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若い人が海外旅行に行きたがらなくなっているというニュースもありましたし、とかく自分の把握している範囲から出たくないという傾向があるように見えます。
H ひきこもり傾向といいますか。しかしそれがアグレッシブな形で発露すると秋葉原の通り魔事件のようなことになるわけですよね。魂の荒廃が個人のレベルで進んで行くと、世界全体が恐ろしい状況になってしまう。今私たちは、大きな世界と個人的な小さな世界が直結してしまう怖さを持っている時代に直面していると思うんです。ドメスティックバイオレンスにせよ、通り魔事件にせよ、日本だけで起きている問題ではないわけで、これらにどう対応するのかもサミットで取り上げるテーマになり得たと思いますよ。環境の話は今やらなきゃいけない。でも他に問題がないわけではないんです。環境のためにも、話し合うべき大きな問題があるわけです。
C はい。「無知、無関心、無感動」に陥らないように日々アンテナを張り巡らせていこうと思います。ところで、福田首相はサミット期間中にどうしても首相でいたい!という感じでしたし、訪欧して存在感をアピールしたりもしてますが、外交好きなんでしょうか?
H まあ、挨拶まわりだとかはそれなりに得意なんでしょうね。ヨーロッパの各国を訪問している様子を見てると、なんだかみんなに「おつかれでしょう」っていたわられてましたよねぇ。いたわられ外交っていうのもあるのかもなんて思っちゃいましたけどね。ドイツのメルケルさんなんかも、日頃の険しい表情じゃなくていたわりの表情でね。思うんですけど、福田さんというのはそもそも番頭さんという役割が非常に似合う人ですよね。官房長官という究極の番頭役をやっているときは非常にイメージも良かったですよね。だから、この機会に番頭外交ってのを確立したらどうかと思って。日本は世界の番頭さんになればいい。紛争があったら仲裁、変な旦那が無謀なことをやろうとしたら思いとどまらせたりいさめたり。そういう役回りをやる「Banto-Diplomacy(バントーディプロマシー/番頭外交)」が世界語になればいい。
C 以前、日本はドン・キホーテになればいいっておっしゃってましたが……。
H ドン・キホーテはやっぱり理念が高いし尖ってますからね。それは福田さんには無理でしょ。だから番頭。そういう人ですって確立して世界からも「アイツはバントーヤッテルよ」と認識されればそれなりに功績は大きいのではないでしょうか。
C そういえば、以前福田首相とイギリスのブラウン首相の類似点について書いていらっしゃいました。ゴードン・ブラウンも番頭系ですか?
H 彼は硬い感じで問題を丸く納めるような器用さはない。あの人は参謀タイプの優等生ですね。解答を求められれば寝る間も惜しんで一生懸命勉強して立派な解答を出してくるタイプ。
C そのブラウンさんの評判が落ちっぱなしのようですが、理由はどういったところにあるんでしょう?
H 彼のパーソナリティが人々をいらだたせてるんでしょうね。大見得切るのも下手だし、解散総選挙に違いないって思ってたときに突然税制改革打ち出したり。一見手堅いまじめな人だと思ったらあっちへふらふらこっちへふらふらで。だから、それこそあの人には番頭的な愛想の良さが必要ですよね。同病相哀れむというか、福田さんがイギリスにきたときはふたりしてこわばった笑顔をカメラに向けてましたねぇ。
C ええ。訪欧期間中は本当に記念写真だらけでした。個人的にはギラついたサルコジさんと枯れた福田さんのツーショットが面白かった……。いやいや、福田首相、世界の良き番頭になってください!