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更新日:2003年3月14日

エコツアーのすすめ1 やんばる編

自然を観察しながら五感をとおして自然に親しむ、
そして同時に自然からパワーをもらう旅。
それがエコツアー。
知的好奇心を満たしてくれ、同時に心も身体も元気になる。
そんな一石二鳥の“旅”を提案します!
>>> Vol.2 “屋久島”エコツアーはこちらから
エコツアー初心者におすすめ
  国内外に数多くあるエコツアーのポイントですが、日本国内なら、世界遺産にも指定されている屋久島や白神山地、そして知床、小笠原、西表島などが代表的。でもとくに初心者におすすめしたいのが沖縄本島です。海も山も美しく、エコツアー以外に観光も楽しむことのできる沖縄ですが、個人的には、ここの一番の魅力は“やんばるの森”じゃないかと思っています。

  “やんばる”とは、沖縄本島の北部3分の1を占める亜熱帯の森のこと。“山原”と書いて、“やんばる”と読みます。本島では決して見られない、国指定の天然記念物が14種類、県指定の天然記念物が9種類あり、貴重な動物、そして珍しい植物に出合うことができるのです。

2時間のエコツアー
  エコツアーといえば、「シャワーはないの?」とか「トイレはどうするの?」といった疑問を持つ人もいるのでは? これについては次回の屋久島編で詳しく説明するとして、前半の“やんばる”編では、Tシャツにパンツ、そしてスニーカーさえあれば参加でき、自然を感じることのできる場所をご紹介します。

  やんばるの森の最先端、辺戸岬の近くにある『金剛石林山』は、入場料大人500円で、ちょこっとやんばるを体験できます。2億年前の石灰岩が、雨水などで侵食されてできた奇岩によって作られた石林山。ここには6万本の大きなソテツや、南国でしか見られない巨大なガジュマルが根を張っています。

  年を経た巨大なガジュマルには、木の精“ブナガヤー”が宿ると言い伝えられています。細長く長く伸びた木の根元で心を鎮めて静かに目を閉じると、あなたの周りで木の精“ブナガヤー”が飛び回る気配を感じることができるかもしれませんね。

  ほとんどアップダウンもない遊歩道なので、スニーカーさえはいていれば、散歩気分でやんばるの森を垣間見ることができます。2時間足らずの平易なルートなので、荷物は水とハンカチくらいで大丈夫。

半日のお手軽エコツアー
  やんばるには、沖縄本島で最大の比地大滝(落差25.7m)があります。国道58号からこの滝までは片道約2km。アップダウンや階段などがある道を、エコガイドの説明を聞きながらゆっくりと歩き、到着地点である比地大滝でのんびり休憩すれば3〜4時間、という軽いトレッキングコースです。

  基本的には遊歩道が整備されていますが、散歩気分で訪れることができる金剛石林山と比べれば本格的なトレッキングです。巨大な植物の葉が道を覆って陰をつくり、歩いていると森を分け入るような気分に。体力にそれほど自信がないけれど、やんばるの森と対面してみたいという人におすすめ。神秘的なやんばるの森を体験できます。

  道中には、カワセミやアカヒゲ、アカショウビン、それにイボイモリやリュウキュウヤマガメ、イシカワガエルなどの動物に出合うことができます。運がよければ国指定特別天然記念物のノグチゲラやヤンバルクイナにも。よく見かけるのは、やんばる山系の川沿いに生息する、黒い羽にエメラルドグリーンの胴が美しいリュウキュウハグロトンボなど。

  珍しい植物としては、大きな葉のクワズイモや、つる状のイルカンダ。また、滝の近くで見られる、葉が2mはある巨大なヒカゲへゴ。ヒカゲへゴの下で耳を澄ますと、風で葉がすれる音、鳥が飛ぶ音、鳥のさえずり……。聞こえてくるのは、とても都会では聞くことのできない音ばかり。五感を自然に向かって開いてみましょう。

  服装は、足元はスニーカー、夏でも薄手の長袖のシャツと長ズボンをおすすめします。森の中には動物や虫がいますからね。

カヌーでマングローブの林を行く
  やんばるの熱帯ジャングルの山から流れる川の河口には、マングローブの森が広がり、天然の迷路を作り出しています。特に、慶佐次川にあるマングローブ林は沖縄本島でも最大で、国指定の天然記念物にもなっています。

  歩いて行くことができないマングローブの林の奥深くを、カヌーで分け入っていくのは、まさに“秘境”を感じることができる瞬間。

  ツアー最初にカヌーの漕ぎ方をレクチャーしてくれるので、初心者でも安心。潮の満ち干によってさまざまな表情を見せてくれる川を、カヌーで探検するのは、地上を足で歩く場合とは目線も違う新鮮な経験です。きっと、新しい世界を発見できるはず。

  一口にエコツアーといっても、その“難易度”はさまざま。今回は日帰りで軽く体験することのできるトラベルプランをいくつかご紹介しました。次回は、屋久島でのエコツアーについて、ちょっと詳しくご案内します。お楽しみに!



Text / Yamazaki Mayumi
Photos / Yamazaki Mayumi ,
     (財)沖縄観光コンベンションビューロー


>>> Vol.2 “屋久島”エコツアーはこちらから
 
イタジイの樹
イタジイの樹は扇状になっている。この樹が多くを占めるやんばるの森は、遠くから見るとブロッコリーのよう。

金剛石林山
巨大な奇岩が林立する金剛石林山。

ガジュマル
受け付けで木のつえを貸してくれる。ゆっくりとのんびりと散策してみよう。

やんばるの森
やんばるの森には滝がたくさんある。滝の近くで水しぶきを浴びるのは気持ちいい 。

カヌー体験
カヌーでマングローブの林を行くのは少々難易度が高いが、挑戦してみるだけの価値はある。

●やんばるまでのアクセス
やんばるツアーの足場となるのは名護。那覇から名護までは路線バスで約2時間、高速バスで約1時間半。
問い合わせ先:沖縄県バス協会
Tel:098-867-7386

●エコツアーのアレンジについて
エコツアーには、旅行会社が企画する大都市発のツアーと、現地でガイドをアレンジする方法とがあります。正確な知識を身につけるためにも、また安全確保のためにも必ずガイドと一緒に回りましょう。以下は名護でエコツアーをアレンジできるエージェント。

ヤンバル大自然体験 AsoBo  
住所:沖縄県国頭郡宜野座村漢那1678
Tel:098-968-3504

やんばる自然塾
住所:沖縄県国頭郡東村慶佐次82
Tel:0980-43-2571

エコネット美(ちゅら)
住所:沖縄県名護市宮里1336-7
Tel:0980-54-2886
http://www9.big.or.jp/~chura/

●金剛石林山
住所:沖縄県国頭郡国頭村奥間1605
Tel:098-834-2680
営業時間:9:00〜16:00(10〜3月)、9:00〜17:00(4〜9月)
休館日:年中無休
入園料:大人500、子供300円

●やんばる野生動物保護センター
やんばるの森に生息する貴重な野生生物の生態系や保護増殖状況などをセンター内部のライブラリーやギャラリー&シアターなどで学ぶことができます。
住所:沖縄県国頭郡国頭村比地263-1
Tel:0980-50-1025
休館日:月曜日/こどもの日とみどりの日を除いた祝祭日/慰霊の日(6/23)/年末年始
開館時間:10:00〜16:30



山崎まゆみ
国内外問わず幅広く活躍するトラベルライター。アウトドア雑誌『BE-PAL』で混浴露天風呂めぐりの連載をやっていたため、大の自然愛好家に。


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