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経済って難しい
じゃあ何をすればいい?
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Cafeglobe(以下C) 友人と話をすると「経済って難しい」って言う人が結構います。経済に関する記事はハードルが高いと思われている節があるようです。「政治経済と一括りにするけど、“政治”はまだしも人間同士のドラマとしてゴシップ記事を読む気分で追える。でも経済はどうも難しい」と。
浜さん(以下H) 「政治より経済が難しい」という言葉が出てくる理由を考えてみましょう。経済は難しいとおっしゃいますが、政治のほうがむしろ色んな思惑が交錯する難しい世界ですよね。それに反して、経済は人の思惑やかけひきに左右されず割合素直に動く面があるんですよ。市場の見えざる手などという言葉もありますよね。
C 実は私も「難しい」という人の気持ちがわかるんです。だからと言って「わからない、興味ない」とスルーしていては、どんどん取り残されてしまうようで不安という気持ちもあります。経済に明るくなるためには、私たちは具体的にどんなことをすればよいでしょう?
H 難しいという言葉で表現されている内容が何を指しているか、によって解決法は異なると思いますが。
C そうですね、経済の記事に書かれている内容が、自分の日常と接点が少なく感じられるとか、抽象的であるとか、そういうことだと思います。自分の財布に入っている1000円札と、世界のニュースの中にある大きなおカネの話がつながってこないといいますか。
H ではそこを埋めるために、どういうことをすればよいか、ということを考えてみましょう。
C はい。
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「小遣い帳」をつけてみよう
そこから考えを広げれば……
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H 確かに「経済活動とは何か?」ということを、日常性の中で解き明かすというようなことを経済学の教科書はして来ていませんね。でも、この連載でもお話ししていますが、経済活動とはそもそも人間の営みであるわけです。経済活動をする動物は人間しかいない。そこで、例えばですけど“経済活動日記”のようなものをcafeglobeユーザーの皆さんも書いてみるというのはいかがでしょうか。日記をブログで公開している人も多いでしょうし、いつもの日記を経済活動という観点から書いてみる。
C そうすると、ただの小遣い帳になってしまいそうです。
H 最初は小遣い帳でいいと思いますよ。自分の経済活動を記録していくと「今日はこういう小遣い帳になったけど、行動の順番が逆だったらこうなったんじゃないか」とか「同じものを買っているけど、前回に比べてどうしてこんなに安いんだろう」とか。自分の経済活動について突っ込んで考える材料ができるわけですよね。
C “経済の難しい話”と、“自分のお財布”を繋がったものとして捕らえられるようになるにはどうすればいいんでしょう?
H 例えばですけど、行ったお店のことを思い出して「あのレストランは味があんなに良くて高級感があるのに、どうしてあんなに安い値段の付け方が出来るんだろう、と考えてみる。立地が悪いから家賃を節約出来てるのかな。スタッフも少なかったから人件費もあまりかかってないのかな。こういう店にお金を貸しているのはどういう銀行なんだろう」……とかね。そうするとだいぶ考える範囲が広がりますよね。こういう風に細かく見て行くと意外に面白い答えが出てきたりします。こういうシミュレーションは経済予測のテクニックにも関わってくるものなんですよ。
C 「経済の話は私の日常と関係ない」ではなく、経済を自分の生活に引き込んでくるようなイメージですね。
H 小遣い帳なり経済活動日記なりをきっかけにして、経済というものを自分の実感で捉えるための最小単位の手がかりを見つける。推理小説に出てくる探偵になった気分で、それを一種のゲームとして楽しめばいいと思います。当てずっぽうの推理ではなくて、自分の感覚で捉えることができるところまでミステリーを解体してみて、そこから推理を積み上げていく。名探偵ってそうするでしょう。
C 最小単位=小さな手がかりをきっかけに、イメージを広げ、考えを深めていくということですね。
H 「最小単位=小さな手がかり」から積み上げて推測するということについて、例をひとつご披露しましょう。例えば私はよくお芝居を観に行くんですが、帰ったあとよく家族に「何人くらい入る劇場だったの?」と聞かれるんです。そういうときも「さっぱり見当がつかない」と言ってしまうのじゃなくて「自分の席は前から何列目で真ん中あたりだった。自分の左右に5席くらい、その向こうに通路があって、その先も5席くらいだった。ということは、あの劇場には一列に○○席ある。この席数の列が一階にはざっと○列くらいあったな。ということは、一階席の席数がおよそ××席ということか……」という具合に、最小単位のところで手がかりをつかみ、そこから情報を積み上げて行けば、一見雲をつかむような話に思えたこともかなり正確に推測することができますよね。巨大なドーム球場の席数だって、このやり方なら積み上げ計算が出来るでしょ。積み上げのための基礎単位探しゲーム、とでも言いましょうか。小遣い帳をきっかけにこういう知的ゲームを大人のたしなみとして楽しめばいいと思うんですよ。
C 自分の経済活動の内容はわかってるし、国の人口や都市の規模などの基本的なデータはすぐに調べればわかりますから、経済について自分で考えるきっかけはいっぱいあるわけですよね。……こういう考え方はやはり浜さんのエコノミストとしての分析活動のなかで培われたものなんでしょうか?
