映画『愛する人』に学ぶ
働く女性の母性・子ども・キャリア

高沖清乃(以下T) 本作は、女性が一度は考える、妊娠・出産のテーマを軸に、子を養子に出した母、養子として生きてきた女性、養子を待つ夫婦、の3つのストーリーが織りなす作品ですよね。養子を迎えた方に先日取材したのですが、養子という選択はありかも、って思いました。
矢野貴久子(以下Y) 私もそう思います。子どもを1人育ててみて、楽しくってかわいくって。養子を迎えるのもいいな……と。
T 養子っていう選択があり、っていう方に会ったのは矢野さんが初めてです。
Y 子どもにも、兄弟がいると長い人生、生きていく中で心強いだろうし。1人目が男の子だから、今度は女の子を育ててみたいですね。とはいえ、日本では、ダブルインカムだと養子を迎えることが難しい、など、まだまだハードルは高そうですけどね。
T 仕事をもっているお母さんには育てられない、って暗に言われているようですね。養子というテーマが身近なアメリカの作品ですけど、この作品を機に、家族の多様なロールモデルをもっと多くのユーザーの方々に知っていただけたら、と思います。cafeglobeの連載でも、それがテーマのひとつですしね。日本では、まだまだ多様性が見えにくいですから。
Y 本当に、日本はステレオタイプだなぁと感じますね。家族の姿って、実は漠然としているものを、「こうでなければならない」ものと決めつけてしまうのは自分の首を絞めてるようなもの。日本の女性って、働くことにもまじめ、子どもをもつことにもまじめで。バランス良く、適度に手を抜きながら、自分なりの家族の形を作れる世の中になっていけば素敵ですよね。自分が産むだけじゃない、という選択肢も持ったり、多様な生き方があるっていうことを知れば、もっとハッピーになれるのではって思います。そもそも、夫婦だって血はつながっていないものなのだし……。
T たとえば、自分の子が産院のベッドで隣の子と取り違えられた、ということにもしなったとしても、いままでの毎日があるから、血縁なんて関係ないです。
Y 血のつながりでなく、毎日のつながり、生活の中でのつながり、とでもいいますかね。今回の映画『愛する人』は、主人公エリザベスは産みの母を知らずとも、キャリアを積んでひとり強く生きている物語ですよね。
T エリザベスは弁護士として、家族も恋人も作らずバリバリ働いていますが、そのエリザベスが想定外の妊娠をしてしまう……。彼女がどんな選択をするのか、どのような幸せを選び取るのか、同世代のユーザーの皆さんにとっては、とっても興味があるはず。
Y キャリアと母性、母と子。女性には人生でいろいろと考えるターニングポイントがありますよね。イベント当日は、青木愛さんもお招きして、さらにじっくりお話しましょう。この続きはお楽しみ、ということで。
T 映画もどんな結末が待っているのか、今から試写イベントが待ち遠しいですね。ぜひ皆さん、お越しください。
『愛する人』
37年間、お互いの顔も名前も知らずに生きてきた母カレンと娘エリザベス。一人きりで生きてきた二人は、カレンの母の死、エリザベスの妊娠をきっかけに会うことを決意する……。しかしそこには、衝撃の運命が待ち受けていた! 2011年1月15日公開。
●映画『愛する人』公式サイト>>
高沖清乃
(たかおき きよの)
(株)ポーラスタァ代表取締役。働く女性のためのマタニティ誌『ninps』発行人。cafeglobeで『子どもと私の豊かな時間』を連載中。2歳の男の子を事実婚のパートナーと育てている。
●ninpsのサイト≫
矢野貴久子
(やの きくこ)
女性ファッション誌の編集を経て、99年株式会社カフェグローブ・ドット・コムを設立。cafeglobe.comを運営するかたわら、3歳の男の子の母として毎日大忙し。
●cafeglobe矢野貴久子のブログ≫







