあなたもきっと納得、ここがわかると問題の全体が見えてくるはずです。

文=青木陽子(Cafeglobe編集長)


地球温暖化

   温暖化は、地球という星に熱がどんどん溜まっている現象です。本来地球は、太陽から受けたのとほぼ同じ量の熱を冷たい宇宙空間に逃がしていました。でも、人間の活動によって大気中に二酸化炭素やメタンなど熱を保つ効果のある「温暖化ガス(※1)」が増え、地球が保温材で包まれてしまったような状態になったのです。二酸化炭素の分厚いオーバーを着こんだ地球をイメージしてください。

   ではオーバーの主要な成分である二酸化炭素はどうしてこんなに増えてしまったのか。これは、簡単に言えば、人間が石油や石炭などの化石燃料を使いすぎたからです。その証拠に、地球上の二酸化炭素が急激に増え始めたのはイギリスで18世紀に起こった「産業革命」の頃からなのです。木や石炭を燃やすことで機関車が走り始め、大きな機械を回すことができるようになって工場ができた時代。その直後から大気の二酸化炭素濃度はずっと右肩上がりに上がってきています(※図2)

   以来ずっと、私たちが使っているエネルギーの大半は、化石燃料から作られています。電気の大半は化石燃料を燃やして発電されています。ガソリンや軽油は石油を精製したものです。天然ガスやプロパンガスも化石燃料です。また、合成繊維やプラスティック、ビニールなども石油から作られます(燃やすと二酸化炭素が発生します)。

あなたが食べるそのトマトはエネルギーの塊かも

   つまり、エネルギーの消費を抑えれば大気中の二酸化炭素の増加は抑えることができるのです。話は簡単です。

   しかし、私たちの毎日の生活はエネルギーでできているようなものです。冷暖房や調理、乗り物での移動はもちろん、鉄やアルミやガラスや紙などの素材から自動車や家やビルなどの製品まで、大量のエネルギーを使って作られています

   食べ物だってそうです。あなたが今晩口にするトマトはビニールハウスの中で暖房を焚いたから冬でも育ったものだし、ブロッコリーはアメリカから飛行機の燃料を使って運ばれたものだし、エビはタイから電気を使った冷凍庫で冷やされてきたものかもしれません。この便利さや豊かさと引き換えに、私たちはモクモクと二酸化炭素を大気中に出し続けているのです。でも反対に言えば、たとえば食卓からこういったエネルギー消費度の高い食材を減らし、地元で育った旬の食材を増やすだけでもエネルギーの節約ができます

   今は寒さの厳しい季節ですが、好きなだけ暖房をつけるのではなく(※2)、厚めのセーターを着てひざ掛けを使うことで、少し低めの温度設定にしても大丈夫になります(私はその格好でこの原稿を書いています。エアコンの設定は20℃にしてあります)。つまらないテレビ(電力消費量がけっこう大きい)は消してラジオにしたり、だらだらシャワーに入るのもやめてもいいかもしれません(じつは夏場以外、私はシャンプーは2〜3日に1回程度しかしません。髪にもそのほうがいいようです)。自動車で出かけるのをやめて電車にしてみる。自転車もいいでしょう。

我慢はイヤ? 私だけやっても意味ない?

  「そんな我慢できない!」「私だけやっても意味ないし」と思う方もいると思います。でも、我慢……何かをあきらめると思うと嫌な気持ちになりますが、自分のちょっとした工夫で大気中に出る二酸化炭素が少し減る図を想像すると、少しいい気分になりませんか? 失うほうばかり見つめずに、自分にできる地球へのプラスのインパクトを見るのはなかなか楽しいものです。お財布にもプラスになります(※3)

   また、「私だけやっても意味ないし」というのは間違いです。一昔前ならそうだったかもしれませんが、今はまさに人々の意識が変わってきていて、多くの人が地球のために生活を見直そうとしています。あなたの他にも大勢の人が始めているので、意味がないなんてことはありません。さらに、あなたの家族や友だちにもエネルギーの節約が温暖化を防ぐことに役立つことを説明して、一緒にやってもらってはどうでしょう。その人がまたその周りの人を誘ってくれれば、ねずみ算式に取り組む人が増えていきます。これは大きな効果をもたらします。

   でも……こういった個人レベルでの取り組みは非常に大切なことですが、それだけではスケールとスピードがまだまだ不足します。温暖化を止めるには間に合いません。スケールとスピードを得るためにもっと大切なのは、行政や政府・法律などを動かしていくことです。そうすることで、化石燃料の消費を抑えられることもさることながら、太陽光発電などの「自然エネルギー(代替エネルギー)」を推進し、二酸化炭素を発生することなくエネルギーを潤沢に得られる社会のしくみを作っていくことも可能になるのです。次回はその件について考えていきます。
(次回につづく)

おまけの章 森林減少と温暖化について

   温暖化や二酸化炭素の上昇と森林の減少について少し補足しておきます。ご存知の通り、植物は大気中の二酸化炭素を吸収し、それを栄養源に太陽の光エネルギーで光合成をして成長します。そのため、森林が減れば大気中の二酸化炭素がますます増えることになります。とくにアマゾンや東南アジアなどの熱帯雨林(ジャングル)は二酸化炭素の吸収量が多い(=植物の量が多く、また成長も早い)ので、これらが減ることは非常に危険なことです。しかし、日本の商社や製紙会社は東南アジアやオーストラリアなどから大量の木材やパルプを買っています。私たちが気楽にプリントアウトするその紙も、1年前はアジアで枝を伸ばしていた木だったかもしれません。

