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第33回全国高等学校バレーボール選抜優勝大会、いわゆる“春の高校バレー”で、パワフルなアタックと美しいルックスで注目を集めた選手がいた。現在、プロビーチバレーボール選手として活躍するかたわら、タレントとしても人気を集める浅尾美和さんだ。現役女性アスリートの中でも抜群の知名度を誇る彼女だが、つい4年前までは、ビーチバレーボールはおろか、プロのスポーツ選手になることすら考えていなかったという。
「高校卒業後は、普通に大学に進学しようと思っていました。でも高校2年生のときビーチバレーボールの関係者の方に『ビーチバレーやってみない?』ってお誘いを受けたんです。その後ビーチバレーの練習に参加させてもらって太陽の下でプレーする開放感にハマってしまって。また今までは監督の指示が全てでしたが、ビーチバレーは自分たちで試合を組み立てることができる。そのスタイルに惹かれて、ビーチバレーの選手としてプロになる決意をしました」
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コーチ不在のなか、焦りが募る毎日
自信を取り戻した遠征先での体験 | |
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炎天下、足場の悪い砂浜のコートを、たったふたりきりで守らねばならないビーチバレー。高校時代はレフトアタッカーのポジションでエースそしてキャプテンとしてチームを引っ張る経験もしてきた浅尾さんも、転向したばかりのころは苦戦したそう。
「いちばん苦労したのは、体育館のなかでは吹かない風への対応。ボールの動きが読めないし、砂が舞って視界が悪くなることもしばしば。砂に足をとられることも多くて、最初はパスすらもできなかったんですよ。インドア(バレー)のときはスパイクを打つことが主だったからそれに照準を合わせていればよかったけれど、ビーチバレーはトスもパスもリカバリーも全部やらなくちゃいけない。戸惑ってばかりでした」
プロになったばかりの頃、ワールドツアーの時はコーチが帯同しなかったため、練習メニューは全て、パートナーとふたりきりで作っていたという。
「『強くなりたい』という気持ちばかりが先行して厳しいメニューを組むんですが、それが正解なのかも分からない。そんなときパートナーとふたりきりで海外遠征に行ったんです。自分たちに足りないものを吸収しようと、アポなしで海外のチームの練習に参加させてもらって。英語は話せないから、とにかく笑顔で話しかけて、ってもう必死でした(笑)。遠征期間は2ヶ月位でしたが、できなかったプレーができるようになったり、何より自分たちふたりだけで遠征をやり遂げたという達成感で、少し自信がついたんです。それからはやっと私らしい力強いプレーできるようになりましたね」
その結果、ビーチバレーに転向してからわずか1年後に初参戦した「ビーチバレージャパンレディース大会」でいきなりの3位入賞。2005年からは本格的に大会へ出場し、国内大会ではほぼ上位に入賞。2007年には国内ビーチバレーボールランキング1位になった。今年は惜しくもオリンピック出場を逃してしまったものの、釜山アジア大会金メダリストの渡辺聡コーチ、そしてパートナーの西堀健実選手とともに、4年後のロンドンオリンピック出場を目指している。
「技術面はもちろんなんですけれど、今は精神力を伸ばしていきたいと思っています。そのためにはやっぱり試合経験をたくさん積みたい。練習でカバーできる部分もあるけれど、勝つためには試合を読む力が必要だなって。最近はオリンピック出場という明確な目標があるからか、試合前に緊張することが増えたんですよ。そういうときは頭の中で自分のいちばん良いときのプレーを思い出して『その通りやれば大丈夫』って自分に言い聞かせて試合に臨んでいます」
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色々なことにチャレンジして
同性に憧れられるような女性になりたい | |
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人気の高まりとともに、周囲の期待も高まっていく。プロスポーツ選手ゆえ、試合結果に対してはシビアな意見が出ることもある。そういった世間からの反響、自分の置かれている環境について、浅尾さんはどのように感じているのだろう。
「そういう記事や報道って、ほとんど見ないんですよ(笑)。だから実際何を書かれているのかは知らないのですが……。でも何を言われても、自分たちが負けたのは事実だし、いちばん悔しい思いをしているもの私たち自身だから、周りにどう言われていたとしてもあまり気にならないですね」
オリンピック出場という目標に向かって、練習漬けの毎日が続く。長期海外遠征も多い日々のなか、タレント活動との両立は、大変なのではないだろうか。
「今の目標は、オリンピックに出場して結果を残すこと。でもそれだけではなく、同性から『かっこいい』って思ってもらえるような女性になりたい。そのためにはビーチバレーだけでなく、芸能界のお仕事も含め色々なことに挑戦して、可能性を広げたいと思っています」
最後に憧れの女性は?と聞くと、「SHIHOさん!」と満面の笑みで即答してくれた浅尾さん。この日の取材日に別の撮影でSHIHOさんと一緒になる機会があったということで、興奮冷めやらぬといった様子に、22歳らしいあどけなさが垣間見えた。“ビーチの妖精”と言われる彼女が、この先どのような活躍をみせてくれるのか、今後も注目していきたい。
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text / cafeglobe
photos / Koizumi Osamu
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