 |
“はなちゃん流”仏像の楽しみ方。 |
| |
はな
HANA/モデル |
|
| |
| |
|
 |
1971年生まれ。上智大学比較文化学科にて東洋美術、そして仏教美術に出会う。現在、「新日曜美術館」(NHK教育)の司会、「TIME
FOR BRUNCH」(J-WAVE)のパーソナリティーなどのほか、エッセイ執筆やCM出演などでも幅広く活躍中。さらに、2003年にはパンダ親善大使にも任命される! 著書には『はなのとっておきスウィーツBOOK』(集英社be文庫)、『Oops!
ウップス!』(筑摩書房)など、今秋には『お菓子の本』(幻冬舎)を刊行予定。 |
| |
|
|
|
 |
仏さまって、言ってみればアイドルなんです。 |
|
| |
| |
今年に入ってずっと物騒な空気が世界に漂っていて、それは今だって拭われたわけじゃない。ちゃんとウォッチを続けなくちゃ、とも考える。けれど、それだけじゃココロはこわばってしまうよね……なんて考えていたら、この人に会いたくなった。
はなちゃん。本来ならば、きちんとした大人の女性に対して「ちゃん」はどうかと思うのだけれど、事実、彼女はとてもしっかりとした大人の女性なのだけれど。なぜだか「はなさん」より「はなちゃん」なのだ。こわばったココロもホロホロと緩めてくれるような笑顔だもの、失礼かなとは思いつつ親しみを込めて、そう呼びかけたくなる。
そんな彼女が最近、一冊の本を書いた。『ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう』というタイトルから判るように、京都や奈良の仏像について語ったエッセイのような、ガイドのような本。はなちゃんにかかると、日本史の教科書にしかめっ面で登場していた仏像たちが、かなり違う存在に思えてくる。
|
|
| |
「アイドルみたい? そうだねぇ、トキめきとかあるものね(笑)。仏さまって、ずっと昔は光の輪などで表現されていたのだけれど、あるときから人間の形に模して崇拝するようになった。最初は王様とか、尊敬される人の顔に似せて作ったりしていたの。だから、もともとアイドルではあったんです」
|
|
|
| |
 |
“はなちゃん”オリジナル!? 仏像の楽しみ方。 |
|
| |
| |
大学では比較文化学科に在籍、気づいたら西洋美術よりも東洋美術を、そして仏教美術の科目を好んで選んでいたというはなちゃんだけに、そんな説明はお手の物といったところ。
|
|
| |
「いろんな国の仏さまを見ていると、それぞれその国の人の顔をしてるのね。インドならインドの方の彫りの深い感じ、日本まで来たら日本人の姿になっている。そんなところを比べるのも面白かったんです。けれど、今は大学時代よりもっと楽しんでいると思います」
|
|
|
| |
| |
だからこそ、今回は“はなちゃん流”仏像の楽しみ方を教えていただこうという趣向、なのである。まずは、お寺に辿りついたところからスタート。 |
 |
| |
 |
その仏像が、いちばんきれいに見えるアングルを探したいから。 |
|
| |
| |
「ワクワクしながらお堂に入って、まずは全体の空間を楽しむのね。で、どんどん仏さまに近づいていって。双眼鏡も必ず持って行きます。近くでディテールを見て、後ろにまわり込めるお堂なら、絶対に後ろ姿も見て。それで、自分の好きなアングルを探すんです。そこでとりあえずボーッとして。少し離れてみたり、座って低めのアングルから見てみたり。やっぱり、その仏像がいちばんきれいに見えるところを探したいから。見つけられると、ウワーッと嬉しくなる(笑)」 |
|
| |
自分が好きなアングルを探す? かつて、そんな仏像の見方をしたことがあっただろうか、と自問自答。例えば、目の前にいる誰かのいいところを探してあげよう、そんな気持ちに通じるアプローチかも。ふむ、そのまなざしが大切なのだね。
|
|
|
| |
| |
「光の状態によって仏さまの表情も変わるから、それぞれの時間を楽しむのもいいんですよ。仏像はずっと変わっていないのに、『あれ?
この前会ったときと違うね』とか思ったり。ライティングも何気に変わっていたりするし。あ、そうだ。影とかがまたいいのね」 |
|
| |
お気に入りの影を思い出しているのか、はなちゃんのまなざしはうっとりと……。
|
|
|
| |
 |
しびれる!
