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今年の夏シアトルを騒がせたモノと言えば、やはりイチローのバブルヘッド・ドール。先着2万名の限定品とあって、発売日は冷たい雨が降る中、「なんとしてでもゲットしたい」というファン約1万人が行列! セーフコ・フィールド横で一夜を明かす人も多数出現する騒ぎに。 これには地元テレビ局はもちろん、日本からも報道陣が駆けつけて、野宿する人たちにインタビュー。イチローの人気の凄まじさを伝えた。結局、試合開始3時間前に到着しても人形は残っていたのだが、苦労して手に入れたイチロー・ドールは大切な宝物になったに違いない。もっとも、その後はオンラインのオークション・サイトで数100ドルの値がついていたのだが……。 この騒ぎに続き、先日もまた野宿して並ぶシアトル住民が続出して街の大ニュースになった行列騒動があった。しかも今度の目的はドーナツ! 場所はシアトルから車で約30分のところにあるイサコア。最近は開発が進んでいるが、普段はニュースと縁遠い、閑静な住宅地である。そんなイサコアに「クリスピー・クリーム」ワシントン州第1号店がオープンすることになったと発表されたのは、今年の春先のこと。 「クリスピー・クリーム」は、1933年にヴァーノン・ルドルフ氏がケンタッキーにオープンしたドーナツ屋に端を発する老舗。当時ケンタッキーにあった名もないドーナツ屋からスタートし、その後ケンタッキーからテネシーのナシュヴィル、ノース・カロライナへと移転。1937年7月13日に初めて「クリスピー・クリーム」の名前でドーナツを販売。大当たりして、全米にチェーン店が拡大した。それが、2001年になってようやくワシントン州に上陸したというわけだ。 オープン予定は、当初6月とのことだったのだが、なんらかの事情でのびのびに。とうとう夏も過ぎ、じらされたシアトル住民たちの「まだかまだか」という気分は盛り上がるばかり。 「すっごくおいしいらしいよ」「あの人はカリフォルニアで食べたことがあるって」「フワフワして、天国のお菓子みたいよ」などと噂ばかりが先行し、イサコアはワシントン州で最もホットなスポットに踊り出た。そしてついに10月30日にオープン 決定というニュースが流れるや、その期待は最高潮に!
地元テレビ局や新聞が「オープン日は大変な混雑が予想される」とこぞって報道し、同時にクリスピー・クリーム社も「混雑に備えて警察官を雇うことにした」と発表。ここまで広告費を一切使っていないにも関わらず、イチロー人形のとき同様、「初日にゲットしなければ!」と前日から野宿して店先に並ぶ若者が殺到!
地元テレビ局はまたまた野宿する人たちにインタビューし、その報道がさらに人を呼び、午前7時半には1,500人を超える人と約100台の車が列をなす騒ぎとなった。 この日は気温10度前後という曇り空。だが、どうもシアトル市民はイチロー人気で行列馴れしているのか、携帯電話会社の営業担当者でクーポンを配る人がいたり、イスラム教団体でビラを配っていたり、はたまたたった今買ったばかりのドーナツを倍の値段で売りつけようとする若者が出現したりと、並んでいるだけでも飽きることがない。 また、このような大混雑でも「クリスピー・クリーム」は一向に個数制限をする様子はなく、両手にドーナツをぶら下げて帰る人たちが行列の横を過ぎていく。まだ買えない人たちも、それを横目で見ながら「俺もたくさん買うぞ!」という意気込みを新たにするのか、文句を言う人もない。 それから数週間。運よく30分で買えたという人もいるが、週末は今でも1〜2時間以上待たなければ食べることができないという大人気がまだ続いている。 ●「クリスピー・クリーム」のオフィシャルサイトはこちら。 http://www.krispykreme.com/ |
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| text / Ono Takumi photos / Ono Takumi |
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