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更新日:2001年5月22日

016
岡尾美代子 Okao Miyoko
まっとうに生きる
理想とするのは、そんな生き方

岡尾美代子さん 
岡尾美代子/スタイリスト

1963年生まれ。洋服から雑貨まで、幅広いスタイリングを手がける。現在、集英社の「SPUR」にて『OKAO通信』、Afternoon Tea.netで『Room Talk』、Happini.comで『私的インテリアガイド』、『スマイル・グッズ』を連載中。12月に旅の本を刊行予定。

スタイリングを通して伝えたいこと
それは、服や物が持つ「ムード」
 
  「女の子」だったことがある人なら誰でも経験したことがある、かわいいものを見たときのキュンとした感じ。岡尾さんのスタイリングは、そのキュンをうまくついてくる。彼女の選ぶもの、スタイリング、それをカメラのフレームにおさめるときの、切り取りかた……、そのすべてに一貫しているもの、それは「ムード」。

 「雑誌などでのお仕事は、洋服もそうですし、物でもそうなんですけれど、『もの』を紹介することが多いじゃないですか。こういう『もの』があります、ここでこういう『もの』が買えます、とか。でもそういうことだけではなくて、その服など、『もの』の持つムードみたいなものまで伝えられればいいな、といつも思っています。

  たとえば洋服のコーディネイトだったら、全身をスタイリングしていきます。でも、モデルがかわいくて、それで写真がかわいければ、顔だけの写真とか、足元だけの写真でもいいと思うんです。全身が写っていなくても、スタイリングして作った世界が、そこにうまく切り取られていればいいんです。うまく言えませんが、空気みたいなもの、その雰囲気を伝えたい、という感じです 」

  その「ムード」は、大好きな旅にも通じている。北欧が好きな理由もやっぱり、「そこにある空気」。

  「北欧がどうして好きかというと、初めて行ったストックホルムがすごくきれいだったんです。夏だったのですが、空気がとても澄んでいて、空が青くて、緑や自然がいっぱいで。みんな時間の使い方が優雅で。そこに惹かれたのかもしれません。そして、国や個人がとても自立している。きちんと自分の世界っていうのがあって、でもお互いを尊重しているからルールは守る。だから見かけで判断されない。北欧デザインも興味はあるのですが、それよりも、北欧のそういう環境がいいな、と思いますね。

  スウェーデンだけでなく、北欧全体に通じることなのかもしれませんが、アンティーク屋さんがいっぱいあるんです。しかも、扱っている商品が本当によい状態。アンティークの専門家ではないので、詳しくはわからないのですが、バイヤーの人たちが『北欧には、すごく古い物が、とてもよい状態で残っている』と言うのを聞いたことがあります。

  それを取材のコーディネイターの人に聞いたら、『北欧自体が貧しい国だったから、物を大切に使う習慣があるんじゃないか』って。そういうところもいいな、と思います。日本はすごい消費社会じゃないですか。ちょっとうんざりしますよ」

旅に出て、あらためて感じる
日本での生活の希薄さ

  旅に出ると、普段は忙しすぎたり、あまりにも日常的すぎて考えもしないことを考える時間・余裕ができる。自分の生活や、自分自身について見直してみたり。岡尾さんは旅に出ると、どんなことを感じるのだろう。

 
旅行していて強く感じるのは、東京に住んでいるといろいろなことが希薄になる、ということ。なんて言えばいいんでしょう……本当に生活とか、おおげさですけれど、生きている、というところがすごく希薄になるんです」

  では、どんな暮らしが理想ですか?

  「“まっとうに生きる”、って感じでしょうか? こういう仕事をしている割には、自分の生活がないがしろになっているので。本当にそういうことしてみたいです」(笑)

okaomiyoko

岡尾美代子さん
岡尾美代子さん

岡尾さんの「what's up」
■ ドーナツ ■
最近気になるもの、それはドーナツ。今すぐにでもドーナツ屋を開きたいというくらい好きだそう。「あの形がすごい好きなんです。そして『ドーナツを食べる』っていう行為も好きで。買うこと自体がもううれしいんです。甘いものを買って、あとで食べよう、って考えるだけで楽しくなりませんか」。
■北欧で買ったアンティークのポット■
フィンランドのお鍋。「この木のもち手がついているものって、なかなか出てこないんですよ。お豆とか煮たいです。コトコトって」。 岡尾美代子さんのポット
 

岡尾さんの
「オススメ写真集」
「実はコンピュータ、持ってないんです(笑)」。かわりに、岡尾さんお気に入りの写真集をご紹介します。
■『Shades of Time』
Annelies Strada著
ある一家の子どもたちの成長を追った写真集。
■『DISFARMER』
Julia Scully著
「町ではじめて写真を撮る、みたいな感じの人たちばかりなんですよ。おしゃれして撮ってもらう、みたいな」。人々の緊張した面持ち、おすましした表情など、ピュアな雰囲気が味わえる1冊。
■『Fork to Fork』
Monty and Sarah Don著
BBCのキャスター夫婦が、セカンドハウスでの自給自足の生活を綴った写真集。「なんかすごくちゃんと生きてる感じがするところが好き。自分たちで作ったものを食べて、小さな幸せがいっぱいで」。

Photos / Aoki Yoko(Cafeglobe.com)
Text / Sato Asako(Cafeglobe.com)



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