
フランスの若者たちが驚嘆・賞賛した
シャンサとは、一体どのような人?
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文化大革命末期の中国で生まれ、17歳で渡仏。わずか数年の後にはフランスの名だたる文学賞を総なめにした作家シャンサさん。「言葉で五感を刺激したい」と語る彼女は、近年は美しい色彩を操る画家としても活動。東京での展覧会も話題になっている。
彼女は何故、活躍の場にフランスを選んだのだろうか? そして、フランスへ渡った彼女は何を思い、その才能をどのように花開かせたのだろうか?
「きっと、あのまま中国にいたとしても、私は作家になっていたでしょう」と語る彼女のキャリアは、まだ中国にいた幼い頃、詩人として脚光を浴びたことからスタートしている。「ですが、ヨーロッパに影響を受けた今の私とは、全く違うタイプになっていたでしょうね」。シックなチャイナドレスに身を包み、穏やかで、柔らかな口調で彼女は言う。
「活躍の場にパリを選んだのは、居ながらにしてヨーロッパ諸国やアフリカの文化にまでも触れることができると思ったからです。パリという場は、いろいろな文化がクロスオーバーする“ヨーロッパの十字路”なんですよ」
多くの友人たちから祖国の文化や歴史についての多岐にわたる質問を受けたことで、自分のアイデンティティを見つめ直し、また、彼らの伝統やライフスタイルなどについても多く学び、幅広い知識を蓄えることができたという。とはいっても、フランスへ渡った当時は、まだフランス語を話すことが出来ず、ひとり暮らしも初めて経験する17歳の女の子だった。当然、不安も、生活全般においての困ったこともあった。
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孤独であるというのは……
ヘルシーである証ではないかしら
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「『フランス人はフランス語を話さない人とは会話しない』という厳然たる事実を前に、孤独を感じたこともたくさんありました。でも、今となって思うのは、それらの経験は私にとって、とても良い経験になったということ。より強くなることができましたから……」
その時に感じた孤独が、のちの創作に活かされているのだろうか。彼女の著作『美しき傷』や『碁を打つ女』などには、「愛」や「孤独」が驚くほど美しく描かれている。今では、オペラを観に行ったり、友人の催すパーティに出向いたりと社交的に暮らす彼女だが、家に帰ると、いっさいの音を消し去り、孤独になる時間をあえて持つのだという。
「愛はひらめきです。そして、孤独がそこにあるということは、とても健全で良いことだと言えますね。孤独って、逃れようとしても逃れられないものではないかしら。多くの人たちは、孤独から逃れようとして、パーティへ行ったりデートしたりします。でも、私にとってそれ以上に大切なのは、家でひとりの時間を満喫すること」
できるだけ誰かと一緒にいようとしたり、家に帰ったとたんにテレビのスイッチを付けてしてしまうなど、孤独に身をゆだねられない人たちが多い。そんな昨今の傾向にシャンサさんは「沈黙の世界はとても美しいのに」と、少し残念そうに言う。
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もしも、毎日1時間でも散歩ができるのなら
この1年間、1日だってお休みはいらないわ
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作家として、詩人として、そして画家として。幅広く活動する彼女の想像力の源は、一体どこにあるのだろう。そんな質問に対し、「健康的な生活」にあると答えた彼女。オーガニック食材を選び、お茶をたくさん飲み、お酒はいっさい口にしない。また、少し調子が悪いと思われるときでも薬は飲まないという。
「もともとスポーツは大好きですが、好きなときにできるとは限りません。そんなときは散歩をしたり、瞑想しながら自分の身体に問いかけてみます。そうすると、身体のどこかから『こうして欲しい』との答えが自然と返ってくるのです。身体というのは脳を働かせる機械ですから、そういった問いかけに対しきちんと答えをくれるのです」
瞑想したり、ジムにも行ったり。規則正しい生活がストレスから解放してくれる。ストレスに正面から対峙するよりは、むしろ一歩退いてみてプレッシャーから解放される時間を持つという、彼女らしい対処法だ。
「私だって不安や心配の種は尽きませんが、過度な不安に取り込まれないように心がけています。よくいわれるポジティブシンキングなんかではなく、不必要なことは捨て去って、どんどん空っぽにする作業。もっとシンプルにすることです。そうしたコントロールが上手になったせいか、年齢を重ねるほどにエネルギーがみなぎってくる気がします」
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text / Chica photos / cafeglobe.com
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今年9月、シャネル銀座店での個展に続き、日本橋高島屋8Fギャラリーにて『シャンサ展』を開催(10月17日〜22日)。小説の印象と同じく、切なくなるほど優しく美しい作品たちだ(写真上、彼女の背後に飾られた
水彩画など)。
●高島屋-タカシマヤ-のサイト
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『美しき傷』
最新作は、マケドニアのアレキサンダー大王を主人公に、壮麗な歴史の舞台で魂に傷を負う者たちが繰り広げる圧倒的な愛の物語。
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『午前4時、東京で会いますか?』
パリで暮らすシャンサと東京で暮らすリシャール・コラス(シャネル日本法人社長)で交わされた魅惑の往復書簡集。
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『碁を打つ女』
碁を知らずとも、碁によって読者を引き込む手腕に驚かされる。フランスの高校生が選ぶゴンクール賞受賞の悲恋小説。
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