カフェグローブ第15回 人気バッグブランド「KAZUYO NAKANO NEW YORK」デザイナーカズヨ・ナカノさん - Frill me, Thrill me! インタビュー

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更新日:2005年8月31日
Frill me, Thrill me!
15
KAZUYO NAKANOさん
アイデンティティを持つ女性に捧げる
ハンドバッグづくりに込める想いとは?

KAZUYO NAKANO
京都のハンドバッグメーカーを経営する父親と、おしゃれ好きな母親の元に育つ。京都のレイデザインスクール・テキスタイル課で学び、ミラノのピエロ・グウィディーのアシスタント・デザイナーを経て、1987年に渡米、1997年にバッグブランド「KAZUYO NAKANO NEW YORK」を発表。バーニーズ ニューヨーク、ヘンリ・ベンデル、サックス・フィフス・アベニューなどの高級デパートをクライアントに持ち、各種メディアからも注目を浴びている。



バッグメーカーの父、おしゃれ好きの母の
影響でバッグデザイナーへ

  緑×朱色の粋な着物をまとった京都の舞妓さんの看板と、バッグの鮮やかな色あいがマッチした、NYソーホーにある「KAZUYO NAKANO NEW YORK」のショップ。ショーウィンドウに並ぶ個性的なバッグに吸い込まれるように店内に入ると、デザイナーらしい凛とした気高さとやわらかい笑顔が印象的なKAZUYOさんがやさしく出迎えてくれた。機能的でありながら女性らしさを忘れず、その中に強さを感じるデザインが、多くの働く女性から支持されているKAZUYOさんのバッグ。そもそもバッグデザイナーを志すきっかけはなんだったのだろう?


  「おしゃれや洋画が大好きな母は、自分の洋服をほどいては、私のためにデザインし直してくれるこだわりの持ち主で。 いつも“クラスでいちばんファッショナブルな子”でなければならなかった子ども時代だったんです」

 やはりごく自然にファッションデザイナーや画家といったクリエイティブな仕事に興味を持つように。どうしたら自分の才能をいちばん発揮できるかと試行錯誤していたとき、ふと目に留まったのが、ハンドバッグメーカーを経営する父の姿だった。“ほかの誰にもない、自分にしかない環境”がこんな身近にあったなんて!と改めて気づいたとき、この強みをいかせば、絶対に将来この業界で生きていける、と若いながらに確信したのだとか。

  「18歳から4年間、父のハンドバッグ工場で働きました。革の扱い方やその美しさを最大限に引き出す技術など、一から勉強しました。そのとき現場で経験し、体で習得したことがいまの作品づくりにすごく活きてますね」


時代ごとの女性の個性を生かした
“Working Womanコレクション”

 “すべての女性は個性があって美しい”という信念を持っているKAZUYOさんのバッグは、さまざまな女性をモデルにしている。本を読んだり、演劇を見たり、その作品の時代に入り込んでいくと、いろいろ創造的なアイディアが浮かんでくる。それをまた現代風に創り直すプロセスから新しいデザインが生まれるのだという。


  「私がテーマとして選ぶ女性たちに共通しているのは、“魅力も含めて自分をよく知っていて、アイデンティティを持っている”こと。前回の2005年春夏コレクションは“キャサリン・ヘップバーン”がテーマだったんですが、彼女を選んだ理由は、7年前に読んだ彼女の自伝と、昨年亡くなられたことが重なったから。ヘップバーン本人というよりは、映画での彼女のキャラクターをテーマに、スポーティ・エレガントで統一しました。でも、そのイメージへの反動で、今回の秋冬コレクションでは、1960年代後半を取り上げてみたくなったんです。“とにかくいつも変わっていたい、同じでいるのがつまらない”というファッションの歴史としても非常におもしろい時代なので」

