更新日:2003年7月14日 RSS

ワールドニュースカフェ

老人は元気に、子どもはお利口に
ご近所パーティで町が変わる

2003年7月14日
パリ(フランス)


フランク 桂子/ライター

パーティ参加者は老若男女さまざま。席についたままのお年寄りに、子どもたちが手作りケーキを取り分けて持っていく、微笑ましい光景も見かけた。

初夏はパーティの季節!

 近ごろフランスでは、初夏に“ご近所パーティ”をする人々が増えている。

 4年前にパリで始まったこの試み。普通の会社経営者だったぺリファン氏が近所付き合いに疑問を感じたことから、5月27日を“住民パーティの日”と定め、ボランティアと共に宣伝し始めたのがきっかけ。以前、ぺリファン氏が住むパリ北部の17区のマンションで、隣人にも気づかれずお年寄りが一人寂しく亡くなっていたという悲しい事件があり、こんな粋な習慣が始まったのだ。

 仕掛けは簡単。マンション1階の掲示板に日にちと時間を記し、皆で集まりましょうと貼っておく。当日は玄関ホールや庭先にテーブルを出し、それぞれが持ち寄ったアペリティフやワインを楽しみながらお互いを知ろうというもの。

 フランスの国立統計経済研究所の1999年度国勢調査によると、パリは一人暮らしの高齢者の割合が世界一高いのだとか。大型スーパーでは、近ごろひとり用惣菜の食品売り場が目立ってきているのも、気のせいではないだろう。

右の女性のように、自分の苗字と住む階をシールに記し、胸に貼るのがルール。それを見て「あなたはうちの下の階なんですね。いつも子どもがうるさくてすみません」と謝っている人も。

国内だけでなく、周辺国にも拡がりが

 今年は、5月に大型連休が続いたため、6月から7月のヴァカンスシーズンにかけてこのパーティを開催するマンションが増えた。21時過ぎまで明るい今の時期はお祭りごとにはもってこいの季節。私も初めてパーティに参加してみた。夕方から少しずつ人々が集まり始め、子どもたちがはしゃぎ、ワインを開ける音でにぎやかになってくる。中には勤め先からいつもよりは早めに帰宅し、鞄を持ったまま参加する人や、生まれたばかりの子どもを皆にお披露目している人などいて人間ウォッチングも面白かった。

主催者のヴィダルさん。赤いシャツがとてもよく似合っていたマダムだ。

 当マンションのパーティを企画したヴィダルさんに話を伺ってみた。夫妻でパーティを企画したものの、最初は皆集まってくれるか心配したらしい。しかしパーティは大成功。マンションの問題を気軽に大勢の人と話し合えるよい機会であり、第1回目以降お年寄りは元気に、子どもたちは挨拶を忘れない、そんな理想的な環境になったそうだ。

 4年目にしてフランス全土で170の市町村、そしてヨーロッパの15都市(ロンドン・アテネ・チューリッヒ・ベルリン等)で行われ、ヨーロッパの初夏のイベントになりつつあるそう。“住人パーティ”を成功させるには、「積極的に、笑顔で、機嫌よく」が合言葉。隣人と上手く付き合えれば、毎日の生活もまた違ってくるはず。

●ご近所パーティ関連サイト、「Immeubles en Fete」。シーズンが過ぎた現在は、今年行われたパーティの情報が多いよう。
http://www.immeublesenfete.com/

世界のニュース検索
日付順バックナンバーリスト
都市別バックナンバーリスト
ニューデリー(インド)
アルジェ(アルジェリア)
ブレーシャ(イタリア)
アルタイ共和国(ロシア)
リマ(ペルー)
バンクーバー(カナダ)
サンフランシスコ(USA)
シアトル(USA)
ニューヨーク(USA)
ロサンゼルス(USA)
サンパウロ(ブラジル)
パナマ(パナマ)
ブエノス アイレス(アルゼンチン)
リマ(ペルー)
上海(中国)
深セン(中国)
香港(中国)
台北(台湾)
ソウル(韓国)
ジャカルタ(インドネシア)
バンコク(タイ)
ホーチミン(ベトナム)
シンガポール(シンガポール)
イスタンブール(トルコ)
ダマスカス(シリア)
テヘラン(イラン)
ドバイ(アラブ首長国連邦)
ロンドン(イギリス)
パリ(フランス)
ニース(フランス)
ミラノ(イタリア)
ローマ(イタリア)
シエナ(イタリア)
ヴェネツィア(イタリア)
ベルリン(ドイツ)
ボローニャ(イタリア)
デュッセルドルフ(ドイツ)
マドリッド(スペイン)
ブリュッセル(ベルギー)
アムステルダム(オランダ)
ブダペスト(ハンガリー)
ストックホルム(スウェーデン)
オスロ(ノルウェー)
ヘルシンキ(フィンランド)
モスクワ(ロシア)
カイロ(エジプト)
ナイロビ(ケニア)
ダーバン(南アフリカ共和国)
シドニー(オーストラリア)
オークランド(ニュージーランド)
ハラレ(ジンバブエ)

text / Franck Keiko
photos / Franck Keiko