ブラボー! 素直にそう感じればいい。 |
|
| |
| |
「目が合うところを探してみるのもオススメです。本来、仏像ってあまり目が合わないものなのね。遠くを見つめている感じに作られているので。けれど、たまに出会ったりするんです、目が合う仏像に。大きい仏像だと見下ろされる角度が良かったりね。
目といえば、鎌倉時代以降の仏像には“玉眼(ぎょくがん)”といって、水晶が眼に埋め込まれているんですね。キラキラした眼だなと思ったら、『これは鎌倉以降の仏さまだな』なんて判るんです。ちょっとした知識があるだけで、何となく楽しいの。
仏像を見ていると、素朴な疑問が生まれてくると思うの。なんで髪の毛がもっこりしているんだろうとか、なんでああいう指の形なんだろうとか。そこをちょっと調べてみるだけで、もっと世界が広がっていくの。判んなかったら、住職さんに聞いてみればいいのよ。ちゃんと教えてくれるから」 |
|
| |
広隆寺の弥勒菩薩に、「しびれる!
ブラボー!」と投げかけてしまったり、、円成寺の大日如来に「『大ちゃん』と声をかけたく」なったり、永観堂の見返り阿弥陀に「私の心の鈴を鳴らしてしまった仏さま……」なんてつぶやいてみたり。仏像に向けるはなちゃんのまなざしは、どこまでもナチュラルで。仏像というだけで構えて敬遠してしまうなんて、実はとてももったいないことなのでは? という気にさせられる。仏像のどこに魅せられるのか、聞いてみたくなる。
|
|
 |
| |
| |
「好きなのは、口元。アルカイックスマイルって言いますよね。口角をキュッと上げて微笑んでいる姿を見ると、元気がなかったり疲れているときも『いけない、いけない。私も口角上げなきゃ』って、それは素直に毎回思う。もちろん、元気があるときも、見ていてさらにトキめいちゃったり、そりゃもうカッコよかったりしてドキドキするし」 |
|
|
 |
拝むというより、もっと自由な視線で。 |
|
| |
| |
はなちゃんの理想のタイプって? もちろん、仏像のことなのだけれど。まるで、人間の男性のことを聞くように尋ねてみても、彼女は実に素直に答えてくれる。尊敬しつつも構えない。人とのつきあい方も、そんな風にできれば素敵だなぁと思わずにいられない。 |
|
| |
「うん、タイプってあるな。仏さまだから知恵が詰まっていて優しくて、いろんなものを備えていらっしゃるんだけれど、その中でも考え込んでいるタイプが好きなの。京都・東寺の帝釈天さまなんて、考え込んでて、でも頼もしくて。『あ、ついて行こう』って気になる(笑)。逆に、すごく面白い風貌の仏像もいたりするのね。そんな仏さまに会うのも楽しい。すごーくかわいい仏像もいるし」
|
|
|
| |
| |
宗教として拝みながら見るのではなくて、もっと自由な視点で、と彼女は言う。言葉が介在しない分、自分のまなざしや想像の世界をうんと楽しめばいい、と。 じっとしていて何も喋らない仏像に、いろんな思いを馳せる……なんて想像していると、今すぐにでもお寺を訪ねたい気になる! |
|
| |
「お仕事だったんですが、みうらじゅんさんと“仏像デート”したんです。みうらさんの、仏像をフィギュアのようにとらえる男の子的な見方がとても新鮮だった。逆に、私は女の子の目線で見ているし。あと、みうらさんもよく使う言葉なんだけれど、『グッとくるんだよね』って。そういう仏さま、みんなも探してみたらいいと思うんです。ぜひ流行らせてほしいな、仏像デート(笑)」
|
|
|
| |
|
| |
|
|

|
| 「すっごーい! 法隆寺が? いいな〜、信じられない。年間パスポートとかないのかしら?」。これ、筆者の実家が奈良・法隆寺まで車で10分くらいだと話したとき、はなちゃんが間髪入れずに放った言葉。本当に好きなんだね、と微笑みながら、明日にでも帰省して仏像三昧したい気分でありました。ハイ。 |
|
|
| |
|
|
|