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Cafeglobe(以下C) 渋谷の温泉施設の爆発事故にコムスンの問題。英会話のNOVAも一部業務停止命令を受けましたし、ブックオフの不正会計問題もありました。このところ、急成長していた企業が突如ガクっと転落……というニュースが多い気がします。やはり何らかの無理を重ねてしまっているんでしょうか。
C 話題は変わりますが、ビッグイシューでは世界銀行(※3)元総裁ウォルフォウィッツ氏の辞任の話を書いていらっしゃいます。私は「国際機関のエラい人のスキャンダル。私たちにはあんまり関係ない」と思ってました。でも、調べると、今や日本は世銀にとって第2位の資金供与国。となると、私が納めた税金がウォルフィーの愛人の給料になってた可能性もあるかもっ!と、フツフツと疑問が沸いてきました。 H 世銀にしてもIMF(※4)にしてもWTOの前身のGATT(※5)にしても、みんな戦後復興期の始まりに作られたもの。そのときの時代感覚が色濃く出ているわけです。当時、世銀が出す援助資金を誰が主にまかなうかといえば、何はともあれアメリカだった。IMFはドルを軸にする通貨体制の番人だった。GATTが標榜する貿易自由化も、まずはアメリカが率先して市場開放を進めなければ実効は上がらない……と、要するに援助・通貨・通商という戦後の国際秩序の三本柱をいずれもアメリカが主役になって担う形になっていました。当時はそうならざるを得なかったわけです。この基本設計を変えないまま、状況に応じて微調整をやってきたわけですが、それでは今やいかにも時代状況とのミスマッチが大きすぎる段階に来ていますね。今回の不祥事なども、そんな大きな問題を抱えて国際諸機関がまともに機能しなくなっていることが影響していると思います。風紀のみだれの背景にはやはり組織の制度疲労がある。 C かつてアメリカはキラキラしていた。しかし今はそうではない。 H ええ。その昔輝いていた頃のアメリカは、自分がいちばん輝かなきゃダメだっていう気概があって、気位高くやろうと自らを律するものがあったと思います。それが次第になくなって、しかし、リーダーシップは失いたくないという状況になってしまった。そういった焦りが、ネオコン的なものを産み出していると言えるでしょうね。ウォルフォウィッツ(※6)もネオコン的発想で「世銀を一発立て直せ!」と言われて乗り込んだのでしょう。世銀そのものが、戦後の復興期とは随分違う状況のなかで活動しているわけですが、当時に比べると、世界的な貧富の格差は格段に広がっているわけです。本来的に考えればもっと活躍してしかるべきなんだけど、そのあたりが上手くいっていない。 C このウォルフォウィッツの愛人問題に限らず、世銀の組織自体もたるんでしまっていたのでしょうか。 H たるんでいたというよりは、ひとつにはIMFとの役割分担という問題がありますね。IMFが担っていたドルの番人という役割がそれほど必要なくなってきたために、本来は世銀の役割である中長期的な開発援助のようなことにIMFがどんどん浸食してきているという状況があります。世銀だけではなくIMFもまた生き残りをかけているから、役割の争奪戦のような状態になってきている。そうするとどうしても浮き足立って、空気も淀んできてしまうわけです。
C なるほど。でも、これだけ貧困問題が深刻な今だからこそ、世銀がやるべき事はいっぱいあるはずなんですね。世銀の活動がうまい具合にいかない理由はどこにあるんでしょうか。
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