  そんなKAZUYOさんの強いイメージから生まれた秋冬コレクションは、 “スウィンギング・ロンドン”と呼ばれた1960年代後半のイギリスを代表するデザイナー、オジー・クラークのデザインを颯爽と着こなした4人の女性がテーマになっている。「2006年コレクションに向けて、また違ったイメージを構想中なのよ」と、秘密めいた笑みを見せながら語るKAZUYOさん。



ケニア人女性の自立をサポートする
「ザイナコレクション」を始動

 KAZUYOさんのバッグづくりの活動のひとつに、ファッションとチャリティを組み合わせた「ザイナコレクション」がある。“お金を寄付するだけでなく、女性の自立をサポートする活動をしたい”というKAZUYOさんの長年の夢がかなった活動だ。


  「大学教授をしている夫のケニア人の生徒が、あるとき、『ケニアの民族バッグを取り扱って欲しい』と店に来たんです。はじめは、ファッションの方向性が違うということでお断りしたんですが、ケニア人女性が置かれている悲惨な状況について聞いているうちに、『これは私がずっと思い描いていたチャリティにつながるかも』と思って。女性が自立してお金を稼ぐことは自信につながるし、それを見て育った子どもたちも“自立”を学べると思い、引き受けることにしたんです」。

  編み物や刺繍をするケニア人女性を集め、ラフィア(ラフィア椰子でつくった紙ひも)、手染めの糸、貝殻などの原料をすべて現地で調達。そして、KAZUYOさんのデザインを織り交ぜて新たなコレクションが2005年春に誕生した。


  「当初は、製作費や売上金をすべて現金で支払う予定でした。ですが、生活水ですら、1マイル(約1.6km)離れたところにある井戸に行列してやっとの思いで手に入れている、という劣悪な生活環境だということを知って……。いまは売上金でケニアに井戸を作るという方針に変更しました。このチャリティの成果が現れるまで約3年はかかりそうですが、着実にケニア人女性たちの意識に影響を与え始めていると感じています」。ザイナコレクションは、現在ニューヨークのみでの展開となっている。


アイデンティティを持つ女性へ。
バッグで、さらに美に磨きをかけて!

「NYにいていちばん楽しいのは、いろんな人種、体型、肌の色の人がバッグを持ってくれること。アイデンティティを持った女性であれば“誰にでも”、わたしのバッグは映えると思う。バッグと自分自身を美しく盛り上げられるような女性に、ぜひ使ってほしい」と目を輝かせて語るKAZUYOさん。彼女の情熱は、店内で所狭しと並べられた個性豊かなバッグの数々からも、生き生きと感じ取ることができた。



text / Tsukada Keiko
photos / KAZUYO NAKANO NEW YORK


「カズヨ ナカノ ニューヨーク」日本橋三越本店 新館 2Fでフェア開催
(10月4日〜17日)


秋の新作を集めたフェアを開催。日本橋三越本店新館 2Fアンテナショップの1周年を記念して「KAZUYO NAKANO NEW YORK」のハンドバッグを税込で2万1000円以上お買い上げの方に先着で写真の「オリジナル・メモパッド」をプレゼント。
■KAZUYO NAKANO NEW YORK」のサイトはこちら>

NYソーホーにある「KAZUYO NAKANO NEW YORK」のショップ。舞妓さんの看板が目印。

個性的な色とりどりのバッグがならぶ店内。

Penelope T.(ぺネロープ T.)
秋冬コレクションの一番のイメージバッグ。誰も真似できないような個性を持ったトップモデル、ペネロープの雰囲気が溢れる作品。ナチュラル系の色が、テーマである1960年代後半の雰囲気を醸し出している。

Bianca Python
(ビアンカ・パイソン)
1960年後半に活躍したデザイナー、オジー・クラークの、女性の自由とパワーを象徴するイメージがいちばん濃く入っているデザイン。パイソンを用いたクールで強烈な存在感が印象的。※日本ではエストネーションで限定販売中。

バッグづくりに励むケニアの女性たち。

2005年春に発表された「ザイナコレクション」。







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