H 元々、謎解きが好きだからなんとかして解答を見つけ出そうとするんですね。要するに、謎解きの勘所は、その謎を自分でマネージできる単位に切り刻んでいくことにあるのだと思います。みなさんも謎解きの面白みがわかってきたら、そのうち自然に「ちょっと難しそうだけど、経済の本も読んでみよう」っていう風になると思うんです。
C 新聞を読むなどの情報収集に加えて、探偵ゲームで謎解きのセンスを磨く。このふたつを両輪にして色々考えてみようと思います。
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マンションは今が買い時
……って本当??
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C いきなりな質問ですが、マンションって今は買い時でしょうか? 最近、まわりでマンションを買いたいという人が多いんです。不動産の価格も下がっているし、住宅ローン控除も延長されることになった。ローンの金利も低いみたいだし、ということのようですが?
H 色んな要因がありますが、もっと安く買いたいということであれば、少し待ったほうが良いんじゃないでしょうか。2〜3年くらい待てるなら待ったほうがいいかもしれません。何が何でも今買うんだという切迫した思いがあれば、ちょっと前よりお買い得になっていることは間違いない。ただ、今が底だとは思い込まない方がいいと思います。また株価がどんと下がって、俗に「二番底」(※1)と呼ぶ状況になるかもしれない。そのあたりまで様子をみたほうがいいでしょう。
C 値段が本当に下がりきる二番底があるんですか?
H 株式にせよ、不動産にしろ、ある程度まで値が下がってくれば、底値拾いでまた少し投資してみようか、という人が出てくる。それで相場がちょっと持ち直す感じが出るわけです。でも、今のように経済状況が不安定な中では、ちょっと悪い指標が出たりすれば、それが嫌気されてまた相場は下がる。そうなると、狼狽売りが出ますから、そこでまた相場が大きく下がる……そんな展開が繰り返されることになるわけです。要は一歩進んで二歩後退という感じですね。今のような時は何といっても慌てないことが肝心。相場を相手に慌てると、結局は高値で買って安値で売ることになってしまう。それで損をしてしまう個人投資家は結構多いと思います。
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買い時は人それぞれ
自分の条件でじっくり考えて
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C 不動産の買い時を見極めるのって難しいですね。
H これも自分でシミュレーションしてよく考えればいいと思うんです。単に感じとして今が買いどきかそうでないか、というようなことではなくてね。値段がどこまで下がったら自分にとって間違いなく買いなのか。それほど値段が下がらなくても、金利がこのくらいなら大丈夫、とか。何年ローンなら実際の支払い金額はいくらになるのか、とか。金利、返済期間、自分の所得、貯金の規模、将来の所得の想定などの要素を、細かくブレイクダウンして見て行く。金利が下がった場合は、上がった場合は、などと、あれこれシミュレーションしてみる。先ほどの話とも繋がりますが、これもじっくり考えれば結構現実的な像が見えてきますよ。どんどん因数分解して、自分が理解しやすいレベルまで落とし込んで考えることです。小遣い帳をつける気力があれば、不動産の購入などについても、しっかりご自分で判断できるんじゃないでしょうか。
C 細かく要素を分解して、よく考えるというやり方は色んな状況で使えそうです。「今ならお得!」的な情報に踊らされないように、自分で考える習慣をちゃんと身につけようと思います。
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