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Cafeglobe(以下C) 前回は、そのほとんどを国内の機関や個人が持っていることからこれまで安全と言われてきた日本国債も、今後の景気の動きによっては必ずしも安心できない状況に陥る可能性があるというところまで伺いました。これにはいったいどう対応したらいいんでしょう。何か私たちにもできることはあるのでしょうか。
C あとは、浜さんが以前からおっしゃっている、投資などで食べていく国を債権大国である間に目指すべきだということですね。実際、2011年の日本の対外投資は648億ドルで史上最高だったそうです。これが増えると、対外投資でもいったんは経常黒字の減少になりますよね。
H そういうわけではありません。資本流出が増えれば、その分、経常黒字は増えることになります。そのからくりは以下の通り。まず、資本が日本から流出するというのは資本勘定の話で、経常勘定とは別枠です。日本から資本が流出するというのは、言い換えれば日本の資本輸出が増えるということです。日本から出て行く資本が増えるということは、その日本資本が海外で稼ぐ利子や配当やその他の報酬が増えることを意味します。これらの利子・配当等々は、経常勘定の中の所得収支という項目の収入増として計上されます。今の日本においては、経常収支の中の貿易収支の黒字部分がどんどん縮小し、代わって所得収支が経常黒字の使用な稼ぎ手になっています。モノの輸出が経常黒字の主要な稼ぎ手である時代は、実をいえばもう終わっているということです。 C これは国内での投資が減るということかもしれないですから、産業の空洞化は進むと想像されます。ますます所得分配をしっかりしないと怖いことになりますよね。 H そこをどうやって投資の上がりでカバーしていくか。分配政策の腕の見せ所です。単なる補助金や給付金をバラまくようなやり方ではなく、これも以前から申し上げていますが、地域経済の独自展開をやりやすくして地域密着型の雇用を増やしていくなどの工夫が必要です。国際収支行動構造の変化は、国内における貯蓄と投資の関係の変化の反映です。内外両面の大きな構造変化に対応して、政策や制度も切り替えを進めていかなければなりません。この辺をしっかり把握した上でないと、政策も行政も何時まで経ってもピントはずれな対応に終始することになってしまいます。 C こういったことを政府がちゃんと考えてくれているのか、素人が日経新聞を読んでいたくらいでは全然見当もつかないです。 H 日経新聞だけを読んでいたのでは、日本経済も世界経済のことも肝心なところはしっかりは解らないと思いますけれど(苦笑)。それはともかくとして、今私たちが話しているようなことを、政府は発想すらしていないと思いますよ。成長戦略をいまだに追い求めていることからして、考えていないというシグナルだと思います。
C 政府にはきちんと考えてくれと声を合わせてメッセージングしていく必要がありそうですが、ほかに個人レベルで何か備えられることはありますか。あえて利己的なことでお願いします。
H 国外脱出(苦笑)。もっとも、どこに行けばいいかという大問題もありますけどね。たとえばブータンなんかはそれを恐れて外との関係を閉ざしているわけですよね。どこかにみんなで「ひょっこりひょうたん島」を見つけて集団移住しますか。カフェグローブ国を作るとか。みんなの豊かさ・貯蓄を持ち寄って独立する。イタリアのウンベルト・ボッシ率いる北部同盟やスコットランドのSNP(スコティッシュ・ナショナル・パーティ)などが独立をよく口にしますよね。あの感じで我々も旗揚げしてはどうでしょう。 C もうちょっと穏健に言わせていただくと(汗)、国の財政が破綻していろんなインフラが使えなくなっても、自分たちは協力して生き残れる地域社会を作るというようなイメージですね。 H バルセロナを州都とするスペインのカタルーニャ州なんかもそうですね。マドリッドに依存しなくても自分たちだけで生きて行けると主張する。わたしたちの国は、日本国政府にはどこにあるかを教えないようにしましょうか(笑)。 C 地域通貨の流通量も国には教えられませんね(笑)! H ……まぁ、以上は利己的な対応策です。Cafeglobeユーザーはこんな精神で動いてはいけませんから(笑)。そういう部分もあってもいいですが、もっと幅広く大局観のあるところから言うならば、やっぱり言葉にして求め続けることしかないんですよね。諦めずに言い続けていれば、「高額所得者にもっと負担をしてもらう」「成熟経済のあり方」といった言葉が政治家の口からポロリと出てくることもあるのでね。振り回されず、信じることを言い続けることが重要だと思います。あとは、人の痛みを自分の痛みとして感じることができる感受性をどれだけ研ぎ澄ましていくことができるかですね。これはとても大切なことです。昨年は「絆」という漢字が話題になりましたが、自分が自分のために絆を求めたりつながってやすらぐのではなく、いかに人のために自分が絆の一角を形成することができるか考えていれば、おのずと困難な局面を打開できる回答が現れてくるのではないかと思います。 C 困難で不安な時期だから、つい強い言葉を言うリーダーを求めてしまいがちな時代かもしれませんが、本当は私たちひとりひとりが考え、意見を上げていくことが必要だということを痛感します。言葉にして求め続ける、今年も頑張りたいと思います!
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