   また、意外に思えるかもしれませんが、暖かい海に広がるサンゴ礁も二酸化炭素を吸収しています。サンゴはじつは植物でなく虫なのですが、このサンゴ虫は、一緒に暮らしている藻が海水中に溶け込んだ二酸化炭素を吸収して作ってくれた栄養をもらって暮らし、石灰質(炭素が固まったもの)の住処(私たちがサンゴと呼ぶ硬い構造)を大きくしているのです。そのため、最近進んでいるサンゴ礁の破壊も地球にとってはダメージの大きな問題です。














第4回
京都議定書ってどんなもの? 私たちはこれからどうするべき?/2005年2月23日

第3回
最後の頼みの綱は、太陽や風など自然エネルギー。早く切り替えなくちゃ/2005年2月9月

第2回
なんでこんなコトになっちゃった? 温暖化のしくみをやさしく解説!/2005年1月28日

第1回
温暖化は本当に深刻なの? どのくらい危険なの?/2005年1月12日


text / Aoki Yoko (Cafeglobe)

家族や友だちと温暖化問題について
話し合ったりすることある?
よく話している。
マジメっぽくて話しにくいけど、今後は話すようにしたい。<
自分からは切り出しにくい……。
とくに話す必要性を感じない。


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つい忘れがちだけれど、地球はじつはとっても小さな乗り物。この星の中から掘り出せる資源も有限だし、この星を包んでいる空気をどこかから持ってきたきれいな空気と入れ替えるわけにはいかない。photo(c) NASA and the NSSDC


※1
温暖化作用をもたらすガスには二酸化炭素のほかメタン、酸化窒素(NOx)、フロンなどがある。どれも問題だが、量が多いために二酸化炭素が最も問題視されている。
メタンは非常に強い温暖化作用があるが、北米やオーストラリアで大量に飼育されている牛のゲップがメタンの大きな排出源という、冗談のような本当の話も。その意味でも牛肉を控えるのは環境にやさしいのだ。



図2:過去1000年の大気中の二酸化炭素濃度
産業革命が起こった1800年頃から見事に二酸化炭素濃度が上昇している。それとともに気温も上昇してきている(前回の図1参照)。
ちなみに、近代になって記録され始める前の二酸化炭素濃度は、南極の氷床や万年雪をボーリングし、閉じ込められていた大昔の空気を取り出して測定している。(出所:気象庁「気候変動監視レポート2001」)




※2
「使っただけ電気代は払うんだから使ってもいいでしょ」というのはとても視野の狭いわがまま。
貨幣価値が高い先進国の私たちが限られた量の石油を買いあされば、石油の値段は上がる。そうすると貧しい国の人たちは石油(又それを利用した電気など)に手が届かなくなり、毎日何時間もかけて煮炊きするための薪を拾い集めなければならなくなる。薪にするために木を切るため砂漠化にもつながり、結局温暖化がさらに進むことになる。自分にも返ってくるのだ。



※3
ただし、ストイックになり過ぎないよう気をつけて。温暖化の深刻さがわかると何もかもできるだけ省エネしないと不安になるものだけれど、人生楽しむことも大切。ときには無駄遣いしたり、クルマに乗って旅行に行ったりしてもいいと思う。クルマに乗って楽しんだら、また省エネをがんばればいい。バランスを崩しては続かないし、思い詰めていいことはない。



【地球にとって大切なもの1:森林】
植物は大気中の二酸化炭素を固定(二酸化炭素になっている炭素を取り込んで、たんぱく質や糖分など、気体以外のものに形を変えること)するけれど、いずれ燃えたり腐ったりして分解すると同じ量の二酸化炭素を放出することから、直接的には大気中の二酸化炭素量を減らすことには貢献しないという議論もある。けれど、森林の総体量が増えれば固定されている状態の炭素も増える(=植物の量が増える)ので、結果的に大気中の二酸化炭素を減らす効果はあると言える。 また言うまでもなく、森林は雨水を蓄えて洪水を防ぐ。人間にコンスタントに飲み水を提供してくれる。森林を増やそう。photo(c) Cafeglobe




【地球にとって大切なもの2:サンゴ礁】
海の中の森と言われるサンゴ礁。サンゴは魚などの動物たちに食べ物と隠れる場所を提供する。サンゴが死ねば、魚などの海の資源も減る。
近年問題になっているサンゴの白化は、海水温の上昇でサンゴ虫が一緒に暮らして栄養をもらっている藻(褐虫藻)が育たなくなり、サンゴ虫も死滅する現象。「海の砂漠化」と言われるゆえんである。photo(c) 阿嘉島臨海研究所 1994


関連リンク
<Cafeglobe.com記事より>
Letter from the Editor
あらためて、環境問題について、かなりマジメに(2004年12月15日)


<そのほかのサイト>

GreenPeace Japan気候変動
世界的に名高い環境NGOの温暖化情報サイト。

全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)
(財)日本環境協会内に設けられた、地球温暖化対策に関する普及啓発を行う機関。無料で利用できる資料が揃っている。

気候ネットワーク
地球温暖化防止を目的として活動するNGO/NPO。日本国内のさまざまな環境グループとネットワークを作っている。

UNEP(ユネップ/国連環境計画)
国連の環境保護部門。IPCC、京都議定書などはここがリーダーシップをとっている。(英語)

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