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平和を望むアメリカ人だって大勢いる 3月20日、ついにアメリカ、イギリスによるイラクへの攻撃が開始され、「これから世界はどうなるんだろう」と不安な気持ちを抱えているのは、私だけではないはずだ。ここサンフランシスコでは、そんな不安な気持ちを抑えきれない人々が、毎日街のどこかに集まって反戦デモに参加している。 毎週末ダウンタウン周辺で行われている大規模なデモには、先週だけで5〜6万人もの市民がデモに参加し、約2000人がデモ中に逮捕された。私も家でじっとしているよりは、せめて頭数の一人としてでも貢献できればと想い、2週連続でデモに参加してきた。
シビックセンター(市庁舎)周辺に近づくと、山のような人だかりがゆっくりと街の大通り、マーケット・ストリートを移動していくのが見える。大人から子どもまで、年齢も人種もさまざまな人々が、いろいろな言語で書かれたプラカードをもって、一歩一歩ゆっくりと歩いていく。いかにもヒッピーという格好をしている若者たちから、ばっちりきめているドラアグクイーンのお兄さん、赤ちゃんをおんぶしているお父さん、車椅子にのっているおばあちゃん、乳母車を押しているお母さんたち、果ては連れている犬にまでメッセージボードをくくりつけている人と、参加している人たちの格好はバラエティーに富んでいる。 その中の数人と話をしてみた。「デモに参加するのは市民の義務だよ!」と熱く言い切る人や、「一週間毎日、プラカードに何を書くか考えていたよ」というかなり真剣な人もいれば、「家にいて戦争のニュースをずっと見ているよりは、誰かとこの不安な気持ちを分かち合えたらなと思って」、「私にできることはこれぐらいししかないし……」という控え目な人たちまで、デモ参加に対する考え方も色々だった。しかし、参加理由はどうであれ皆のメッセージは一つ、「戦争反対、一刻も早く世界に平和を!」というものに変わりはない。
たとえ小さな声だとしても、表現しなければ こうした大規模なデモだけでなく、先週は街のいたるところで平和を祈るメッセージを多く見かけた。ある交差点では、車がうるさいくらいに警笛を鳴らしているので何か事故でも起こったのかと思ったら、“Honk for Peace(平和を祈って車の警笛を鳴らしてください) ”というサインを持つ若者たちに、みんなが応えて警笛を鳴らしていたのだった。ゴールデンゲートパークでは、大きなピースマークの旗を掲げて歩いているおじいさんに、道行く人たちがピースサインを返していた。 こうした人々の戦争反対への祈りにも関わらず、結局先週戦争が始まったときには、個人の力で一体何ができるんだろうと、大きな無力感を感じさせられた。しかし、どんなに些細なことでも自分の意見を表現するサンフランシスコの人々を見るにつけ、私も諦めずに、せめて自分の意見くらいちゃんと表現しなくちゃと励まされた。 一刻も早く戦争が終わり、人々が平和に暮らせる世の中がくるように毎日祈ることぐらいしか、私にできることはないのかもしれない。結果はどうであれ、やはり今度の週末も反戦デモに参加するつもりでいる。 |
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| text / Matsuo Mari photos / Matsuo Mari |
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